ロードバイクのホイールバランス調整 ゴルフ用具の鉛シールでするやり方

自転車の本体はフレームです。これが最重要部品です。

 

BBとヘッドパーツのを圧入したフレーム

BBとヘッドパーツを圧入したフレーム

 

ほかの部分がどんなに入れ替わっても、フレームが入れ替わらなければ、その車体は同一の車種となります。実際、防犯登録や製造番号はフレームに付属します。

 

ゆえにフレームの交換はパーツの交換でなく、車体の乗り換えです。自転車の本体=フレーム、これはたしかです。

 

しかし、自転車はフレームだけでは走れません。もう一つの大事な部分が不可欠です。

 

29er BOOSTリアホイール

29er BOOSTリアホイール

 

はい、ホイールです。極論、自転車の性格はここで決まります。チャリは足元からだ!

 

上のホイールはMTB用の29インチホイールです。タイヤは2.1インチです。最近のマウンテンバイクのタイヤ事情的にはこれはぜんぜん細身のタイヤです。

 

といっても、エアボリュームはロードバイクタイヤの比ではありません。多少のガタガタはへっちゃらです。

 

一方、ロードバイクの足元はそこまでタフではありません。

 

手組チューブレスホイール

手組チューブレスホイール

 

近年、この分野の自転車タイヤも随分と太くなりました。トレンドは25Cから28Cです。23Cはすでにちょいレトロですね。

 

リムに穴がないチューブレス仕様

リムに穴がないチューブレス仕様

 

そんなロードレーサーの足回りはその他のジャンルより神経質です。路面のノイズや車体の振動をより顕著に受けます。

 

また、ホイールやタイヤの回転さえが運転に影響を与えます。正確には回転に伴う遠心力に伴う重量の偏りに伴うブレですか。伴い過ぎ。

 

わりと不安定なホイールの重さ

 

自転車のホイールはまん丸です、目視では。

 

中華カーボン

中華カーボン

 

しかし、完全な真円のものをつくるのはかんたんではありません。工場の製造過程でふつうにムラが生じます。

 

アルミリムは一本の金属パイプを曲げて繋げて作られます。当然、つなぎ目の部分がある。ホイールを手組すると、ここの凸凹によく悩まされます、ははは。

 

カーボンリムは炭素繊維のシートを切り貼りして作られます。構造的には超固いハリボテです。

 

カーボンホイールのサイドはうすい

カーボンホイールのサイドはうすい

 

ぎゃー!

 

てことで、根本的に完全なるまん丸の輪っかは絶対にありえない。しかも、リムはリムだけで転がりません。スポーク、ハブ、バルブ、タイヤがごてごてくっつきます。

 

ことさらにバルブは偏りの主犯です。

 

バルブ付近

バルブ付近

 

バルブはおおむね金属製です。これのせいで足回りの重心がいびつになります。バルブレスにできるのはパンクレスタイヤだけだあ?

 

PiPPAの車体

PiPPAの車体

 

これはシェアサイクルのPippaですが、リムとタイヤはパンクレス系です。空気チューブのバルブは見当たらない。

 

しかし、白いリフレクターがありますから、これが重量の偏りの原因になりえます。もっとも、ホイールと車体がヘビー級だから、多少のブレは重みのかなたに消えますが。

 

ロードバイクはほかの自転車と比べて、あきらかに軽量で華奢です。ホイールバランスの影響を最も強く受けます。

 

あと、閉鎖ゾーンを超高速で走るトラック系ですか、競輪とか。実際、作業のマニアックさからそっち由来のHACKやTIPでしょう。

 

今回、たまたまディスクブレーキのロードバイクをバラ完して、メンテナンス台に安置します。何げなくこの状態でぶん回すと、けっこうなブレを視認できました。

 

ホイールのブレ

ホイールのブレ

 

写真では分からん!

 

元ネタのぼくのムーヴィーを見てください。この記事はこの動画のノベライズです。時代はムーヴィーですよ、ムーヴィー。

 

バランス調整には鉛シール

 

このロードバイクのホイールのバランス調整は渋い作業です。家庭用の自転車はそんなにやりません。

 

そもそも支障は相当な高速域でしか出ません。経験者の話では50km~がそのゾーンです。で、一般道の制限速度はおおむね50km以下です。

 

レース用、決戦用、トラック用の上級者向けの裏技てとこでしょう。週末ホビーライダーには無用のものです。

 

しかし、作業はそんなにむずかしくありませんし、自己満足度はありますし、必要経費は安く済みます。そして、わたしは動画と記事を増やせる。

 

この作業には専用の小物はとくにありません。定番のアイテムは自転車用品ではない。ゴルフ用品に活路があります。

 

鉛シール

鉛シール

 

はい、鉛シールです。正式な商品名は『TABATA ウェイトバランスプレート2.5g』です。メーカー物の良い鉛シールです。

 

