サイクルモード大阪2018の試乗編の後半です。ディスクロードと共に電動アシストE-bikeがあちこちのブースにありました。SHIMANO、BOSCH、YAMAHAの三つ巴の戦いが見ものです。
案の定、個人的な関心のMTBはSCOTT、コメンサル、FOCUSとかにしかありません。ブレーキ屋のTRPブースのこいつは展示車でした、ざんねん。
アメリカのDHレースのスター選手、アーロン・グウィンの2016シーズンのリアル優勝バイクです。サドルのSDGのI-BEAMが個人的にツボりました、ははは。
MTBに乗る
うちのバイクはMTBベースのオールロードです。テキトーに使いまわして、海から山から駆け回ります。ホンカク・アカデミックではありません。
で、フォーマルなオフロードの完成車に触れるのは一年ぶりです。いつものコメンサルブースに足を運びます。もう出店位置を覚えてしまった。
恒例のコメンサル
はい、コメンサルシュプリームです、コメプリ。BOXXER、SAINT、SRAM XO 7spdのごりごりのフォーマルなダウンヒルバイクです。フルフェイスのメットが似合う。
ふだんのバイクはノンサスのフルリジッドハードテイルです。ゆるいトレイルがなかなかの難所になります。
ジャンプ後の手首の衝撃がちょっと不安です。サスペンションがこいしくなります。が、BOOSTの29erの手ごろなフォークがヤフオでなかなか出てきません。
DHバイクの下りの安定度はさすがです。しかし、登りは超絶にきつくなります。自走派のぼくにこいつはむりだあ! 山に辿り着く前に力尽きてしまう。
その問題を解決する・・・否! つらい上りを楽しくするのがつぎのモンスターバイクです。
衝撃のE SPARK
今回のSCOTTブースはMTB推しでした。ロードの試乗車はAddict DBのみです。理由は人手不足と逆張りの発想です。
スコットのロードは最速選手権のトップクラスに入ります。TREK MADONE、Spcecialized Venge VIAS、SCOTT FOILが最速エアロ御三家です。
このエアロロードのFOIL DISCは2018-2019シーズンの要注目の5台のひとつです。予約販売分で在庫が尽きて、今回のサイクルモードには試乗車はなかった、ざんねん。
その代わり、おそろしいブツがありました。
ダウンチューブのでかさに目が奪われます。そして、クランクの前側にメカニカルなユニットが見えます。電動アシストMTBのSCOTT E SPARKです。
アシストユニットはSHIMANO STEPSです。
STEPSは今季からヨーロッパからの逆輸入の形で故郷の日本へ上陸しました。SHIMANOブースの主役は完全にこいつでした。
しかし、このE SPARKはただの電動アシストじゃありません。なんとユニットが本場の欧州仕様です。
電動アシストの速度と出力の規制は各国でちがいます。EUは25km(30km?)以下の250W以下です。北米は32km以下の750Wです。
日本は25kmの???Wです。速度の規定は明文化されますが、出力の規定はあやふやです。一説では規制なしです。
ただし、独自のアシスト比の規定があります。
- 9km/h以下では人力:電動の出力の割合が最大1:2
- 25km/h以上で電動アシストはなくなる
- 10-24km/hでの出力は走行速度をkm毎時から10を減じて得た数値を7で除したものを2から減じた数値
えー、つまり、速度が24kmに近づくと、アシストのパワーが徐々に弱くなります。アシスト比が最大の50%になるのは9km以下です。
欧州や北米ではこんな比率の規制はありません。規定速度まで一気に最大パワーで加速できます。ほんとに「ギュギュイン!」です。ちょっとした原付です。ヤベー!
もちろん、この真STEPSのE Sparkはデモ用の車体です。公道に出ると交通法に抵触します。閉鎖空間の試乗コースや私有地でのみ走れる超レアなマシーンです。
ディスプレーです。
リモコンボタンはレバー左側にあります。OFF、ECO、TRAIL、BOOSTをシフトみたいに切り替えられます。
登りで30kmの数字がパネルに出たように思えます。EUのアシスト規制が30kmまで上がった? はたまた、30kmの地域の仕様ユニットだあ?
