スポーツバイクや趣味の本格自転車は10万円~の高級品です。そうでなくても、だいじなものです。ママチャリや軽快車のようにラフには扱えません。
正気の人はフラットバーロードバイクを万能物干し台にするとかしません。

ロードバイク兼万能物干しざお
チャリ活動域=都会=手狭
日本の自転車の活躍のシーンは都市部、住宅街です。地方や田舎は車社会です。ガレージ付き、庭付き、大きな一軒家がふつうです。あと、古い家にはなぞの納屋がある。
田舎の人は歩きませんし、チャリしません。移動手段は車です。平気で「一人に一台」てほざきます。文明にけがされ、自動車産業に毒され、ピュアさを失いました。現代の悲劇です。
モアモア・スペース!
で、自転車の保管場所は全国のチャリダーの大きな悩みです。資金は有限ですが、空間はさらに限定的です。実質、マネー x スペースでチャリライフの物理的な豊かさが決まってしまいます。
そして、地方の自家用車はせいぜい「一人に一台」ですが、チャリ好きのチャリは「一人にx台」です。ロードは山に入れませんし、MTBはロングライドに向きませんから!
て、はげしく訴えても、他者の理解をえられません。
「山道にはトレッキングシューズですやん? マラソンにはランニングシューズですやん? じゃあ、チャリは二台になりますやん?」
チャリのジャンルが大きくちがえば、この理屈はまあまあ有効です。だが、おなじようなメインバイクとサブバイク、てめーはだめだ。外界の人々には軽量ロードもエアロロードもおんなじです。
で、都会のチャリダーは保管場所に四苦八苦します。個別のガレージや庭に置ける人は果報者です。屋根付きの軒先に停められる人さえがラッキーです。
が、たいてい屋外の余剰スペースには先客のママチャリさんや原付さんがいらっしゃいます。そっちを野ざらしにして、こっちを屋根の下にしまう・・・てのは通りません。占有権は先住民にある。
マンション住み、アパート住みの人はわりとドライに割り切れます。駐輪場、公共スペース、室内保管の三択しか余地がありません。
すんごくリスキーな屋外駐輪
自転車は金属パーツのかたまりです。本格モデルのフレームやホイールはカーボン化しますが、チェーンやギアなどの駆動部、ハブやピボットのベアリング、ボルト・ナット・スプリングはおおむね鉄製です。

サビには556
これらは一発の水気でさびます。野ざらしチャリのチェーン、ボルトナット、スプリングはほんとに劣化の温床です。しつこいババ色のオーラがまとわりつきます。
多少のサビは日用品のママチャリや軽快車には大きなダメージではありませんが、スポーツグッズのロードバイクやMTBには性能的に、趣味のミニベロや折り畳みには美観的に痛手です。
雨、光、風、雪の猛威が襲う
軒下のセミ野ざらし自転車も気を抜けません。屋外駐輪の第二の刺客が日光、紫外線です。ゴムと塗料がもろに影響を受けます。

オゾンクラック?

日陰と日向の色
タイヤやグリップの寿命がちぢまりますし、せっかくの高級品がみすぼらしくなります。紫外線対策にはカバーが有効です。

自転車カバー
これも一長一短です。光は通りませんが、風も通りません。なんかの拍子で水分が内側に残ると、湿気がこもります。サビ対策には逆効果です。
そして、やっぱし、いちいちのカバーの取り付け取り外しがめんどうです。クロスバイクxカバーはビミョーにミスマッチングです。
真の敵はニンゲン
しかしながら、外置きの最大の心配は天災ではありません。雨風光雪は平等です。そこに悪意はない。外置きチャリの真なる敵はニンゲンです。
本格スポーツバイクには五分十分の駐停車がいのちとりです。

