「一般人が台北サイクルショーへ行ってみた!」シリーズの第二弾です。久々の海外の台湾旅行初日で歩き疲れてぐっすり眠れて、すこやかに二日目の朝をむかえました。
また雨やん!
気温は初日より上です。半袖で外歩きできます。11月初旬の台北の気候は日本の10月前半のようなコンディションです。25度プラマイ5度。
朝ごはんと台北ショー
台北サイクルショーのメイン会場は台北南港展覽館です。ここは台北都心からすこしはなれます。チャリ移動にぴったりの距離だのに!
台北ショーの開園は午後9時からです。腹をみたして、決戦にそなえましょう。散歩がてらにあさごはん屋さんへよります。
シンプルな軽食どころです。ここのメニューには日本語の説明がありました。餅とバーガーをたのみます。
餅=クレープ風の薄焼きです。台北人の基本的な朝食です。これが150円くらいです。台湾式モーニングてところです。やすい。うまい。はやい。
こっちはチキンバーガーです。200円くらいです。まあまあです。
台湾おにぎり、小籠包、肉まん、イモなんかが人気の朝飯です。雨はやまないなー。
台北ショー会場へ
台北駅まであるきで出て、地下鉄にのります。ところで、この日は金曜日です。世間的にはふつうの平日の朝です。
恐怖の満員電車だー!
朝の通勤ラッシュにもまれるのは久方です。ゆううつなサラリーマンごっこがはかどります。出勤つれーわー、上司も部下も同僚もゴミしかいねーわー、会社クソだわー、ははは。
捷運南港展覽館站に到着しました。たまたまMeridaのジャンパーの人を見かけて、それにくっついていくと、会場入りできました。
台北ショーの入場の仕方
台北サイクルショーの入場の仕方をおさらいしましょう。
まず、この展示会は基本的に自転車業界のビジネス顧客向けのイベントです。しろうとの一見さん向けのイベントではありません。
2018年の開催日は10月31-11月3日です。はじめの二日は完全に関係者向けです。運営元のサイトに事前登録して、名刺を出して、パスをもらって、ようやく入場できます。
あとの二日は一般者に開放されます。ふつうのパンピーはこちらにしか入場できません。そして、最終日は午後3時に閉会します。
てなわけで、一般人がじっくり見れるのは開放デーの初日の11月2日です。で、これが台北ショーの一般向けの当日券です。
「チケットプリーズ」
「ノービジネス」
の二言で買えました。おねだんは200台湾ドルです。日本円でざっと800円です。これを入場ゲートで見せて、右側の半券をちぎってもらいます。
ちなみに会場は二手にわかれます。メイン会場がここ、サブ会場が世貿三館です。
ショーの主役はE-BIKE
会場です。だだっ広いフロアに自転車企業のブースがみっちり詰まります。
GIANT、MERIDA、SHIMANOのゴールデンゾーンです。で、やっぱし、GIANTのブースがいちばんパワフルです。
ショーの主役は電動アシストスポーツバイク、E-bikeです。ごっついフルサスペンションの電動マウンテンバイクがめだちます。
GIANT TRANCE E+ 2019です。トレイル・オールマウンテンの電動モデルです。アシストユニットのGiant Sync Driveはby YAMAHAです。これがほんとのEbikeです。
日本では最大出力の規定はとくにありませんが、速度あたりのアシスト比のルールがあります。時速9kmでアシスト比が最大、24kmで最小、25kmでゼロです。
つまり、速度があがると、アシストパワーがさがります。速度と出力が反比例する。海外モデルみたいにフル出力で限界速度までギャギャ!っとならない。
結局、国内のアシスト比のルールはママチャリ型の電動アシスト自転車のための規定です。安全安心。リスク、ダメ、ゼッタイ!
とはいえ、前後にちびっこ二人乗っけの20kgオーバーの歩道爆走電動ママチャリが客観的に安心安全ノーリスクか否かは疑問なところです。実態ななんとなく見逃されてるだけ。
とにかくこの電動ママチャリベースのアシスト比はスポーツバイクには合いません。
なので、海外自転車ブランドは日本進出には消極的ですし、国内自転車ブランドは電動ママチャリのルール内でEbikeを作ることになります。ジレンマです。
海外モデルの真・Ebikeを合法的に走らせられるのは私有地、パーク、うちの山とかのクローズドな環境ばかりです。
別にかってにそのへんを走っても、警察にはつかまりませんけど、緊急の場面、事故とか保険とかで不利になります。
商材的にはハイリスキーなブツです。パークを作れるorコースにあてがある先進的な個人店くらいしか手を出せません。そこらのチャリ屋の手には負えない。
しんきくさい国内事情をわすれて、はなやかなショーに戻りましょう。BESVの電動クロスバイクです。
現時点で日本で買える最良のEbikeはここの製品です。国内ブランドはデザイン的にあかぬけず、BESVの域には達しません。ネックはおねだんです。
OYAMAてマイナーブランドのEbikeです。こっちのできばえはYAMAHAやパナとどっこいです。アシストユニットは格安電動ユニットのBafangでしょうか?
