うちのサブチャリのクロスバイクはGIANT ROAM3というモデルです。

GIANTのクロスバイクのEscapeシリーズはとくに有名です。毎日のように道端や駐輪場で見かけます。が、こっちのROAMシリーズはぜんぜん見当たりません。
理由の大方はサスフォークでしょうね。たしかにこれは見た目のまんまの超ヘビー級です。おまけに最廉価版のこいつにはディスクブレーキ台座がありません。正味、ビジュアル的にも機能的にもやぼったいパーツですわ。
で、これを去年の4月頃に買って、あれやこれやの改造を施して、上記のVer9までパワーアップしました。キャリアーとドロッパーポストとナローワイドリングと47cのタイヤ付きのお買い物クロスバイクはうちのこいつだけでしょう。オンリーワン!
そして、ドロヨケ、スタンド、鍵不要のナンバーロックの三種の神器のおかげで便利で気軽です。外置き、野晒しにして、気兼ねなく乗り降りできます。
で、ほぼ毎日のように乗り回しまして、そろそろ一年を迎えますが、ところどころに不備を感じ始めます。じゃあ、気合を入れて、がっちんメンテ、いや、フルオーバーホールにチャレンジしましょう。
クランクを外す
今回のスタートの状態はこんなです。事前に前後のホイールを外して、作業場に持ち込みます。

シートポストのあたりがなんかゴテゴテだあ! 余分なカスタムパーツがてんこ盛りですので。
手始めにクランクを外しちゃいましょう。フィキシングボルトを六角でぎこぎこします。

で、毎度のコッタレスクランクリムーバーとモンキーレンチで左右のクランクアームを外します。

「年に一回くらいしか使えへんで~」
かに思われるコッタレスクランクリムーバーですが、3ヶ月に一回くらいの頻度で活躍します。むしろ、普通の汎用工具より出番があります、ははは。
で、クランクを外したら、チェーンリングを外します。このボルトは星型タイプです。25Tのヘックスローブドライバーを使います。

それから、ペダルを外します。が、分離したクランクからペダルを外すのはわりに手間です。トルクが掛からないし、ネジ方向がややこしくなります。ペダル→クランク、が正解です。

はい、クランク周りがばらけました。で、今回、写真にちょっと凝ります。メンテ内容自体は既出デジャブばかりですので。

ここの各部はとくに問題なしです。ペダルの回転がすこし渋めですかねー。ここまでの工程で手は汚れません。ここからが勝負です。
チェーンとディレイラーを外して煮沸
リアメカ周りに移りましょう。チェーンです。SRAMの10速用です。接続はミッシングリンクです。

雨晒しチャリの宿命でサビが出ます。そして、ミッシングリンクはいつものようになかなか外れません!
こんなときにはジャンクインナーワイヤーを使いましょう。リンクのとこにこんな風に通して、びんびんばんばんやります。

はい、ぶじに外せました。

このリンクはまあまあソフトです。新品のやつはほんまにかっちかちです。てか、外すより着けるのが厄介です。工具を買おうかな~。
チェーンをクリーニングします。が、ふつうの乾拭きやパーツクリーナーはおもしろくありません。たまには煮沸をしてみましょう。
ジャンクパンへどぼんして、中性洗剤を入れて、ことこと煮ます。うーん、ケミカリーなグッドフレーバーが立ち上るう!

チェーンをゆでる間にリアメカの下ごしらえをしましょう。アーレンキーでハンガーから外します。

ワイヤーエンドがぼっさぼさです、ははは。エンドキャップは良くなくなるなあ。草むらを通るときに引っ掛けちゃうかア?
小さめのアーレンでプーリーを外します。

分解図と使用工具です。ここの作業はわりと簡単です。プーリーの隙間からけっこうな草切れが出てきました。

プーリーのベアリングの近影です。これがセンタロンでしょうか?

シールドベアリングはシールドベアリングです。フルオーバーホールと銘打ちましたから、めんどうくさがらずに、ベアのパッキンをBANします。

睫毛切りばさみがいい仕事をします。そして、ベアリングのグリスはあららのスカスカです。グリスを入れなおすことにして、おなべの熱湯をすこし冷まして、リアメカの部品と一緒に放り込みます。プーリーが樹脂だから、本気の沸騰はダメです。

刷毛でばしゃばしゃごしごしやって、油汚れを落としました

すっきり! 新品なみにぴかぴかです。

ところで、ベアリング内の水気は天敵です。水洗いより乾燥のが重要です。風通しのいい場所で一夜干しにしましょう。
ワイヤー類を外す、ヘッドパーツを分解
つぎはワイヤー類の分離です。ダウンチューブ裏のケーブルガイドをアーレンで外します。あーあ、見苦しい写真です~。前輪の水跳ねがここに当たりますからね~、あしからず。

しかし、このガイドはフルアウターには不要です。結束バンドで留める方がスマートです。
アウターとインナーを取っ払いました。プラスドライバーはシフトレバーのインナーケーブルのタイコを外すところのキャップ外し用です。

注目はVブレーキのバナナですか。ゆるいカーブ=リア、きついカーブ=フロントです。このバナナはやたらとサビまくります。アロイ系のに変えようかな。
このついでにサドルとドロッパーシートポストのレバーを外しました。
ヘッドセットの分解とリテーナーのクリーニング
フォーク周りに行きます。トップキャップを外します。

ステムを外します。このボルトが小さめです。対応の六角が短いと、トルク掛けがたいへんです。

ハンドルをぶっこ抜いて、フォークを叩き出しました。コラムのサビがえげつないレベだあ!

ステムとのクランプ部分のすきまに雨が入って、水気がながなが残ります。サビの発生は自明の理です。しかし、ここの固着はゲームオーバー候補のトラブルです。サビ止めを塗ろうかしら。
と、ヘッドセットのベアリングリテーナーとトップキャップ、スペーサー類です。ノットシールドベアリングです。

そして、グリスの劣化がひとしおです。トップチューブの上下ワンとリテーナーの汚れが最悪クラスです。
これはケツを拭いたちり紙じゃありません。ワンとリテーナーの積年の汚れです。見た目と質感は完全にアレです。

リテーナーをクリーニングします。が、このパーツは意外にやわです。タオルで無造作にごしごしやったら、枠を曲げちゃいました。ベアリングの鋼球がぽろぽろりんします、うえーん。
どうにか修正して、お湯とはけでやさしく洗って、ていねいに拭き掃除しました。

ぴっかぴかです。ちなみにヘッドパーツのタイプはセミインテグラルのロープロファイルです。むだにややこしいタイプです~。ふつうのアヘッドを入れられない。
コラム径はオーバーサイズ28.6mmのストレートです。これはふつうです。
後半戦、フレーム丸洗いとサスペンションフォークのメンテ編に続きます。