MTBバラ完祭り2018 AWの第3弾です。前回、Vitus Sommet CRX 2018のフレームセットをじっくりチェックして、フレームの重量、サイズ、各部の寸法をメモりました
ケーブルの取り回しを予告しましたが、さきにヘッドパーツを調達できました。こちらの圧入をやってしまいましょう。
楽天のポイントを消化して、サイクルベースあさひのネットショップで買いました。
外箱のサイズが中身のサイズとミスマッチングです。こういうスモールパーツをすっと送れる業務用の配送サービスはないんか・・・定形外は保証なしだし。
で、段ボが加速度的に溜まる。
CRCのフレームの梱包のでかい段ボをばらさにゃ~。めんどくせ~。
ヘッドパーツを圧入しよう
ものです。
ヘッドパーツ、ヘッドセットです。ブランド名は”Prestine”です。初耳の社名です。あさひはちょくちょくマイナーなブランドをぶっこみます。
ツールのSUPERBもほかではそう見ません。
で、”Prestine bike parts”をネットで調べますと、初耳の台湾の自転車パーツメーカー『元珹工業有限公司』を発見できます。
決め手はブランドではありません。重量です。ヘッドパーツ一式が110gです。ぼくの調査のなかではこの数値は軽量です。やすい中華の無印系はおおむね130g前後です。
そもそもこのパーツの元値はそんなにチープじゃない。4000円オーバーです。ポイントで1500円になりました。ぼくの楽天ポイントはあさひのマイナーブランドに消えます。
3か月ぶりの圧入プレスフィット
毎月のようにBBカップやヘッドパーツをバンバン圧入したぼくのプレスフィットマンシップは7月のSRAM dubのBBの圧入のあとでちんもくしました。dubがトラブらないから。
で、このあたらしいパーツはセミインテグラルのヘッドパーツです。アルミのカップをフレームのヘッドチューブに圧入して、そこにベアリングをセットします。
じゃあ、ひさかたに圧入ツールが工具箱のなかからよみがえりました。
ベッセルのプラスチックハンマーとAZのグリースガンです。下のグリースガンはこっそり新兵器です。ぼくのDIYプレスフィットはプレスフィットでなく、スタンプフィットです。
セミインテグラル=ゼロスタック
Vitus Sommet CRXのフレームのヘッドチューブです。
このフレームのフロントユニットはカーボン製です。でも、ヘッドチューブはアルミフレームのようなセミインテグラル用です。こっちのが高剛性だあ?
フルカーボンハードテイルのKONA HONZOのヘッドはインテグラル用でした。カップなしでベアリングをじかにINします。
Factorもどきの中華カーボンロードもインテグラルです。めずらしい1 1/8-1 1/3のテーパーです。
ちなみにセミインテグラル、ゼロスタック、ロープロファイルはおなじものです。呼び方の統一性はありません。セミインテグラル派がやや優勢ですか。
そもそもヘッドセットかへッドパーツか・・・
カップは下44mm、上56mmの1 1/8-1.5インチのテーパーです。スタンダードなセミインテグラルヘッドパーツです。
ヘッドチューブの内側と下ワンとカップの外周にグリスをうすくぬって、ハンマーでとんとこ叩き込みます。
このPFマイスターが圧入の奥義を伝授しましょう。ハンマー圧入のコツはフレームをぶち割らないようにバシバシまんべんなく叩き込むことです。シンプル。
上ワンのカップもおなじくバシバシ叩き込みます。
フィニッシュの目安はグリスのはみだしです。余分なグリスがカップのふちからむにゅって出ます。これをカップの全周に確認できれば、ハンマー連打を止めます。
バシバシ叩きすぎると、カップを歪ませてしまいます。やさしくしっかりぴちっと圧入しましょう。このあんばいは玉押しの調整に通じます。ええあんばいがおますねん。
ヘッドパーツが完成しました。きれいな圧入っぷりです。だれもハンマーでバシバシ叩き込んだとは思うまい。記念に白背景でヘッド周りの近影をとくと拝顔しましょう、ははー。