こっちのバイクのユニットはハブ型です。ドリンクボトル風のものがバッテリーです。
リアサスはXfusionです。フロントフォークはEbike向けのマイナー格安DHフォークですね。最近、AliExpressとかでこの類が出てきました。
フレームやショックスはクロカン風、サスはDH風です。ちぐはぐ感があります。完成度はいまいちです。
スイスのトップバイクブランドのBMCの電動マウンテンです。ブランドカラーの赤がはえます。ユニットはShimanoのSTEPSです
オーソドックスなAMタイプです。BMCこそはクロカンのイメージですけど、電動クロカンってのはこれまたアンビバレンツです。
台湾の人気通販ストアのサイクリングエクスプレスが取り扱うAXMANのEBIKEです。
下り系・トリック系パーツ屋のDa bombのフルカーボンのEbike FSE+です。いちかばちかで買うなら、こういうモンスターを買いましょう。ぬるい微温的なのはいらん。
BIRDYのR&MのOEM元のパシフィックサイクルのブースにR&M印の電動カーゴバイクがありました。
前座席に予備バッテリーをめっちゃ積めます、ははは。リアサスがちょっとざんねんです。
電動トライクです、E-trike!
こんなふうに自転車のビジネストレンドは完全にハイテク、電動に移行しました。Ebikeはあってあたりまえ、ないと失笑ものです。アナログ自転車の時代は終わりました、ちーん。
ぼくもつぎの買い替えにはフルサスのEbikeか小径の電動ミニベロを買いましょう。日本のくそみたいなアシスト規制の緩和がまちどおしいものです。
アナログ・コレクション
とはいえ、自転車の基礎はアナログです。ハイテクや電動はおまけ、オプションです。基礎が魅力的でないと、旧来の自転車ファンはふりむきません。
それをはかりまちがえると、大手さえがこういうびみょうなものを作ってしまいます。アナログ部分、バイク部分のできばえがびみょうです。
アナログはだいじです・・・て、そうゆう建前を持たないと、現実を直視できない国内自転車ファンの自我はたやすく崩壊してしまいます。
アナログなロードバイクはすっかりショーの主役をはなれてしまいましたが、かつての栄華と自転車の歴史の語り部として会場のかたすみをはなやかにいろどります。
きれいなオブジェがありました。
COLNAGO C64 eTap & Lightweight バージョンです。イタリア製のラグドフレームにドイツ製のハイエンド超高級びみょうホイールの組み合わせです。床の間用です。
こっちはちょっとお安いフルカンパのバージョンです。
CUBEのブースにTTバイクのAERIUMがありました。ロードレーサーではありませんが、アナログのバイクです。落差がえげつない。
オートバイのKTMのロードバイクです。台湾のオートバイの稼働率をかんがえると、二輪メーカーの自転車はぜんぜんありです。
てか、KTMのチャリは海外ではけっこうなブランドです。ロードからMTB、Ebikeまでラインナップがあります。
GIANTの女性用ブランドのLIVのエアロロードENVILIVです。2019モデルはENVIEからENVILIVにネーム変更しました。まんまPropelの女子版です。
MERIDA WARPのチームモデルです。
LOOK 795 Blade RSです。
コックピットはセミインテグラルデザインです。完全インテグラルでケーブルを非表示にしない(できない?)ところが現在のLOOKの立ち位置を浮き彫りにします。
で、ピュアロードレーサーがまじで壊滅的です。めぼしいのはコルナゴのC64ばかりです。
MTB好き、あたらしもの好き、パーツ好きのぼくはぜんぜん楽しめますけど、ふつうのロード好きや国内のチャリ屋の店長はふくざつな心境にならないか?
実際、JAPANゾーンのブースを何度か行き来して、関係者の日本語にこっそり耳をかたむけますと、ぐちっぽい嘆き節をそこはかとなく聞けます。覇気がない。
そして、ITALIAゾーンにも同様のお通夜ムードがただよいます。覇気がない。
日本人ディーラー目線で考えると、この会場では非常に苦しい立場に立たされます。だって、最新のトレンディーなEバイクを持って帰っても売れませんし。
「この電動MTBはすごいんですよ! パワフルなんですよ! のぼりをものともしません! モトクロスっぽい遊び方ができるんですよ! 日本では乗れませんけど!」
はい、詰みです、詰みチャリです。はて、ほんもののEbikeのおもしろさをどう伝える?