とにかく、こいつはヤバスギました。モトクロス的な楽しみ方が容易に思い浮かびます。下りはもともとヒャッハーですし。人をだめにするヤバさだ。
そら、海外でE-bikeが売れまくりますわ~。黒船級の衝撃です。日本のファッキンなアシスト比がうらめしくなります。
しかも、STEPSはユニット的にはマイルドな方です。BOSCHの欧米仕様はさらに強力だってはなしです。北米の700Wのやつが末恐ろしくなります。
だれかぼくに山をください!
ちょっと休憩カレーパン
E SPARKのインプレが後をひきます。一時的に会場の外へ離脱して、放心状態でカレーパンをもぐもぐします。
北摂ではカレーパン=サニーサイドです。南千里本店により損ねまして、万博の近所のパンプラトーて店で調達しました。なかなかのお味です。
一応、フードコートみたいな出店が会場に併設します。こちらは入場自由です。例のごとく家族連れでお昼時にはがちゃ混みです。もう並びたくない~。
小腹を満たして、会場をぶらぶらします。
シマノブースの展示車です。アルテグラフレーム! でも、足元はRXです。ひとおもいにRS770で揃えろよ! フレームはどこのOEMでしょうか?
かわいいお嬢さんがパンプトラックに挑みます。
PinerelloからCANNONDALEまでの行列ゾーンです。
ガジェットもりもりDOGMA K-10 Sです。
そのほかです。
コルナゴ=C64で活況
Factor=レンタルメット用意なし
Chapter 2=ニールプライドの外人おねーさんがこっちに
舞台上の団長安田=もはや環境BGM
クロちゃんのゲスト出演が待ち遠しいところです、ははは。
小径車
この数年来、下火だったミニベロ界がにわかにざわめき始めました。カーボン、超軽量、電動アシストみたいな新機軸がつぎつぎ登場します。
CARACLE COZ
今シーズンの小径車の最大の話題がCARACLE COZです。松原の金属加工・精密機械のテックワン社が販売するこんしんのフルカーボンフォールディングです。
OEMやODMじゃありません。テックワンの担当者がいちから開発しました。目標は香川のタイレルです。
このCARACLE COZの売りは重量です。完成車重量が6.9kgです。しかも、折り畳み。105完成車が24万です。お買い得だあ!
さらにフレームセット、フレーム+ホイールセットの販売があります。フレーム単品は税抜き107000円です。ザ・良心的です。
立場上、ぼくは中華サイトや海外ショップをしげしげのぞきますが、この型のフレームにはお目にかかりません。完全オリジナル設計のようです。
折り畳みのジョイントです。
リア三角がステーで分裂して、下側にスイングします。サスあり折り畳みのサスなし版みたいな風情です。
ミニベロ乗りはカーボンに飢えます。こいつは格好の餌食ですぜ~。スマッシュヒットはかくじつです。てか、フレーム売りがレアだ。
かんじんの乗り味はちっさいロードバイクです。小径の特徴で加速はふつロードを上回ります。下りと速度維持が弱点です。
それから、こいつのブレーキは今回の試乗車中の唯一無二のキャリパーブレーキでした。じぇんじぇん効きませ~ん。キャリパーはかんぺきにオワコンだ~、バイバイキ~ン。
ブースの人にディスクブレーキモデルの開発を激しくおねがいしました。
TERN VEKTRON
もう一台の気がかりがTERNのVEKTRONです。日本初のBOSCHの電動ユニットのE-foldingです。
現時点の国内のスポーツEbikeでは最高のできばえです。バッテリーがフレームのデザインとしっかり溶け合います。どこぞのYAMAHAの電動クロスみたいな後付け感がしません。
ブレーキはMAGURA MT4です。マジか、TERN?!
ERGONグリップ、専用ステム、ライト、随所にこだわりが見受けられます。じゃあ、コンパネのルックスがすこしざんねんです。視認性はGOODですけど。
このBOSCHのユニットは日本仕様です。速度が上がると、アシストがしゅるしゅる弱まります。はい、電動ママチャリの感覚です。
VEKTRONはよいバイクです。でも、E SPARKの圧倒的なパワーのあとでは気の抜けたぬるいコーラみたいなものです、うえーん。北米仕様のBOSCHのままで乗れたらなあ・・・