ロードバイクのタイヤ交換 脳筋封印で噛みこみパンクを100%回避


MTBやオールロードバイクのタイヤはチューブレス、トラックバイクや競輪のタイヤはチューブラー、ロードバイクやママチャリのタイヤはクリンチャーです。

 

左からチューブラー クリンチャー チューブレス

 

チューブ内蔵一体型=チューブラー、チューブxタイヤのアタッチメント式=クリンチャー、チューブなし=チューブレスです。

 

スタンダードなロードバイクのタイヤは歴史的にチューブラー→クリンチャーと来て、2015年頃から徐々に最後発のチューブレスへ移行します。

 

 


パンク番長クリンチャー

 

国内一般の稼働車体の大部分を占めるピュアオンロード系のバイクや実用系の自転車の足元は圧倒的にクリンチャーシステムです。

 

クリンチャーシステムの弱点はパンクのしやすさです。これはひとえにチューブのせいです。80g以下の軽量チューブは非常に神経質です。ちょっとやそっとでパンクします。

 

TIOGA ULチューブ

 

ママチャリの分厚いチューブははるかに丈夫ですが、こちらは乗り手の無関心と不整備と荒い扱いで酷使されて、ばかすかパンクします。

 

クリンチャーシステムにパンクは付き物です。この構造上の欠点のためにタイヤの着脱の機会はチューブラーやチューブレスよりひんぱんになります。

 

うらはらにチューブラーのタイヤ交換の機会はめったにありません。タイヤは糊付け・テープ付けです。気軽に剥がせない。

 

リムセメントをじわじわ剥がす

 

チューブレスは文字どおりのチューブなしシステムです。このタイプのパンクはチューブのパンクでなく、タイヤのパンクです。

 

気密性アップとパンク防止のためのシーラント液が決め手です。

 

シーラント移し

 

白さはLATEX=天然ゴム=ゴムの木の樹液です。これは空気の流動で固まります。少々の穴や傷を塞いで、気密性を保ちます。

 

また、緊急時にはチューブを入れて、クリンチャーで使えます。チューブレスのチューブド化はかんたんです。ピュアクリンチャーのむりやりチューブレス化は・・・タイヤによります。

 

チューブラーは仲間外れです。糊付けだから。

 

以下ではオーソドックスなクリンチャーのロードバイクのタイヤ交換を解説しましょう。

 

チューブは稀代のトラブルメーカー

 

前段のようにクリンチャーユーザーにはタイヤの着脱の機会がひんぱんに訪れます。主な場面は4つです

 

  • パンク修理
  • チューブ交換
  • タイヤ交換
  • リムテープ交換
  • スポーク交換

 

最多のパンク修理=チューブのトラブルはさらに多岐にわたります。

 

  • 摩耗パンク
  • リム打ちパンク
  • 噛みこみパンク
  • 穿孔パンク
  • スローパンク

 

ロードバイクの細タイヤ&薄チューブがやらかすのはおもにリム打ちパンク、噛みこみパンクです。ママチャリは摩耗パンクの常習犯です。→自転車のパンクの種類

 

タイヤ交換前編 取り外しの部

 

自転車のタイヤ交換は取り付け、取り外しを含みます。工程はチューブ交換、パンク修理、リムテープ交換とかぶります。

 

で、クリンチャーのチューブのパンクは日常茶飯事ですから、タイヤ交換は自転車乗りの必須テクとなります。出先で自力リカバリーできないと、大ピンチにおちいります。

 

田舎の夜道は暗いどん

 

タイヤやチューブや工具を用意する

 

タイヤ交換、チューブ交換のセットはこんなです。

 

タイヤ、チューブ、レバー

 

タイヤレバーと予備チューブはサイクリングのおともです。予備タイヤまで持ち歩く人はまれです。慎重派かオフロード乗りか。

 

ぎゃくにチューブラー使いは予備タイヤや粘着テープ、シーラントを欠かせません。構造上、チューブの交換がむりです。パンク修理は一大事です。

 

チューブラータイヤのチューブ

 

チューブラーの特殊さがきわだちます。個人的にチューブレスはおすすめですが、チューブラーはビミョーです。

 

自転車からホイールを外す

 

では、作業に移ります。はじめにホイールを車体から外します。スポーツバイクのホイールの着脱はかんたんです。

 

ホイールを外す

 

