クイックリリース、クイックレリース、クイックレリーズ、QR、クイックスキュワーうんぬんetcと呼ばれるパーツがチャリの世界にはあります。
それがこのメカメカしい構成体のどこかにあります。さあ、どこでしょう。
![何系ともいいがたい仕様のマイ小径車](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2016/08/213917818b59c2bb62af3b77785eff17.jpg)
答えはまんなかのレバーです。
シャフト、レバー、キャップ、バネからなる地味なニッチなパーツです。役目はホイールをフレームのエンドに固定することです。
カンパニョーロさんが発明
QRの発明者はイタリア人のカンパニョーロさん、そう、あの高級変速屋のCampagnoloの創業者です。
これでレース中のホイールのメンテナンスの利便性が飛躍的に向上しました。まさにカンパさまさまです。ロードバイクラーは足をヴェネトに向けて眠れません。
ただし、本格MTBやディスクロードではホイールの固定器具はスルーアクスルタイプに切り替わりました。
![スルー、ポンプ、パン](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2018/01/47e030b7fcb096fb6138cde5f06d140a.jpg)
固い棒です。これがフレームとホイールとシャフトを擬似的に一体化させて、溶接加工に近い強度を生み出します。
一方のクイックリリースの細いシャフトはフェイクです。ただの水先案内ガイドさんです。クイックリリースのシャフトは重量を支えません。
ホイールとフレームの仮留め
クイックリリースの役目はホイールとフレームの固定に限られます。実際に重量を支えるのはホイール側のハブ内の中空シャフトのエンドキャップです。
クイックリリースの細いシャフトは重みを支えきれません。現に素手でかんたんに曲がりますし。
デメリットは利便性の裏返しです。圧倒的な強度不足です。丈夫さがナット締めやスルーアクスルに劣ります。
ハブのシャフトの中身の写真です。さて、穴の向こうに見えるあれはなんでしょう?
![What?](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2016/10/what.jpg)
答えは次章で!
クイックリリースをチタン化
今回のカスタマイズはクイックリリースの交換です。目的は軽量化です。しかし、パーツがパーツです。見込みはせいぜい数十グラムでしょう。改造の意味がありますか?
はい、通常の場合、軽量化目的のクイックリリースの交換は重要じゃありません。
しかし、最初の写真のようにうちのミニベロのリアホイールのクイックリリースはスタンド付きです。お買い物チャリ時代の名残です。
チタンシャフトのクイックリリースです。
![AESTチタンシャフトクイックリリース](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2016/10/430654c1a5649733374ac05f79023181.jpg)
リアのシャフトは長めです。ロード用の短いものはMTBやクロスバイクに足りたり足りなかったりします。
うちのミニベロのリアホイールの幅は135mmです。ディスクブレーキタイプのものはだいたいこちらです。
計測です。
![50g](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2016/10/50g.jpg)
通常のものは100g前後です。チタンと鉄の差がもろに出ます。それぞれの比重は4.5と7.8です。単純計算で鉄はチタンの1.73倍の重さです。
パーツ別にじっくり見ましょう。
![クイックリリース](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2016/10/tiQR.jpg)
レバー、シャフト、キャップ、バネです。注目はバネです。
このバネはぞくに『タケノコバネ』と呼ばれます。うーん、たけのこっぽく見えるう? ぼくはバベルタワーにしか見えませんが。
![ブリューゲルのバベルの塔](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2016/10/lgp01a201304030800.jpg)
こいつの役目はフレームとホイールの緩衝材兼キャップとレバーの押し戻しです。
タケノコバネがないと、クイックの外への戻りが甘くなって、てきせつな隙間ができず、ホイールがエンドのツメから外れにくくなります。
ちなみにバネの狭いほうが内側に来ます。この写真のバネはNGです。
![タケノコバネのだめな取り付け方](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2016/10/49f9efe3e476715b03bf680a17f5a830.jpg)
クイックリリース交換
クイックリリースのはずし方はシンプルです。レバーを起こして、キャップを押さえて、左回しで緩めます。
リムブレーキのチャリではさきにブレーキを開放します。ディスクブレーキはぽん外しOKです。
で、こちらはリアホイールのリリースですが、シャフトのまっすぐさが怪し気です。
![リアのシャフト](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2016/10/ec829f1f8d5d65242dac7674fca11d79.jpg)
うーん、ビミョーないがみがありますねー。リアはわりにトラブりましたからねー。チェーンがスプロケットの内側に落ちたりとか。心当たりがたくさんです。ちょうど交換時期だったかもね。
実測しましょう。スタンド付きで365gです。ワオ!!
![スタンド型クイックは370g](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2016/10/5dcd8f767f1d96c0b746fad764b01bcc.jpg)
スタンド的には軽い部類です。でも、クイックリリース的にはウルトラスーパーヘビー級です。
じゃあ、リリースの交換で315gも軽くなりますやん! 前のチタンシャフトのペダル交換との合わせ技で500gオーバーの軽量化です。やったぜ! しかも5000円しか使わへんし!
取り付けましょう。レバー側からシャフトをハブに通して、先端にバネを乗っけて、キャップで押さえながら仮締めします。
バネの狭い方を内側にしましょうね。
締め付けの強さの基準は親指
さて、最後にレバーをクローズします。このときに締め付けの強さをふと思い悩むのが初心者チャリダーの登竜門です。
![締め付けは親指で](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2016/10/DCIM0504.jpg)
何度か手探りでやるとじきに感覚を掴めます。一般的な目安は親指で倒せるくらいの強さです。
感覚的に親指で「ぐぅい」てくらいです。「くいっ」とか「ぐいっ」とかはトルク不足です。クイックリリースは親指で「ぐぅい」が合言葉です。
親指で倒しきれないような強さは締め付けすぎです。掌底とかを使わず、親指の腹を使います。レンチとかで無理にレバーを倒すのは厳禁です。細いシャフトが一発でいかれますよ。
ハブの玉当たりと同じくがちがちもゆるゆるもNG失格です。キャップ側であんばいを調整しましょう。レバー側をまわすと、クローズの位置を理想のポジションに出来ません。
![かっこいいポジション](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2016/10/22e562b31e514e40e619b52e94361c27.jpg)
基本ポジションは2時・10時の方向、地面と水平、ステーやフォークのラインに沿わせる、45度とかです。あなただけのベストQRレバーポジションがあります、きっと。
アルマイト系のカラーものを選べば、おしゃれなワンポイント差し色にできます。