- 戦後のツーリングブーム
- バブル期のマウンテンバイクブーム
- 2000年頃のピストバイクブーム
- 2010年頃のロードバイクブーム
- 2020年頃のUber Eats & アウトドアブーム
- 2021年頃の東京オリンピックのスケボー、BMXブーム
日本の自転車ブームのざっくりとしたクロニクルです。直近のパンデミック期のチャリ需要の一大爆発はセンセーショナルなところでしょう。猫も杓子もUber Eatsでした。
これらの様々な自転車ブームを経た我が国でついにヘルメットが義務化されました。
自転車ヘルメットの義務と規定
ところで、今回の自転車ヘルメットの義務は『努力義務』です。これには罰則やお咎めや青切符が伴いません。
実際問題、市中の自転車利用者のヘルメットは増えました。比較的に高齢な乗り手が目立ちます。これは自転車の重大事故の年齢層から納得です。
ただし、大半の自転車は依然としてヘルメットフリーです。所詮、一般的な一般人は罰則なしでは動きません。理由は「めんどいから」と「お金が掛かるから」です。これも納得です。
そういうぼくは自転車乗りの中ではアウトローなメット嫌いです。メットの圧迫感はもちろんですが、顎ひもの締め付けが苦手です。喉に何かが当たるのが生理的に何か非常に嫌だ。
結果、ヘルメットの出番はイベント、コース、コラボなどに限られます。
また、XXLの頭のでかさも被り物の選択肢を狭めます。普通のキャップ探しさえが一苦労だ。
一方、普通の頭の人は選択肢に困りません。5000円も出せば、自転車メットを購入できます。
ヘルメット購入用の補助金あります
不要なものに金を出し惜しむのが一般人というものです。『1万のママチャリに5000円の備品』は庶民的な感覚では割高です。いや、そもそもママチャリが安すぎますけども。
全国8000万台の自転車の多勢を占める安いママチャリ、シティサイクル勢がヘルメットにぽんとお金を出すか? 出しません。
実際に自分が事故るとか、身近な人がケガするとか、おかんがやあやあ言うとかしないと、一般人は自主的に動きません。
「義務化するならメットをくれ!」
国からの自転車ヘルメットの無料配布はありませんが、自治体が購入用の補助金を出します。金額と条件はばらばらです。
うちの地元の豊中市の自転車ヘルメットの購入の補助金は上限2000円です。令和6年2月末まで、各月500人の先着順、1人/1個などで受付中です。
その他の近隣自治体の一例です。
- 兵庫県は上限4000円
- 京都府警南丹署と京都府交通安全協会南丹船井支所と南丹船井地域交通安全活動推進委員協議会の独自施策は1000円
兵庫県はなかなかの大盤振る舞いです。逆に京都の1000円のやつは不人気で、申請が4人しかいなかったとか。
補助金の併用の可否は不明です。府で貰って、市で貰うとかは無理だ?
自転車ヘルメットの条件
自転車ヘルメットは専用品です。工事用のヘルメットや原付用のヘルメットと別物です。とくに本格高級モデルはスポーツ用品で競技用機材です。
最大の特徴は軽さともろさです。工業用の安全ヘルメットのようにかっちかちのガッチガチではありません。一定の衝撃でぱかっと割れます。
これはいわゆるショックアブソーバーで、人体では鎖骨、トカゲでは尻尾に当たります。あえて割れて、力を逃がし、ショックを抑える。
他方、工業用のガチガチの系のヘルメットは割れずに、衝撃をまともに受け止めます。あれの対象物は現場で落ちてくる工具やパーツです。転倒や衝突は用途の想定外です。
簡単なイメージです。
極論、そこが割れるから、頭蓋骨が割れない、脳みそが潰れないというイメージです。
一昔前の学校が支給する自転車通勤用のメットは後者のかちかちタイプで、転倒や事故の安全対策にはビミョーなものでした。
若い中学生や高校生や運動経験者はさっと受け身を取れますが、おじさんおばさんはそうではありません。中高年者が被るならば、自転車用のメットを選びましょう。
推奨マークいろいろ
自転車ヘルメットの着用は罰則なしの努力義務です。『この形式のこのヘルメットを被らなければならない』という強制はありません。
ただし、強制はなくても、推奨はあります。また、上記の補助金はこれらの推奨のヘルメットの購入のみに交付されます。
原付規格のメットや工事用ヘルメットに自転車用メットの購入の補助金が出るのは変ですし。
自転車用ヘルメットの推奨のお墨付きの一覧、警視庁の公式からの引用です。
- SGマーク(一般財団法人製品安全協会)
- JCF公認マーク・JCF推奨マーク(日本自転車競技連盟)
- JISマーク(日本)
- CEマーク(EN1078) (欧州標準化委員会)
