春はロングライドのベストシーズンです。日中の最高気温が25度未満、最低気温が5度以上の季節です。春先から梅雨まで。
本場のロードレースの本格シーズンはこれ以降になりますが、ヨーロッパの夏は圧倒的にからっとします。アジアのじめっとした夏は長時間のアウトドアにはハードです。
最近、ますます夏が長期化・過酷化して、西日本では5月のあたまのゴールデンウィーク前後に30度の真夏日がしばしば訪れます。
ほんとに昔の初夏が夏で、夏が真夏で、真夏が灼熱です。下の写真の琵琶湖のほとりは涼し気に見えて、実際はそんなにかいてきじゃありません。島、港、岸は熱い。

琵琶湖のほとりで朝飯だ
3、4、5月のベストシーズンを楽しく安全に走る切るために遠乗り、長乗り、ロングライド、ツーリングの基本的な装備を見ていきましょう。
ロングライドの装備
ロングライドの装備は自転車の種類や乗り方のスタイルによります。日帰りか泊りか、ホテル泊かテント泊か、外食か自炊か、荷物はぜんぜん変わります。
当然、装備の重量と質量は走行には足手まといになります。純粋なパフォーマンスには徒手空拳のレーシングウェア一枚がベストです。で、地元をぐるぐる周回する。
でも、趣味の自転車のだいごみは未知の異邦へ気軽に足を伸ばせることです。プチ冒険、セミアドベンチャー、大人の遠足です。
で、未知の土地では不測の事態が容易に起こりえます。ウェア一枚の軽装ではそれに対応しきれません。人がいない、店がない、明かりがないは田舎ではふつうです。
アウトドア全般の鉄則はアクシデントやトラブルからリカバリーできることです。ソロ活動にはこれが最重要です。そして、自転車乗りは基本的に孤独です。
以下では100km以上の日帰りロングライドを想定して、必要なグッズをリストアップします。
予備のチューブ
ロングライドのアクシデントの筆頭はタイヤとチューブのトラブルです。これが不動のナンバーワンにかがやきます。
オンロードバイクのタイヤはせんさいで神経質ですし、オフロードタイヤは過酷な状況で使用されます。予備のチューブ、予備のタイヤは不可欠です。

TIOGA ULチューブ
補欠には薄型軽量タイプを選ばず、ノーマルモデルを選びましょう。結局、出先のメンテでは最高のコンディションには回復できません。軽さや速さより安定度と耐パンク性がだいじです。
パンク修理セットは△
パンクの修理セット、ゴムパッチとゴムのりはチューブよりコンパクトで軽量です。ダイソーの100円のものが十分に用途を果たします。

パンク修理セット
しかしながら、トラブル現場での復旧・修理は想像以上にたいへんです。公道や野良はホームではありません、アウェーです。
実際に外でパンク修理やチェーン直しをすると、ばくぜんとした焦燥感に駆られます。街中では通りすがりの方々の視線がなんかプレッシャーです。
無人のオフロードでは焦燥感が加速します。夕暮れの山中のアクシデントはひとしおです。暗い山中に取り残される~。

タイヤがパッカーン
出先の修理はアウェー戦
パンク修理はむずかしいものじゃありません・・・勝手知ったる我が家でやれば。外でのパンク修理は格段に難しくなります。
まず、パンク穴と空気漏れをチェックする洗面器と水をすぐに用意できません。問題の箇所を探すのがすでに難題です。極小のピンホールはなおさらです。
『外でのパンク修理は中東のアウェー戦なみにたいへんだ』くらいに覚えましょう。実際にホーム戦の二倍三倍の手間がかかります、30分コース。身体は冷える、心は萎える。
ならば、最初からチューブをまるまる交換しちゃいましょう。こちらは10分コースです。モチベーションダウン率は80%前後です。
もしか、機材が90%まで直っても、乗り手の意欲が60%まで下がってしまうと、人馬の平均の状態は75%です。切り替え、リカバリーが難しくなります。
そして、シンプルに時間のロスを回避できます。20分=5kmです。これはのちのちに効きます。ロングライドは基本的に押しますから。
緊急時のパンク修理にはチューブとタイヤレバーをセットで忍ばせましょう。パッチとゴムのりは予備の予備です。
携帯空気入れ
めでたくチューブをセットしても、ぺこぺこタイヤでは走れません。空気を入れましょう。ために空気入れは必須です。
そもそも自転車のタイヤの空気圧は一定ではありません。ゴムの分子のすきまから空気がじわじわ抜けて、漸次的に減圧します。
ブチルチューブは1週間で1bar、ラテックスチューブは数日で1bar、SOYOやVREDESTEINの超軽量ラテックスは半日で1bar、おおまかな目安です。
チューブラーの減圧はインナーチューブによります。ブチル > ラテックスの傾向はおなじです。チューブレス、チューブレスイージー+シーラントの減圧はまちまちです。
また、オールロード的な使い方をしはじめると、場面で空気圧を適正にします。自走は3bar、山中のトレイルは1.5bar、下山後は2bar(携帯ポンプで3barまで入れるのはたいへんだから)とか。
で、スポーツバイク系のバルブは仏式です。自転車専用規格です。ほかの乗り物のタイヤには使われません。

