前回の組み立てでフレーム、フォーク、ホイールが揃って、完成図が見えました、わが新車のKONAのカーボンハードテイルバイク。
のこりは中物、小物ばっかりです。クランク、リング、リアメカ、タイヤは発注済みです。サドル、ステム、チェーンのオーダーがまだです。
チェーンはKMC DLCのバルク、ステムはショートタイプのCNC系のかっこいいやつに決定しますが、サドルは要検討です。柔らかめのやつにすっかな~。カーボンサドルに乗り心地にも飽きたし。
と、気軽な組み立てパーツの物色にかまける前に作業上の大物を片付けちゃいましょう。小さな厄介者がイギリスから届きましたよ。
ひさびさのWiggleパッケです。最近、送料無料の条件が8000円以上→5000円以上に緩和されました。国内通販ストアともう変わりません。
クランクとBBは一心同体
さて、正体です。
メインショッピングのBBと帳尻合わせのタイヤレバーです。BBはRace Face BB92 Cinch 30mmです。プレスフィット用です。
左のインナーカップはプラッチックのぺこぺこカバーです。フレームシェル(BB取り付け部)内の防水・防塵用です。これ自体に強度はありません。
実質の本体は右上の二つのベアリングカップです。中段の二枚はダストカバー、赤わっかはBB86用のスペーサーです。
スポーツバイクのBBは独自規格の乱立フェスティバルです。ブランド、年式、モデルで違います。クラシカルなオンロードジャンルではシマノが基準です。
が、その他のジャンル、オフロード、オールロード、アーバン、ストリート、トレイル、BMXのバイクはフロント変速を重視しないorはじめから持ちません。シマノクランクはファーストチョイスの業界標準じゃなくなります。
てことで、あそびバイクのバラ完ではフレームとBBとクランクとのにらめっこが必要不可欠です。しかし、ぼくはひさびさにシマノクランクを使おうと思います、XTR 9020。
たまたまベストサイズの165mmを安く調達できましたから。見た目とブランドのほかは満足でした。ところが、フロントシングル用のナローワイドリングのイメージ図で予定を狂わされます。
はい、このビジュアルはベリークレイジーです。アームのインナーリング用の穴がむき出しになるって!
自転車の顔たるクランクがこの体たらくだと、乗り手のセンスが疑われます。クオリティ最高、ビジュアル最低です、XTR M9020クランク。下位のXTやSLXはふつうだのに!
結局、こんな事情でXTRクランクはお蔵入りになっちゃいました。じゃあ、BBが変更になります。当初の予定はWishboneのセラミックのやつでしたが、これが立ち消えになっちゃいました。
うちのフレーム用のBB92のプレスフィットタイプはあります。しかし、Shimano用かSRAM用だけです。ぼくはSRAM派ですから、GXPにするぜ! と意気込みますが、上位モデルのクランクに165mmサイズを見つけられません。
この165mmサイズは常に足かせです。でも、170mmはぼくの股下にはジャストロングです。とにかく、サイズは最優先です。165mmのクールなグッドなクランクは非常に限られます。
ROTOR、FSA、HOPE、RACEFACE、e*thirteenで悩みまして、最終的に定番のRACEFACEにしました。決め手は色です。今回のテーマはザ・グリーンです。
で、クランクが決めると、おのずとBBが決まります。Racefaceの最近のクランクのシャフト軸は30mmです。シマノホローテックIIは24mm、SRAM GXPは左右異径の22-24mmです。
大は小を兼ねます。30mmアクスルはアダプターやなんやで24mmやGXPに対応しますが、その逆はむりゲーかエクストライレギュラーです。ベアリング打ち替えとかが必要です。
稀少なポン付けコンパチはFSAとROTORです。ROTORクランクのスピンドルは30mmです。MTBの1xのREXシリーズがあります。
でも、お値段がファンタジープライスです。そして、カラーは黒しかない。手が伸びかねます。
行くぜ、圧入プレスフィット!
BBの取り付けに行きましょう。まず、BB92のフレームにはスペーサーが不要です。インナーカップのスペーサーを外します。これを外し忘れて圧入すると完全に泣きを見ます。
で、これをフレームに手でかぽっとセットします。ここはぜんぜんイージーモードです。やり直しが効きますし。
はい、ベアリングカップブラザーズの登場です。フレーム側、カップ側、いずれがノンスレッドのつるつるフェイスです。
スレッドなし=圧入用です。PFのBBの取り付けはお初です。げに未知の規格とのファーストコンタクトは不安と期待のミックスジュースです。
RACEFACEの説明書のとおりにチューブとカップにグリスを塗ります。圧入の接触面のグリスアップは不可欠です。潤滑剤、精度アップ、耐久力上昇、メリットがたくさんです。
一部のブランドはロックタイトを推奨します。ぼくはロックタイトには懐疑的です。あのかぴかぴのイメージがよくありません。
カップをチューブにそっと載せます。
ところで、ショップや上級DIYラーはプレスフィットBBの圧入に専用工具や自作工具を用います。専門品はこんなやつです。
板金で左右のカップを固定して、ナットでぐりぐり締めます。原理はスクエアテーパークランクの取り付けと一緒です。press fit=圧入=押し込む・・・
とどのつまりは押し込みです。パワーですよ。パワーとはなんですか? はい、ゴリラです。じゃあ、ごりごりごり押しです! うほうほ!
平たい丈夫な板状のものを探します。と、みずやのグラタン皿に「ウホッ!」とときめきました。
ぴったしだあ! おあつらえ向きにベリーグッドな持ち手がありますぜ。これをぐっと掴んで、体重をどしどし掛けます。
グラタン皿を舐めるなぁーーーーー!!!
ほら、できたがな!
逆サイドもグラタン圧入でOKです。
はい、100点! よゆうのよっちゃんです。正味、作業的には難易度ノーマルくらいです。10段階の4です。
ポイントはぐずぐずためらわないことです。パワー! あと、片側ずつやりましょう。
あ~、ぴっちりFitしたBBを見るのはすばらしい気分だあ~。ホローテックBBのぼってりはみだしたビジュアルは好みじゃないからね~。
後日のBBのコンディション
で、以上の取り付けから200kmのならしを終えました。と、なんかBBのあたりからガタと異音がする・・・
てことはぜんぜんありません。回転は非常にスムーズでサイレントリーです。フレームの精度とわがグラタン皿のたまものです。
ぼくはそんな神経質なもんじゃないなあと思います。ねじ切りのやつも鳴るときには鳴るし。