- CPSCマーク(1203) (アメリカ合衆国消費者製品安全委員会)
- GSマーク (ドイツ)
ぼくの手元にはJCFとGSとCEのものがあります。これは25000円のごりごりの競技用のフルフェイスのヘルメットです。CEのシールが見えます。
『100%』はフランスの自転車ギアメーカーです。で、おすすめマークはEU系のCEとなります。
競技用ヘルメットは安全性、機能、軽さ、デザイン、パフォーマンスを求められます。結果、価格が非常にお高くなります。
JISはおなじみ国内の産業規格の代表です。これとJCFが国内メーカー品の主流です。
JCF=Japan Cycling Federationは日本自転車競技連盟のお墨付きです。この印のヘルメットは自転車用と手広く認められます。
当然、JCFマークの原付用半ヘルとか現場用安全メットは存在しません。
みんなのOGK
国内の代表的なヘルメットメーカーはOGK KABUTOです。ここのヘルメットはベストヒットのロングセラーです。OGKの自転車用チャイルドシートはママの味方です。
2019年にJISの取り消し騒ぎが起こりましたが、それは生産工場の資料の記録の不備への通達であって、製品の品質や安全性の問題ではありませんでした。
OGK KABUTOの自転車ヘルメットは最も堅実な安全パイです。メット界のユニクロ、しまむら。ゆえに個性のなさがデメリットとなります。
自転車ヘルメットのおすすめモデル
レーサーやアスリートではない一般の自転車利用者には高性能な競技用のヘルメットは不要です。1万円のママチャリの備品に2万円のメットは家庭内紛争の火種です。
以下は常識的な5000円の自転車ヘルメットのリストアップです。
OGK KABUTO CANBUSシリーズ
まずはOGK KABUTOのCANBUSシリーズです。CANBUS SPORTはアマゾンで実売5000円以下です。
低価格、カラバリ豊富、デザインふつう、レビュー多数と異論なくおすすです、はい。当然のごとく被りまくりは不可避です。
CANBUS URBANはよりイマドキモダーンです。
この二つのOGKのメットで一般的な自転車乗りの欲求はほぼ満たされます。兵庫県民は実質800円で買えちゃいます。
OGK KABUTO スクール用ヘルメット
スクールチックなOGKのヘルメットがありました。
ロゴの類はほとんどなく、色は厳しめの学校の校則に沿います。この圧倒的体育館シューズ感は何でしょう?
ROCKBROSのヘルメット
ROCKBROSは中国の浙江省の自転車アクセサリーの大手です。得意科目は小物類で、とくにバッグが人気です。日本本社は姫路にあります。有象無象の中華系メーカーの中では手堅い企業です。
以前、ぼくはここのハンドルバッグを貰って、デイキャンプやバイクパッキングなどに活用しました。品質やデザインはお値段以上です。
弱点は知名度の低さ、ブランド力のなさ、実物の少なさです。ROCKBROSの商品は自転車屋や自転車コーナーの店頭には見当たりません。主にネット通販で販売されます。
日本法人のROCKBROS JAPANのブースがアマゾンにあります。ロードタイプのメットがグラス付きで4000円台です。
マークは欧州基準のCEです。
こちらはMTB、アーバンぽいヘルメットです。
販売元はROCKBROSです。こちらは海外かアジア系の同社のブースでしょう。海外モデルも日本モデルも正規品ですが、デザインやカラー展開が少し異なります。
日本モデルより海外モデルの方がだいたい派手です。というか、あちらの感覚ではそれが普通で、日本モデルが『地味』です。観光客の外人さんのシャツは何か妙に派手でしょう?
GIRO CORMICK MIPS
自転車ヘルメットの高機能モデルはだいたいMIPS搭載型です。うちの高いフルフェイスもこのタイプです。黄色いシールがその証。
具体的な機能は良く分かりませんが、転倒時や衝突時に何か凄く効果的っぽいです。まあ、分かるときが来ない方が幸せですけど。
MIPSモデルはおおむね1万円オーバーです。採算を度外視して、アマゾンの中から良いのを見繕いましょう。
GIROはおしゃれでおすすめです。ここのスニーカー型のビンディングシューズRUNBLE VRは名作中の名作だ。ヘルメットもシンプル、イマドキ、クールです。
試着は大事
ヘルメット嫌いのぼくが言うのはややあれですが、ヘルメットは靴や眼鏡と同じく身体の一部です。フィーリングとフィッティングが大事です。合わないメットはストレスの塊でしかない。
買う前にちゃんと実物を見て、試着をしましょう。アマゾンや楽天で買うならば、大急ぎでタグを切り離して、返品不能にしてしまわないように。