ロードバイクとクロスバイクの違いは用途? 重さ? 価格? 結局ブランド??


ロードバイクとクロスバイクの違いはチャリンコ好きにはあきらかです。「月とすっぽん、いや、ぜんぜん違うし! 一緒にすな!」てなものです。

 

でも、門外漢にはそれがあやふやです。ハンドルの違いはわかりましょう。ふつうのハンドルと競輪みたいなハンドルだ。

 

あとは・・・同じように見えます。「ギザギザのごちゃっとしたところになんか秘密がありそう」てなものです。

 

これは自転車ばかりではありません。自動車に乗らない人には軽自動車もフェラーリもおんなじ車です。おしゃれをしない人にはイオンのPBのバッグもエルメスのバーキンもおんなじ鞄です。

 

チャリンコ初心者のためにロードバイクとクロスバイクの違いを見ていきましょう。

 

 


競技用自転車の祖、ロードバイク

 

ロードバイクとクロスバイクの最大の違いは歴史です。ロードバイク、ロードレーサーは自転車、二輪車、”bike”の祖の直系にあたります。

 

究極、自転車の発展=ロードレーサーの発展です。世界最高峰のロードレースのツールドフランスはゆうに100年を越えます。

 

これは1910年のツールドフランスのドキュメンタリー映像です。

 

 

ダブルトライアングルのホリゾンタルなフレーム、競輪風のクラシカルなディープドロップハンドル、そして、きれいに剃られたつるつるのスネ。おお、まさに伝統と格式のロードバイク!

 

この時代にはクロスバイク、シクロクロス、オールロード、MTB、E-bikeなどはありません。実用車、小径車、折り畳みはすでにありますけど。

 

新参者、クロスバイク

 

一方のクロスバイクはぺーぺーの若造です。誕生は1980-1990年頃です。MTBブームのさなかに亜流的に生まれました。年代的にはゆとり世代です。

 

そのために車体の規格やパーツに前世紀の古いMTBのなごりがあります。

 

GIANT ROAM3 Ver10

 

その後、本流の衰退や世界的な不況でこのニューカマーの需要が高まって、自転車ジャンルのひとつに定着します。いまや、非実用型チャリンコの最大多数派です。

 

クロスバイクより後発のスポーツバイクはオールロードやE-bikeくらいです。ロード、シクロクロス、MTB、ミニベロ、ママチャリはことごとく先輩です。

 

スポーツorライフ

 

ロードバイクは基本的にスポーツ用品です。ロードレースのための競技用機材。フルマラソン用の高速軽量ランニングシューズのようなものです。

 

CANYON AEROAD SLX DISC

 

コースの内容や乗り手のスタイルでバイクの仕様はことなりますが、根幹には『競技』『スポーツ』の精神があります。勝利のためのバイクです。

 

一方のクロスバイクは名前の通りにごちゃまぜチャンポンです。本来の『クロス』の意味は『オフロードとオンロードのクロスオーバー』てものです。はたまた、ロードとMTBのボーダーレスだ。

 

しかし、ロードとMTB、オンロードのオフロードの『クロス』のレッテルは弟分のオールロード系バイクに完全にうばわれました。

 

で、現在のクロスバイクの立場とポテンシャルは競技用と日用品、スポーツとライフの『クロス』に追いやられます。クロックスやビルケンシュトックみたいなものです。

 

こうゆうしっかり系のサンダルは少々の散歩や軽い運動に耐えます。が、全力ダッシュや10kmランニング、球技、ハイキングには力不足です。

 

また、ほんのちょっとのお出かけやお買い物はピュア日用品のペタペタのつっかけ(ママチャリ、軽快車)の得意分野です。正式のクロスバイクにはかごがない!

 

クロスバイクは走れて使える自転車ですが、その根幹には『中途半端さ』や『器用貧乏』の性質があります。『オールラウンダー』てキャッチーな要素はオールロードにかっさらわれました、うえーん。

 

ロードは10万、クロスは5万

 

物事には目安があります。ボーダーラインです。シンプルな力強い指標は価格です。

 

スポーツバイクの上限はブランドや限定品や価格調整や為替やなんやかんやであやふやになりますけど、下限はわりとすなおです。

 

ロードバイク、MTB、オールロードの完成車のボーダーラインは定価10万円です。10万円の予算をにぎりしめて、自転車やスポーツショップに行けば、まあまあまともなスポーツバイクをGETできます。

 

これがママチャリやシティチャリみたいな実用自転車であれば、予算は1万円になりましょう。ブリジストンアルベルトは5万ですが、あれの用途は贈答用です。

 

で、スポーツとライフのはざまに立つクロスバイクのボーダーラインは5万円です。実際、ベストセラーのGIANT ESCAPE R3は2018モデルまで50000円(2019モデルは52000円)ぽっきりでした。

 

そして、上限のボーダーラインがすぐに頭打ちします。ロードやMTBみたいに数倍、十数倍になりません。ハイエンドのクロスバイクの価格は約10万円です。

 

あ、電動アシスト付きは例外です。

 

電動クロスバイクYPJ-C

 

クロスバイクの本質が前段のとおりです。むだにハイエンドパーツを組み込むと、逆にいびつな感を強めてしまいます。あまりもののチャンポンに松坂牛や伊勢海老は合いません。