仏式バルブ
自転車乗りにはおなじみですが、一般人には未知のものです。ふつうの家庭には仏式対応のポンプはありません。ママチャリは英式です。
自動車やオートバイのタイヤバルブは米式です。サスペンションのバルブはこれです。

エアサス米式バルブ
必然的にガソリンスタンドのコンプレッサーは米式対応です。ゆえにグレートジャーニー系のツーリングバイクには米式バルブがしばしば使われます。世界中のガソスタで空気入れできますから。
しかし、仏式携帯ポンプがすっかりおしゃれでコンパクトで高機能になりました。これはlezyneのミニポンプです。幅は眼鏡くらいです、かさばりません、上着のポケットに収まります。

Lezyne Lite Drive
台座を付けてドリンクボトルホルダーにマウントすれば、大きい本格タイプを持ち運べます。
この中古のブラックバーンの超小型タイプにはなぜか台座が付属しました。別途品でしょうか? ホルダーに取り付ける大きさじゃありません。

Black burn 携帯ポンプ
マルチツール
ロングライドの機材トラブルの80%は足回り系、タイヤとチューブのアクシデントです。あとの20%のうちの10%がチェーン、最後の10%がその他etcteてところです。
チェーン落ちはあれですが、チェーンBANはしんこくです。チェーンカッターが手元になければ、サイクリングが完全に終了して、キックボードの時間が始まります。

チェーンがBAN!
さいわいぼくはこれまで自宅から10km前後のところでしかこれに見舞われません。徒歩+キックボード風の片足けんけんステップで帰宅できます。
ほかはステムのガタ、サドルのぐらぐら、シートポストずりおち、クランクのゆるみなどがまれにあります。ボルトの締め付け不足が原因です。

ずれサドル
とくにカーボンポストやカーボンハンドルはちょっとやそっとで滑ります。てきとートルク、てきトルクが通用しません。
アンダートルクもオーバートルクもNGです。

カーボンクラック横から
チェーンカッターと複数の六角レンチをそろえると、けっこうなかさばりとジャラジャラに悩まされます。
カッター付きのマルチツールがべんりです。カッターの精度重視で自転車ブランド系のものを選びましょう。
+コネクトピンかミッシングリンクを用意しましょう。自宅から100kmのチェーンBANはトラウマになりますからね。しばらくビビッて踏めなくなります、ほんとに。
ビニル袋、ビニル手袋
メンテには薄手のビニル手袋が非常に役立ちます。素手やグローブでチェーンやギアをいじると、かくじつにオイルでべとべとにしちゃいます。モチベがだださがりします。
100円ショップで使い捨てのキッチン用のビニル手袋を買って、何枚かをバッグにぶちこみましょう。作業時には二枚重ねがおすすめです。一枚はすぐに破けます。
以上のものとタオルを用意しました。左上の予備タイヤはオフロード乗りやチューブラー使いの特有の事情です、ははは。

ロングライドメンテセット
この一式でロングライドの機材トラブルにはほぼ対応できます。慎重派は予備チューブを二本にしますし、スピード派はCO2ボンベを投入します。
かばん、リュック
前段の基本セットはツール缶やウェアのポケットに入りきりません。かばんやリュックが必要です。タイヤとタオルを省けば、ウェストバッグにぎりぎり収められます。
しかし、財布、スマホみたいな日常品、おやつ、飲み物、着替え、おくすり、救急セット、カッパ、輪行袋のようなオプションが別途に控えます。
結局、リュックサックがおすすめです。日帰りロングライドからホテル泊のチャリ旅、ラーツーまで行けます。

日帰りツーリング チャリとリュック

調理器具とバーナーとGW
フルシーズンで使うなら、アウトドア用のやつを買いましょう。ドイター、オルトリーブ、オストリッチ、エルゴンとかが人気です。→ロードやクロスにおすすめの自転車リュック 軽さと通気が決め手
25度以上の日中にふつうのリュックでサイクリングすると、例外なく背中をホカホカにオーバーヒートできます。
排熱が下がると、パフォーマンスが落ちます。パソコンもニンゲンもおんなじです。サイクリングが長丁場のアウトドアであることを忘れない。
スポーツ用リュックを冬場や寒いコンディションで使うにしても、中にシートや新聞紙を入れて防寒対策できます。通気性がかんじんです。
対照的に上のビワイチのリュックはスケボー用で分厚い緩衝材入りでした。背中の通気性がゼロだあ! 季節外れの30度の好天がたたって、背中が朝から晩まで汗だくでした。
ぼくはオフロードに行きますから、ハイドレーション機能付きのやつを検討します。OSPREYのルックスがなかなかスタイリッシュです。
Osprey Zealot 15 バックパック
定価 10920-11064円
割引 29%
特価 7821円
※2018/03/12 18:34:37のの価格
人気ベスト1のドイターはめっちゃかぶりますし。