ホイールを外さないと、タイヤやチューブを外せません。フレームやフォークに妨害工作を受けます。

 

ただ、ママチャリや軽快車のホイール外しは非常にめんどうですから、かんたんなパンク修理では省略されます。

 

チューブをずるずる引き出す

 

空気を抜く

 

つぎに空気を抜きます。バルブのキャップを外して、ヘッドをゆるめて、ピンをぷしゅっと押せば、エアーを排出できます。

 

しっかり空気を抜く

 

で、ピンを押さえながら、全体をむぎゅむぎゅして、余分な空気を抜いて、タイヤをべこべこにします。

 

タイヤのふちを外す

 

クリンチャーのタイヤのふちはホイールのリムの鉤状の『かえし』にひっかかります。これが”Clincher”の名前の由来です。

 

で、このふち、ビード外しが最初の山場です。レバーはタイヤやチューブやリムへの負担をかけます。手で外すのが理想的だ。

 

しかしながら、ロード系の細タイヤのリムはほっそほそ、ビードはかっちかちです。手で外せないなら、タイヤレバーを使いましょう。樹脂系のものがおすすめです。

 

二本のレバーをタイヤのビードとリムのかえしのすきまに当てて、こじるようにめくりあげます。このとき、両方を同時に「えいや!」てやらないと、あとから片方を差し込めません。

 

タイヤレバーでびゃーっと

 

こんなふうにとっかかりを作って、片方をリム沿いにびゃーっとやります。ある程度までビードを解放すれば、すきまに指を入れて、びゃーっとできます。

 

ビードオープン

 

リムナットを外す

 

スポーツバイクの空気入れの口金は仏式です。実用車は英式です。このバルブの形状がその自転車の由来を暗に示します。

 

で、この仏式タイプにはねじ切りありとねじ切りなしがあります。これはねじ切りタイプです。

 

仏式バルブのリムナット

 

ねじ切りタイプにはこうゆうナットが付きます。根元の緩み防止の小物です。チューブレスでは必須です。もちろん、これを取らないと、チューブを外せません。

 

つるぺたタイプはノーナットです。

 

Tubolitoのオーレンジバルブ

 

で、リムナットを外して、タイヤとチューブをホイールから取っ払いました。

 

チューブとタイヤ外しました

 

ここまでのながれはチューブ交換、パンク修理、リムテープ交換の序盤と丸被りします。足元メンテのいろはです。事前に練習すると、本番で慌てません。屋外ぶっつけ本番はアタフタになりますから。

 

タイヤ交換後編 取り付けの部

 

今回はタイヤ交換です。新しいタイヤを取り付けましょう。が、案の定、まっさらな細タイヤはすなおにはまりません。カッチカチです。

 

Vittoria Rubino Pro

 

新品タイヤの下ごしらえ

 

先人のいろんな秘策が世に伝わります。

 

  • チューブ入れて空気入れて一晩放置する
  • 物干しざおにタイヤを吊るして重しをかける
  • タイヤをぐいぐい引っ張る
  • ぬるま湯で温める
  • ビードをちょっと濡らす
  • 滑り止め軍手装備
  • やわらかいタイヤを使う

 

軍手、ビード濡らし、空気入れチューブ一晩放置がおすすめです。ひっぱり系の下ごしらえは諸刃の剣です。チューブレスにはよろしくない。

 

はなから硬いタイヤを選ばないのも一つの手です。人気のコンチネンタルGP4000 S IIなどがカチカチタイヤの代表です。

 

まあ、タイヤの個体差やホイールのリムの相性がからむと、着脱の手間はほんとに一期一会になりますけど。

 

進行方向をチェック

 

一部のタイヤには進行方向、転がり方向の指定があります。矢印や”Rotation”の記載がサイドのどこかにあります。

 

回転方向

 

逆につけてしまうと、せっかくのみぞやブロックパターンの機能をフルに活かせません。セミスリック、ブロックタイヤでは回転方向をミスらない。

 

ただし、リムブレーキ用のフロントホイールには左右の指定がとくにありません。逆付けで解決します。裏の裏は表です。

 

ロゴ合わせ

 

メーカー販売の完組ホイールはだいたいロゴ入り、ステッカー付きです。

 

これはレイノルズのリムです。ロゴはステッカーです。

 

バルブを上に

 