若干、フロントのりんかくが黒いハンブラビっぽく見えます。モノアイがぐぽーんしそう、ははは。
Sommetのヘッドチューブ長は110mm/Sサイズです。HONZOは90mm/Sサイズです。ENDUROバイクとトレイルバイクのジオメトリの差でしょう。
BBを使いまわし圧入
グリスを使うと、もれなくそこら中をべとべとにできますし、ちり紙とワイプオールの山を造成できます。あと、スマホがねとねとになる。グリスとスマホは鬼門です。
じゃあ、もののついでにもうひとつの圧入パーツをやっつけてしまいましょう。BBです。このフレームのBBはBB92です。
内寸は41mmで、横幅は92mmです。PF4192系でオフロード用です。ロード系のBBのシェル幅は86mmに相当します。クランクのシャフトの長さがことなります。
これはEASTONのカーボンクランクです。30mm軸の86mmシャフトです。
こっちはRace Face Atlasクランクです。30mm軸の92mm幅です。
6mmのスペーサーをかませば、ロードフレームにおさめられます。か、シャフトを交換するか。
新旧BB完全互換OK
で、現行のメインバイクのKONA HONZOのBBはPF4192です。41mmサイズの92mm幅だ。SRAM dub BBを引っぺがして、このVitus Sommetに使いまわせます。
さて、圧入をハンマーでやるやつが取り外しを専用工具でやりましょうか? 否! 樹脂のタイヤレバーをカップの内側のでっぱりに当てて、ハンマーでバシバシ叩き出します。
スコーン! て抜けます。
正味、プレスフィットBBの取り外しの正攻法はこのような力業の叩き出しです。チャリ屋もこうします。
カップのよごれです。
茶色いよごれがサビを思わせます。でも、このdubのカップは見ての通りの無骨な無地のスチール製です。
ものの30秒でぴかぴかです。このdubのボトムブラケットは当初の予想よりよいものです。高級感はありませんが、耐久度はあります。
Oリングを外して、綿棒でちょこちょこクリーニングします。
Oリングをうまくはめられない・・・
BBのハンマー圧入のコツはフレームをぶち割らないようにバシバシまんべんなく叩き込むことです。
え、ヘッドパーツとおんなじだあ? 当然です。ヘッドパーツとプレスフィットBBの構造はイーブンパーです。圧入カップとベアリングの組み合わせです。
ベアリングの内径をどうにかすれば、クランクをヘッドに、フォークをBBに換装できましょう。
作業に戻ります。dubのカップとBBシェルにグリスをうすく塗って、まんべんなくバシバシ叩き込みます。個人的感覚ではBBのワンの方がヘッドのワンよりかんたんです。
一気に反対側も圧入します。オフロードのBB周りはあきらかに高剛性で安心です。ロード用のは圧倒的にきゃしゃです。作業すると剛性の差をよく理解できます。
で、やっぱし、完了の目安はグリスのはみだしです。
余分なグリスをふきとって、記念撮影をします。
このぴっちり感が圧入BBのだいごみです。
バラ完の土台が完成
てなふうに自転車バラ完のやっかいな作業がぶじに終了しました。ここが毎度の山場です。圧入は神経質だし、パーツの規格はぐちゃぐちゃだし。
おまけにスマホでいちいち写真撮影しながらDYIするのはたいへんです。別の意味でスマホがぬるぬるになります、ははは。
フレームにヘッドワンとBBワンが入りました。頭部と心臓です。ここがおさまると、全体が何気にしゃきっとします。
実際、ほかの作業でフレームをぶち割るような不安はほとんどありません。あとのパーツの移植はきせかえ/ころもがえのようなものです。
結局のところ、専用器具を使っても、あんばいをまちがうと、オーバートルクで割っちゃいます。ぼく的には押し込むより叩き込む方が良好な手応えです。なんとなく分かる。
次回こそはケーブルの内装と取り回しです。