台湾自転車パーツ見学
個人的に大盛り上がりしたのはEbikeでもアナログバイクでもありません。台湾の自転車パーツの個別ブースです。
うおお、Nの下に赤線一本! これはかの有名なハブメーカーのNOVATECのロゴです。
うちの中華カーボンホイール一号のハブはNOVATEC d711 SBとD712 SBです。OEMハブの業界標準です。
ほかにBITEX、CHOSEN、FASTACEのブースはありました。台湾ハブのオールスターだあ!
ハブの次はなんでしょう? リムですね。KINLINです。
NOVATECハブ、KINLINリム、Pillerスポークは手組ホイールのゴールデンセットです。
もひとつの手組の定番のALEXRIMSです。
フルカーボンチューブレスレディがもうあたりまえです。
まさかのPRESTINEです。
CBあさひが取り扱うマニアックな台湾パーツ屋です。この一週間前にPRESTINEのヘッドパーツを買って、フレームに圧入しました。
このばかでかい会場の無数のブースの3割ぐらいのブランドメーカーに見覚え、聞き覚えがある自分にちょっと引きます、ははは。
TMARSや!
ここの安い三段式のドロッパーシートポストは街乗り機のカスタムに有用です。貴重な27.2mm径のサイズがあります。
折り畳み自転車のパシフィックサイクルの展示です。Birdy、ビアンキフレッタ、プジョーパシフィック、タルタルーガ、キャリーミーとかの製造元です。
かくゆうぼくの1stスポーツバイクがパシフィック型のルイガノJEDIです。ペガサス号との思い出がよみがえります。
軽量パーツのPRO LITEです。
PRO LITEとLITE PROは別物の会社です。でも、どっちも軽量パーツメーカーです。
台湾の溶接・金属加工屋のKINESISのEBIKE向けのフレームです。
電動アシストユニットを調達できれば、バラ完EBIKEを組み上げられます。問題はユニットの規格ですか。
現時点で有名な電動アシストユニットのメーカーは
- Bosch
- YAMAHA
- Panasonic
- Shimano
- FAZUA
- BAFANG
- BS?
- XIAOMI?
BSとXiaomiは入る? とりあえず、自転車業界の毎度のパターンで互換性はなさげです。
LITESPEEDのチタンフレームです。
気がかりはどこでしょう? BBではありませんか? 安心してください。ねじやまはありません。
プレスフィットの有効性が時代にうらづけされました。ねじ切りBBはオワコンです。右カップの逆ねじで思い悩んだ日々が過去のものになりました。
「ピナレロにダウンチューブ形状をパクられた!」ていきまくVEROCITEのVENNのホイールです。PBKに在庫があります。
安ビッグプーリーのDigiritのカーボンリング各種とビッグプーリーです。ロゴがすこしあかぬけました。
ナローワイドのカーボンチェーンリングです。
薄歯のところはアルミぽく見えます。アルミ芯のコンポジットだあ?
軽量パーツのしにせRIDEAの小径カーボンホイールです。14インチかな? STRiDAとか用でしょう。
やべえ・・・台湾ショー、やべえ・・・
メジャーどころをめぐりましょう。Shimano初の12速コンポのXTR M9100の新型ハブです。
フリーボディはHG+に、ラチェットはDT風のスターラチェットの進化版みたいなやつになりました。
カセットスプロケットです。
ワイドレシオの10-51Tタイプは510%のレシオをほこります。Sram Eagleシリーズよりローギアが1Tだけ多い。
が、これはおなじみの11Tトップと45Tローのナローレシオですね。用途的にはクロカンやエンデューロ用です。オールマウンテンやトレイルには45Tは力不足です。
あと、ギアはばらけます。Sram Xdフリーみたいに1ユニットのカセットではありません。サードパーティのアルミのスプロケかじりが解決されない。
それから、トップのギアのマウントのツメがめっちゃちっこい。このかかりの浅さは一抹の不安をさそいます。
この仕様ではSramユーザーはわざわざのりかえませんねぇ。シマノの覇権奪還はまださきのようです。ローンチDi2の発表がなかったし。
かっくんブレーキと揶揄されたタッチ感は改良されたか? まあ、MTBにはマグラやHopeの優秀な油圧ブレーキがありますし。
やっぱり、業界大手のシマノもアナログからハイテクへのトレンドをむしできません。パワーメーター、電動アシストユニット、電動コンポが推しメンです。
アクションカメラ? え、なんのことです? シマノの製品にアクションカメラは存在しません。存在するのはスポーツカメラです、発売後一年で70%オフになるてゆう伝説の。
