前々回の1インチフォークと前回のシングルクランクで骨組みを完成させました。栄光の乗り出しまでのラストピースはホイールです。
トラックホイールをゲット!
ムキムキ無機物のMiche Pistardトラックホイールです、イタリア~ン。
最後の最後までおフラン~スのMavic ellipceと迷いますが、予算とデザインとお買い得度でこっちを選びます。
Mavic Ellipseは5万、このミケの中古は送料込みで23600円です。Ellipseは1800g、Pistardは2000gです。
ところで、トラックホイールのカタログ値は重く見えますが、これはシャフトと固定ナット込みの重量です。
EllipseのルックスはもろMavicです。黄色と黒のデカデカステッカーです。完全にホイールが浮きます。
他方、このミケピスタードのブラックリム、シルバースポークはパナのシルバーマットなUタイプのフレームとSurlyのブラックなクロモリフレームにマッチします。
さらにクランクとおそろいのペアだ!
ギアは固定の厚歯の16T
ギアです。
16Tの厚歯です。男気の固定です。まさにトラックホイールの顔です。
クランクのリングは47Tです。47/16≒3がギア比です。ノーマルなママチャリのギア比は2.5前後です。ママチャリ的にはやや重めのギア比です。ピスト的にはふつうです。
タイヤはSchawalbe Oneチューブラー!
タイヤはほぼ未使用のミントコンディションなSchwalbe ONEの24cです。このタイヤの特徴的なつぶれ方が目に入りますか? そして、バルブエクステンダーが?
そう、これはチューブラータイヤです。ちまたでは消え去りつつも、レースではしぶとく生き残る自転車タイヤのオリジンです。
『性能は折り紙つき、使い勝手はイマイチ』
てのがチューブラーの特徴です。パンク=終了の公式が現実的だ。遠出やサイクリングには予備タイヤやリムテープがなかば必須です。
しかしながら、この使い勝手の悪さはママチャリの弱点にはなりえません。ママチャリの活動範囲は近所です。片道はせいぜい5kmだ。出先でトラブッても、歩きでてくてく帰れます。
さいわいにバルブコアはセパレートタイプです。パンク対策にチューブレス用のシーラントを入れましょう。30ml弱です。
チューブレス化のマストアイテムのシーラントはもともとパンク防止剤です。ピンホールには無敵の威力を発揮します。画鋲や押しピンごときはへのかっぱです。
ホイールをナット締め
いよいよホイールを組み付けます。Surlyの1インチフォークはエンド幅はQR用の100mm、パナソニックのUタイプフレームの正爪用のエンド幅は126mmです。
Miche Pistardは前100mm、リア120mmです。ザ・トラック仕様。リアの6mのギャップがイレギュラーです。
こんな数値上のギャップはささいなことです。DIYには現物あわせが最強です。勇気で補いましょう。
フロントホイールのシャフトはフォークにすぽっと入ります。ヤッタネ! ナットをモンキーレンチで締めます。
トルクはひさびさのMBT、マイベストトルクです。きつめ、からもう一押ししました。そして、さすがのイタリアブランド、スポークがタリアテッレ型のブレードスポークです。
フロントのビジュアルが完全にメッセンジャー系のフィックスバイクになりました。Surlyのロゴが良い味だア!
フロントのエンドは問題なしです。うしろはどうでしょう? ホイールは120mm、エンド幅は126mmです。
安全策で3mmのワッシャを左右に挟もうかと思いますが、ジャストのワッシャを工具箱から見つけられません。じゃあ、強めに締め付けて、むりくり合わせましょう。
はい、100点! 片側3mmはぎりOKです。130mmのロードホイールもOKぽく思えます。ボーラを入れちゃう?!
厚歯チェーンをカットしてセット
チェーンの出番が来ました。右下のやつです。厚歯のシングルスピード用、KMC製です。1000円。チープ!
クランクとギアに通して、テキトーな長さにカットして、ホイールをぐいぐい引っ張って、たるみを取ります。
チェーン引きがあれば、調製はもっと楽ちんです。このホイールには付属しなかった。見た目はすっきりします。GOOD!!
それから、直引き調製ではホイールとフレームのセンターを合わせるのがワンポイントです。テキトーに力任せにひっぱると、たいていホイールが左側によります。
センタリングしながらすばやくナットで固定しましょう。
チェーンラインが心配ですが、干渉は起こりません。最後大物パーツはすなおな良いやつです。真夏の1インチヘッドセットのやんちゃぶりが懐かしく思えます。
しめにドッペルのデカサドル
実際に外で走れるように仕上げの小物をさくさく付けます。ブレーキレバー、ケーブル、ペダル装着はおなじみです。ミニベロのおさがりがいろいろあります。
サドルです。ドッペルのデカサドルです。いや、形と大きさはママチャリライクでけっこうですけど、サイドのオレンジがぜんぜんマッチしない~、うえーん。
アヘッドの固定ギアのチューブラーのママチャリが完成
固定ギアのバイクはおはつです。いきなりの本番決勝戦にデビューせず、近所の神崎川で試走しましょう。リハーサルです。
て、最初のひと漕ぎからあたふたします。けんけん乗りがめっちゃテクニカル! ペダルがつねに動きます。めぼしい位置で足を置けません。乗り手がペダルに合わせろ、てことか?
そして、ブレーキングがめっちゃテクニカル! 油圧ブレーキみたいに指一本で停まれない。100円の安キャリパーと踏ん張りが頼みです。
この新しい感覚にとまどいながら、河川敷へ着きます。幼稚園児のチャリンコか高校生の原付なみに練習して、ピストの停まり方の感覚を掴みます。
マイニューチャリ、シルバーサーファー号です。乗り手にトラックバイクのテクニカルさを求めつつ、ママチャリのフェミニンさを与えるアンビバレントな一台です。
ネット上ではこのUタイプフレームベースのママチャリ改造機はわりにありません。ミキスト風のシティサイクルのフレームが多勢です。
は? チューブラーの乗り心地? うーん、ふつうです、タイヤ味の乗り味だ。正味、よー分からん。てか、固定ギアの操作でいっぱいいっぱいです。まあ、タイヤはタイヤです。
やけくそで12barまで入れちゃう?!
プロさえが7-8barで使います。高い空気圧=固いタイヤ=速いタイヤ、て公式はぜんぜんまちがいです。10bar以上はノイズゼロのトラックや屋内コース用です。
このシルバーサーファー号は帰宅後の体重測定で9.1kgをたたき出しました。スタンド、カゴ込みの10kgアンダーが視野に入ります。
次回がママチャリ改造最終回です。各部の微調整と仕上げです。