 

そして、有力自転車ブランドの旧来のクロスバイクの上位陣にディスクブレーキ化、カーボン化、ロード化のトレンドが押し寄せます。2015年以来、ピュアクロスバイクのモデルはがくっと減りました。

 

で、そんな5万のクロスバイクはスポーツバイクのピラミッドの底辺です。底辺ですが、スポーツバイクにぎり入ります。

 

これ以下の3万のチャリや2万のドロハン自転車はぞくに『ルック車』になります。競技用自転車でもなければ、実用系自転車でもありません。ザ・通販用自転車です。本質は『自転車型通販用商材』です。

 

 

でも、自転車の圧倒的な効率のよさはこんなコスプレマシーンにすら宿ります。車輪、空気入りタイヤ、フリーホイールの発明は偉大です。

 

ジオメトリ

 

自転車の本体はフレームです。個体識別番号や防犯登録はフレームに依存します。ホイールの交換はパーツ交換ですが、フレームの交換は車体の乗り換えです。

 

このフレームの身体的特徴がジオメトリです。

 

ジオメトリ

 

細部の寸法のことです。人間の3サイズの自転車版みたいなものです。数値はおもに角度と長さで表されます。

 

このジオメトリで自転車の特性が決まります。メーカー、モデル、年式、ジャンル、設計思想etcetcでジオメトリはばらばらです。

 

「ミドルグレードでありながら、上位モデルのジオメトリを採用し」みたいな文面は雑誌やメディアでよく出てきます。

 

これは『上位モデルと同じ型で作られたミドルグレードのフレーム』てことになります。フレームは工業製品です。同じ金型を使えば、同じ寸法のものを作れます。

 

で、ロードバイクのジオメトリはスポーツ用、競技用に設計されます。指向は高速長距離型です。高サドル、前のめり、狭ハンドルがけんちょです。取り扱いには一定のストイックさやがまんが必要です。

 

クロスバイクのジオメトリはスポーツxライフの本質に従って、競技用のロードレーサーよりマイルドになります。ゆったり、らくちん、マイペースが身上です。ネバー・ストイック!

 

もっと?なアーバンやフラットバーロードとの違い

 

正直なところ、ロードバイクとクロスバイクの比較はかんたんです。ハンドルと価格で見分けがつきます。競輪みたいな10万のやつがロードで、ふつうの5万のやつがクロスです。

 

うらはらにアーバン、コミューター、フラットバーロード、フルリジッド、レトロ調MTBなどなどとクロスバイクの区別はたいへんです。

 

アーバン、コミューターはチャリ通用のスポーティな快速自転車の総称です。用途やスタイルはクロスバイクともろにかぶります。でも、おしゃれ度やトレンディーさはぜんぜん勝ちます。

 

自転車ディスプレー

 

フラットバーロードは高速長距離系ジオメトリのフレームxフラットバーハンドルのロードバイクです。販売元やメーカーでクロスバイクの項に入ったり、ロードバイクの段に入ったり・・・

 

レトロ調のMTBはクロスバイクのご先祖様です。Vブレーキ、135mmエンド、フロントトリプルの組み合わせはここから来ます。

 

前後サスペンションなしのフルリジッドのマウンテンバイクxやや細タイヤのセットはディスクブレーキクロスバイクに見えます。

 

クロスバイク?

 

しかし、これらにはバックボーンがあります。アーバンコミューターはチャリ通、フラットバーロードは悲競技のオンロード、レトロバイクは懐古主義です。ありあわせではありません。

 

クロスバイクでロードを越える!

 

クロスバイクでロードバイクを超えることはかんたんです。てきとうなチューブラーホイールをゲットして、車体にインストールしましょう。走りが一変します。

 

カーボンチューブラー

 

取り扱いのめんどくささからチューブラーホイールは敬遠されます。で、タイヤ付きの美品がオークションやフリマで出回ります。

 

中華カーボン、PBカーボンの新品を買っても、出費を5-6万におさえられます。リムの軽さが決め手です。

 

レイノルアサルトチューブラー 330g

 

ジオメトリ、フレームの重量、変速機のグレード、そんなものはリムの軽さで根こそぎにひっくりがえります。

 

同じレベルのリムを市販の完組のクリンチャーホイールで入手しようとすれば、数倍の予算を弾まねばなりません。

 

そして、20万や30万のロードバイクのホイールがおうおうにビミョーです。アルミホイールの下から二番目、三番目クラスのものしかバンドルしない。ホイールはコストダウンの最有力候補です。

 

といって、チューブラーの取り扱いは現在の自転車ユーザーには重荷です。「チューブラーホイールのミドルグレードのロードバイク!」みたいなものはない。

 

もちろん、これは原付にすごい排気量のエンジンをつけるようなものです。100%の性能は出ません。でも、80%のパワーでクリンチャーホイールのロードの走りを軽く超越できます。

 

だって、ママチャリフレームに付けても、えげつない速度を出せますし。

 

ママチャリロード

 

むしろ、ホイールを取り付けてしまえば、問答無用でかんたんに速くできてしまいますから、一種のせつなさを覚えてしまいます。

 

チューブラーのめんどくささにひいひい悩まされて、フォーマルなロード乗りから白い目で見られますけど、ははは。