自転車の楽しみ方は千差万別です。トレンディーなジャンルは地域と時代で大きく変動します。
近年の日本の自転車ブームはロードバイクです。遠出のロングライド、グルメと観光のゆるポタ、とうげ登りのヒルクライムがとくに人気です。
日本は山の国ですし、日本人はしんぼうの民族です。『しゅくしゅくと坂を上る』てシーンが土地と思想によくマッチします。スポ根・体育会系・精神論の潜在的な美化は根深く残ります。
クリテリウム=周回走
そんな至高のヒルクライムと双璧をなすのがクリテリウムです。真の対となるダウンヒルは冷遇されます。無味乾燥に下山て扱われます・・・ゲザンて。
額に汗をかかないから? きつい、しんどい=かっこいい! だあ? 遅刻魔で帰宅部で文科系だったぼくには分かりません。下りのスピード感のが刺激的です。
さて、日本の自転車乗りはヒルクライムの場にはぜんぜん困りません。町からすこし遠ざかれば、おのずと山や峠にぶちあたります。

暗峠のふもとの坂
外国みたいな延々の森や荒野や砂漠はありません。フラットな土地は限られます。そして、平野部は人口密集・交通混雑地です。ロードバイクの高速走行には向きません。
公道クリテの条件
そんなわけで周回走のクリテリウムをできる場所は非常に貴重です。理想的な条件はこんなです。
- フラット
- 舗装がきれい
- 信号が少ない
- カーブが少ない
- 車が少ない
- 人が少ない
- 一周が長過ぎない
- 町から遠過ぎない
これらを満たすスポットは多くありません。
万博記念公園外周
ぼくの最も身近な周回コースが万博記念公園の外周道路です。万博とエキスポシティの外側をぐるっと回ります。
一周はちょいロングな約5kmです。ずっと広い自転車専用レーンがあります。ただし、ランナーやウォーカーはふつうにいます。てか、ジョガーのが多勢です。

万博外周自転車レーン
信号は何個かありますが、駐車場、トイレ、休憩スポット、銭湯が周辺にあります。箕面の勝尾寺ルートを組み合わせれば、ヒルクライム&クリテリウムを一気にこなせます。
道は夜中でも明るめです。わりに遅い時間に行っても、ロードを見かけます。むしろ、歩行者が少なくなりますから、ナイトライドがおすすめです。
観覧車のライトアップがきれいです。

2018年1月万博記念公園
服部緑地、大阪城公園、鶴見緑地、長居公園にはこの規模の自転車レーンはありません。万博の走りやすさが異例中の異例です。
北港舞洲
ある特定のエリアは容易にクリテリウムの諸条件を満たします。湾岸部の埋め立て地です。大阪では北港と南港がそうです。USJと海遊館がそれぞれの名所です。
げんに舞洲は実業団クリテリウムの舞台のひとつです。これはゴーカートのサーキット内で定期的に行われます。奇数月の最終日曜のなにわ旧車部品交換会の会場とかぶります。
ぼくはたまに釣りに出かけます。アジ、サッパ、イワシ、ハネ、タチウオがターゲットです。夏場のタチウオ釣りは舞洲の風物詩です。

サッパ
かいわいにはキャンプ場、野球場、ファミマ、ローソンがあります。トイレ、補給、休憩には困りません。
島内の状況はつねにこんなです。

不人気な舞洲
トラックの駐停車はおなじみですが、だだっ広い道は半永久的にがらがらです。交差点の信号を起点にして、アリーナと球技場をめぐるコースがおすすめです。
一周が約2kmです。ローソンとトイレがあります。ほぼフラットです。緑地の北側のサーキットの付近が若干の傾斜です。左周りすると海風逆風のダブルパンチを受けます。
たんたんと走りこむにはベストなコースです。TT練には最高でしょう。ディスクホイールやDHバーの本気の人をよく見かけます。
あたりは夜中にはひっそりと暗くなります。帰りに府警の警察犬の訓練所前でいきなり吠えられるとビビる!
堺浜
北港のつぎは大阪市外まで飛びます。南港のコスモスクエアにはショッピングセンターやイベント広場があって、信号、人手、自動車が少なくありません。アクセスが最悪ですし。
で、おとなりの堺市の堺浜がおすすめになります。ここも実業団の堺浜クリテリウムの舞台です。ランドマークはシャープのでっかい工場です。と、amazonのセンター。
堺浜えんため館前です。ここが唯一の一般向けの商業スポットです。ほかの建物は工場か倉庫です。

堺浜
コースの目安です。自走派はセブンイレブンをスタートゴールにしましょう。輪行派には海とのふれあい広場の駐車場がべんりです。料金が無料ですから。
一周は約4.8kmです。セブン前とその南側に信号があります。高低差は絶無です。きれいな路面の高速サーキットです。
たっぷり走って汗をかいても、えんため館の銭湯でさっぱりできます。帰りにウエパー、ラビスト、アベノバなどの自転車屋に寄るのもおつです。
武庫川河口
友だちと釣りスポットを探して、武庫川をちょろちょろして、ここを発見しました。河口の左岸側です。対岸は武庫川サイクリングロードの終点です。
「釣れへんな~」
開始二十分ではやばや飽きたぼくの耳になにやらゴォーォォて異音が定期的に聞こえました。これはディスクホイールのカザキリ音でないか・・・
案の定、振り向けば猛スピードのガチのローディ!
正確なルートは定かじゃありません。このコースがノンストップの1.5kmです。か、単純に海際の往復だったか?
このルートは高い防波堤のおかげで横風を受けません。順風か逆風のみです。ディスクホイールがぞんぶんに活きましょう。
ネックはトイレと休憩ポイントと駐車場です。釣り人はその辺に停めます、ははは。あと、ポイ捨て釣り針が細タイヤにはちょっと不安です。
ぼくが見つけた近場のクリテリウムスポットでした。最寄りの万博外周が何気に高得点です。車道と仕切られた広い長い自転車レーンはここくらいです。この機にもっと利用しましょう。