本来の用途はゴルフクラブのヘッドの重心調整です。こいつを貼ると、ポイントを少しずらせます。

 

この『ポイント』は打点のことでしょうか? ゴルフはよく分からん・・・

 

2.5gのプレートが8枚入りで全20gです。お値段は300円です。アマゾンのレビューを見ると、「ロードバイクのホイール調整に使いました」てレビューを散見できます。

 

この動画のコメントを見ても、ほかの適当な代替案を見つけられません。

 

「リムナットでやった」

「リフレクターをバルブの逆に付けた」

 

猛者たちのざっくりしたDIYです。

 

かりにシマノが『デュラプレート』みたいなものを出せば、信者が1200円くらいでバンバン買いましょう。ファンはロゴや商品名やパッケージに金を惜しみません、ははは。

 

仮調整には1円玉

 

さて、ホイールバランスは一発で出ません。偏りはせいぜい5-10gです。で、てきとうにシールをべたべた貼っても、絶対にバランスを出せません。

 

事前に仮調整をしましょう。この定番選手は1円玉です。何故なら1円玉硬貨は1g/1枚ですから。

 

で、バルブの部分があきらかに重くなりますから、その反対側が重りの設置ポイントです。

 

バルブの反対側に重り

バルブの反対側に重り

 

ためしに5枚分を貼り付けて、ホイールをぶん回します。ブレは少しマシになりますが、依然として車体はプルプル揺れます。

 

で、ここから重りを増やすor減らすを繰り返して、都度にホイールをぶん回して、ブレを見ます。

 

予想の通りに10g程度でブレがほぼ収まりました。あと、十枚の1円玉はかさばります。5円玉=3.75g、10円玉=4.5gを組み合わせましょう。

 

じゃあ、本番です。この重り分の鉛シールをぺたぺたします。

 

鉛シールをリムに貼る

鉛シールをリムに貼る

 

あ、接着面を事前にクリーニングしましょう。汚物や油分は糊の点滴です。

 

台でやる方法

 

ホイールをぶん回さずにやるなら、なにがしかの台を用意しましょう。車体をひっくり返すなら、ハンドルを傷つけぬようになんか敷きましょう。

 

ぼくは振れ取り台を使いました。

 

降れ取り台でホイールバランス

降れ取り台でホイールバランス

 

ホイールの重さの偏りがあって、ハブが渋くなければ、重い部分が自然と下に来ます。まあ、だいたいバルブの部分が下になります。

 

一方、重さの偏りがなければ、ホイールはその場で静止します。

 

その場で止まる

その場で止まる

 

最終的にこの状態まで仕上げて、フレームに戻します。

 

シーラント入れるとバランス出せない?

 

MTBやグラベルバイク、オフロード系自転車のタイヤはほぼチューブレスレディ化します。このシステムにはパンク防止剤のシーラントが推奨です。

 

シーラントはすくなめ

シーラントはすくなめ

 

このシーラントは液体です。タイヤのなかで流動します。ホイールの回転中には遠心力でタイヤの内側にびゃーっと広がってバリアを形成します。

 

逆にホイールの停止時には地球の重力に引かれて、下方に溜まります。ゆえに完全なバランス調整は根本的にむりです。

 

無論、バルブなし・シーラントなし・タイヤなしでやれば、ホイールのバランスを出せます。が、タイヤなしでは自転車は走れません。

 

ですから、走れる状態の足回りのバランスを調整しないと、このメンテナンスの恩恵を受けられません。

 

また、サイクルコンピューター用のマグネットやリフレクターをスポークに付ければ、ホイール上にその分の偏りを生み出してしまいます。

 

なので、ホイールバランスを調整するのは足元をぴしっと仕上げた後の作業となります。

 

で、ロードバイクのタイヤシステムにもチューブレス化の波が来ます。9割のメーカーがシーラントの使用を推奨します。

 

シーラント

シーラント

 

これのおかげでホイールバランス調整はクリンチャーやチューブラーのようには正確に出ません。

 

ただし、調整なしと調整ありでは歴然の差が出ます。目視で9割のブレは収まりますね。

 

効果の実感は時速50kmから?

 

このマニアックなカスタマイズの恩恵は高速域で出ます。ホイールの回転数が上がって、遠心力が大きくなると、数グラムの偏りが数倍になります。

 

目安は時速50km以上です。しかし、ホビーライダーはこのゾーンまで行きません。そもそも一般道の制限速度が50km以下ですし。

 

正直、低速域では効果を実感できません。だって、体重60-70kgのおっさんがサドルにどっかと座りますし。路面もトラックみたいにきれいじゃない。

 

つまり、レース、トラック、バンクみたいにハイスピードなシーン向けの作業です。

 

が、何気にくろうと感が出ますし、作業はかんたんですから、お試しの価値はあります。

 

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