駐輪場の厳重なラピエール
この乗り手は本体をU字ロックでガードして、ホイールをワイヤーロックでガードします。セキュリティ的には中です。チャリのそばから離れるのがすでにリスキーな行為だ。
くわしい人がこれを見れば、ぽんぽこぽんと見積もりを出せます。アルテグラは2-3万、RSホイールは5000円、Ortliebサドルバッグは2000円也、ちーん。
さらにスポーティなドロップハンドルはいやおうなく人目を惹きます。厨房やよっぱらいのいたずら、いやがらせの格好の標的です。
てことで、室内保管がスポーツバイクの王道です。本格自転車は冷暗所を好みます。高級海苔か革靴みたいな性癖です。
実際問題、チャリの手のかかりようと嗜好性はドレスシューズのそれとそっくりです。昔、靴にハマったぼくが断言します、ははは。
自転車室内保管のいろは
自転車の保管の得点は、
室内保管 > 屋外屋根付き日陰 > 屋外屋根付き日向 > 野ざらし雨ざらし鍵付き > ザ・完全放置
になります。ぼくはメイン機には室内保管を、サブ機にはザ・完全放置の両極的駐輪技法を採用します。総計20万のサブ機の完全放置はある種の積極的なヤケクソさのたまものです。
が、もう一台のメインは完全室内保管です。玄関のわきが定位置です。

MTBは室内保管
幸か不幸かうちにはうるさい嫁はんがいません。この配置が許されます。が、客観的観点で見ると、玄関の手狭さにうーんとうならざるを得ません。ぼくが嫁であれば、文句をぶうぶう垂れましょう。
といって、ほかにてきとうなスペースが一階にありません。奥の和室には趣味の釣り道具が満載します。廊下は手狭だ。ごついMTBをいちいち二階まで運べない。
置き方の工夫をするとすれば、ハンガーかラックを壁に据え付けて、玄関の上の方に自転車をやって、下のスペースを空けるか、ペダルをクイック着脱式or折り畳みにして横幅をじみにせばめるか・・・
もっとも、フラットバーの自転車はまあまあコンパクトにまとまります。ステムがショートですし、ハンドルのかさがぺったんです。前輪を外して、ハンドルを切れば、そこそこ小さくなる。
うらはらにロードバイクのロングステムとドロハンはかさばりまくります。ステムの突き出し10cm、ハンドルのリーチ10cm、レバーブラケット10cmは確定です。それが腰のあたりに来ます。じゃま!
タイヤ=土足=汚物
で、世のローディはスタンド、タワー、ラック、ハンガーの類を余儀なくされます。こうゆうやつです。
はて、これのなにがポイントでしょう? 首をかしげる人は主婦・おかん目線を欠きます。タイヤです! タイヤが床に触れません! オー・グラヴィティ!
一般的な日本人にはタイヤ=土足=きたならしいものです。それを畳や床にぺたっと直付けするのは古来よりご法度です。かくじつに家庭の平和を揺るがします。
良識人はくれぐれおうちでバイクパッキングごっことかしない。

今日のキャンプ場 美星ヒュッテ
実際、タイヤをフローリングに直置きすると、ゴムのあとがちょこちょこ移ります。このわるふざけの後でブロックタイヤのパターンが床に残りました。畳もちょっと危険です。
まあ、わしはかまへんけどな! うりゃー!

おうちでBP
日本の家の中は土足厳禁です。この土足には自転車タイヤが完全に含まれます。グラヴィティスタンドがジャスティスです。
持ち家には据え付けのハンガータイプがおすすめです。
狭いハンドルのロード用のハンガーです。幅広ハンドルのMTB用は別にあります。で、やっぱし、ミノウラ、やっぱし、グラヴィティ! です。アメリカ人はこんなに喝采しますまいて。
このことから土足回避こそが室内保管の最重要機構です。チャリ好きは愛機をひいきめで見ますから、ハードルをダダ下げにしちゃいますが、世間一般の感覚はそうじゃありません。
たしかにぼくらも原付やオートバイを室内保管するのは変だなあと思います。原付のタイヤはきたなく見えるが、チャリのタイヤは清く見える? ああ、ほら、ロードは細タイヤだから!
て、そんな接地面積の問題ではありません。土足は土足、タイヤはタイヤです。外の汚れを家に持ち込まない。この国の風習、和的情緒です。
逆にこれをクリアすると、室内保管にぐっと近づけます。イッツ・グラヴィティ! グラビガです、グラビガ。いや、むしろ、レビテトだあ?
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