業者初のロード用の12速のカンパニョーロのレコードの展示です。
高級カブトガニです。カンパぽくないこれを実際に購入する一般ユーザーはいるかあ? プロはEPSを愛用しますし。石油王かIT長者の床の間用ですね。
カンパのドライブですが、ホイールは絶好調です。ゾンダ屋さん、Bora屋さんの磐石の体制はくずれません。
MAGURAです。
カンパの油圧ブレーキはマグラ製です。フルードの色はブルーです。出自がばれます。ROTOR UNOの油圧ドライブもby MAGURAです。HOPEのつぎはMAGURAだなー。
チェンシンタイヤのスポーツバイク向けタイヤブランドのMAXXISのタイヤです。
ブリジストンサイクルのタイヤとチューブ、TIOGAのUL TUBE、ONZAのチューブなどはおおむねチェンシン=MAXXIS製です。MTBタイヤの最強ブランドの一角です。
黄色いMAXXISロゴをマジックでぬりつぶすのはMTBあるあるです、ははは。
小物類
バイクパッキングはアナログバイクの最後のとりでです。オールロードの完成車のスタイルはぼちぼち固まります。バッグ類、パック類、ギアツールは拡大の一途をたどります。
いかにもアーミー好きのこころをくすぐるモスグリーンなパック類です。
バックルに工夫のあとが見られます。そして、カラーとロゴをきわめると、ビアンキみたいにチェレステ屋さんをやれます。
こっちのパックも好感触です。
ロゴにシンクロする縦長パック類だけをならべます。バッグを見れば、ブランドを想起できる。こういうコンセプトの統一はひとつの作戦です。
「シンプルで便利で安価なパック」では中華の安アイテムと勝負になって、最終的に負けますし。
子供用のトレーラーです。いや、万が一のペット用だあ? ワンちゃん、ニャンちゃんと一緒にサイクリングしたい! て層はかくじつにいます。
メイン会場はそんなところです。SRAMのブースを見つけられなかった。ないはずはないんですが。
しめの未来バイク。
サブ会場の世貿三館へ移動します。
サブ会場はしょぼい
南港のメイン会場からサブ会場までけっこうな距離があります。こんなときにはレンタサイクルがこいしくなりますけど、雨がぜんぜん止みません。
地下鉄でガタゴト移動します。初乗りは80円くらいです。やすいなー。
世貿三館は観光名所の台北101のとなりにあります。
おもしろい信号機がありました。3連式の信号です。いちばん上が自転車マークです。
いちばん下の歩行者マークはアニメーションします。
台湾の一般チャリダーはふつうに歩道走行します。MTB風クロスバイクが主軸です。
こっち見んなwww パーカー、ジャージ、サンダルてゆうちょい乗りスタイルです。結局、これが最強です。
サブ会場です。
受付で半券をちぎってもらいます。
うーん、こっちのブースはややビミョーです。サブ会場のサブはだてじゃありません。モチベが低調です。
15分くらいででてきてしまいました。気晴らしに台北101を見学します。
最近のマイブームは記念撮影する人を記念撮影することです。チャリばかりを取ると、ニンゲンを撮りたくなります。
台北101は典型的な高級モールです。カルティエ、ブルガリ、ヴィトンとかがひしめきます。チョコのジャンポールエバンがありました。
で、案の定、タワーは有料です。サヨナラー。
市内中心までもどってきました。と、街中でざんしんなシステムを発見します。
塩ビパイプをステーにダイレクトマウントします。おそらく傘ホルダーです。アナログの力はつねにたくましくえげつないものです。
スーパーでひるごはんを買います。
ポテチ、カップ麺、なぞのスイートスープです。
ホテルの部屋でお湯を供給できます。じゃあ、カップ麺がはかどります。
デザートは果汁入りのゼリーのような寒天のようなスープです。
これがなかなかGOODでした。
夜市へ
おそい昼食後に昼寝をすると、夜歩きのころ合いの時間をむかえます。夜市へGOしましょう。
おお、大賑わいではありませんか!
が、人と雨と注文の仕方のわからなさに積極的内弁慶を発動させ、戦略的撤退をこころみ、安寧の地へむかいます。
ばんごはんです。
台湾ではコーヒーも紅茶も栽培されます。右のやつは台湾製のコーヒー豆のカフェオレです。チキンは蒸したやつを照り焼きにしたやつっぽいです。
と、サービスで受け付けのおばちゃんに台湾ビールをもらいました。
ビールを飲むのは10年ぶりです。味は相変わらずの苦味です。ぼくにはこのうまさはまだ分かりません。もう10年ばかし寝かせましょう。
朝から晩まで歩き通して、ついに4万歩を超えました。
初日さえが3万歩です。でも、これはぼく的には旅行中の平均的な歩数です。ために集団行動はむりです、ははは。
最終日の台北サイクリング編につづきます。