スポーツバイクや趣味の本格自転車は10万円~の高級品です。そうでなくても、だいじなものです。ママチャリや軽快車のようにラフには扱えませんし、野ざらしにはできません。
ピカピカのMTBやグラベルは逆にダサく見えますが。
自転車活動域=都会=手狭
日本の自転車の活躍のシーンは都会、都市部、住宅街です。郊外、地方、田舎は車社会です。ガレージ付き、庭付き、大きな一軒家が一般的です。
田舎の人は歩きませんし、自転車に乗りません。移動手段は車です。平気で「一人に一台」と申します。
モア・スペース
都会のチャリダーは一台の愛車の保管場所にさえ四苦八苦します。個別のガレージや庭に置ける人は果報者です。屋根付きの軒先に停められる人さえがラッキーです。
しかし、屋外の余剰スペースにはママチャリさんや原付さんがすでにいらっしゃいます。そっちを野ざらしにして、こっちを屋根の下にしまう・・・という理屈は通りません。
マンション住み、アパート住みの人はわりとドライに割り切れます。駐輪場、公共スペース、室内保管の三択しか余地がありません。
リスキーな屋外駐輪
自転車は金属パーツのかたまりです。
本格モデルのフレームやホイールはカーボン化しますが、チェーンやギアなどの駆動部、ハブやピボットのベアリング、ボルト・ナット・スプリングはおおむね鉄製です。
これらは一発の水気でさびます。野ざらしチャリのチェーン、ボルトナット、スプリングはほんとに劣化の温床です。しつこいババ色のオーラがまとわりつきます。
多少のサビは日用品のママチャリや軽快車には大きなダメージではありませんが、スポーツグッズのロードバイクやMTBには性能的に美観的に痛手です。
雨、光、風、雪の猛威が襲う
軒下のセミ野ざらし自転車も気を抜けません。屋外駐輪の第二の刺客が日光、紫外線です。ゴムと塗料がもろに影響を受けます。
タイヤやグリップの寿命がちぢまりますし、せっかくの高級品がみすぼらしくなります。紫外線対策にはカバーが有効です。
これも一長一短です。光は通りませんが、風も通りません。なんかの拍子で水分が内側に残ると、湿気がこもります。サビ対策には逆効果です。
そして、やっぱし、いちいちのカバーの取り付け取り外しがめんどうです。クロスバイクxカバーはビミョーにミスマッチングです。
真の敵はニンゲン
しかしながら、外置きの最大の心配は天災ではありません。雨風光雪は平等です。そこに悪意はない。外置きチャリの真なる敵はニンゲンです。
本格スポーツバイクには五分十分の駐停車がいのちとりです。
この乗り手は本体をU字ロックでガードして、ホイールをワイヤーロックでガードします。セキュリティ的には中です。チャリのそばから離れるのがすでにリスキーな行為だ。
くわしい人がこれを見れば、ぽんぽこぽんと見積もりを出せます。アルテグラは2-3万、RSホイールは5000円、Ortliebサドルバッグは2000円也、ちーん。
さらにスポーティなドロップハンドルは人目を惹きます。いたずら、いやがらせの格好の標的です。
てことで、室内保管がスポーツバイクの王道です。本格自転車は冷暗所を好みます。高級海苔か革靴みたいな性癖です。
タイヤ=土足=汚物
一般的な日本人にはタイヤ=土足=きたならしいものです。それを畳や床にぺたっと直付けするのは古来よりご法度です。かくじつに家庭の平和を揺るがします。
良識人はくれぐれおうちでバイクパッキングごっことかしない。
実際、タイヤをフローリングに直置きすると、ゴムのあとがちょこちょこ移ります。このわるふざけの後でブロックタイヤのパターンが床に残りました。主婦目線ではこれは極刑に値します。
このことから土足回避こそが室内保管の最重要機構です。自転車好きは愛機をひいきしますから、ハードルをダダ下げにしちゃいますが、世間一般はそんなふうには考えません
たしかにぼくらも原付やオートバイを室内保管するのは変だなあと思います。原付のタイヤは汚いが、チャリのタイヤは清い?
いや、土足は土足、タイヤはタイヤです。外の汚れを家に持ち込まない。この国の風習、和的情緒です。
スマートに収納するなら、おしゃれなバイクラックを使いましょう。自立型は高め、壁掛け型は安めです。
こういうガレージマットもおすすめです。