で、こんなふうにバルブ、リムロゴ、タイヤロゴを合わせると、見た目をぴしっとコーディネイトできます。

 

じゃあ、タイヤのロゴを見て、男前な配置を考えましょう。ぼくは左右対称を採用します。

 

ロゴ位置をバルブ穴に合わせる

 

OKです。それから、片側のビードをリムにぐるっとはめます。ここはそんなにたいへんじゃありません。

 

片側ビード入れ完了

 

チューブを入れる

 

作業はおおづめです。チューブを入れましょう。

 

チューブを押し込む

 

事前に空気をすこし入れると、ヨレやネジレを予防できます。が、かんかんに入れすぎると、タイヤのなかにうまく収められません。臨機応変に。

 

しごく

 

で、チューブをまるっと納めて、もう片方のタイヤのビードをはめます。ホイールを両手で押さえつけて、タイヤとチューブのたるみを取りながら、上部から下部へしごくようにムギュムギュします。

 

タイヤしごき

 

このしごきが足りないと、最後の部分がぱつぱつになります。むだな腹肉をこそぎおとすように、セルロースを押し出すようにしごきまくりましょう。

 

理想は『太もものセルロースをひざの方へ寄せやる感じ』です。

 

最後のビード上げ

 

タイヤとチューブのたるみをしっかりしごけば、大方の細硬クリンチャーを手ですぽっとはめられます。

 

まくる

 

グローブやタオルを当てて、摩擦を強くすれば、まくり上げのとっかかりを作れます。ぼくは親指で支えて、ほかの指でまくり上げます。下記の画像の赤矢印の丸ポイントが未装着のビード部分です。

 

親指でリムを抑えて、ほかの指でビードをまくる

 

イメージは『ビードの角をぶりんッ!』です。指の腹でまくり上げるようにはめ込みます。

 

ほんとの強敵や火急の場合にはタイヤレバーが出動します。

 

禁断のタイヤレバー

 

レバーのさきっちょをリムのフックにひっかけて、上にまくり上げます。じゃあ、やっぱし、「ブぶりんッ!」が正解です。

 

とにかく

 

ずらす×

まくる〇

 

です。

 

このとき、レバーがチューブをかみこむと、薄手のゴムはかんたんに破れます。80g以下の軽量チューブはほんとに一発でやられます。

 

ミニベロのロード系タイヤの着脱はなおさらです。タイヤの大きさが小径ですから、ビードの最後のとっかかりがロードやクロスみたいにうまくでません。パッツパツのギッチギチ。

 

で、タイヤレバーでむりやり入れて、かみこみパンク! パンク修理、付けなおしのループがしばらく続きます。タイヤレバーこそは諸刃の剣です。

 

チューブチェック

 

作業の山場は『しごく』と『まくる』で終わりました。あとはラスボス戦あとのイベントバトルのようなものです。が、油断はしょうもないゲームオーバーを招きます。

 

空気を少し入れて、外周をチェックします。

 

チューブチェック

 

チューブがどこかにぴろって垣間見えれば、それは挟み込みパンクの前兆です。タイヤを揉む、挟む、寄せるetcでチューブを完全に非表示にしましょう。

 

クリンチャーチューブの構造上、バルブの近辺でゴムの偏り、ヨレ、ねじれが多く発生します。空気をちょろちょろ入れながら、バルブをしっかり押し込むorリムナットを増し締めします。

 

リムナット増し締め忘れない

 

「おれのパワフル♡ビューティなポンプアップで7barまで一気に行ったるで!! ハッスルハッスル!」

 

空気入れは筋トレではありません。脳筋ピストンは厳禁です。チューブはきゃしゃなプリンセスのようなものです。手荒ながさつな扱いはNGですね。

 

理想の空気圧にする

 

以上のポイントをパスして、ようやく本気でシュコシュコできます。理想の空気圧までポンプアップしましょう。脳筋ハッスルOKです。

 

理想の空気圧までポンプアップ

 

ロードバイクの目安は7barです。が、げんみつな空気圧はタイヤ、コンディション、スタイルによります。→自転車タイヤの空気圧は車種によらない

 

で、最後のとどめにナットを締めて、バルブを締めて、キャップを締めます。

 

完成や!

 

タイヤ交換終了

 

一連の作業を出先で20分以内に素手でやれるようになれば、いっぱしの自走チャリダーを自称できましょう。