MTBやロードバイクなどのスポーツ自転車は広義にはアウトドア用品です。お外で使うもの。屋外で真価を発揮します。
しかしながら、このアウトドア用品は野ざらしの屋外駐輪には向きません。質実剛健なママチャリやシティサイクルよりナイーブです。
雨、風、太陽などの自然も苦手ですが、チャリドロボー、いたずらチルドレン、電動アシスト自転車などの人災も大敵です。ある種、街中の駐輪場は山中よりタフでハードだ。
アウェーですね。
賃貸マンションで自転車を室内保管する
この事情から屋内駐輪がスポーツ自転車のベターな保管方法となります。ベストな屋根付きのガレージや土間の納屋は都市では都市伝説です。
が、愛機一台の十分なスペースさえも気軽に確保できないのが一般的な自転車乗りの宿命です。所帯持ちはタイヤを床に付けようなら、つぎのような罵声を浴びせられます。
「そんな汚いものを部屋に入れるな!」
お母さんにもお嫁さんにも自転車のタイヤは不浄のものです。おまえは土足で床を踏み荒らすのか? と。
そこで先人たちは知恵を絞って、スマート&クリーン&セーフティな保管方法を編み出しました。突っ張り棒の壁掛け収納です。
重量級のMTBをラブリコと2×4材の突っ張り棒とバイクハンガーでディスプレーしました。自転車の壁掛け的には高難易度の収納です。ハンドル幅と重量がネックだ。
タイヤ直置きは重罪
ところで、この部屋はぼくの生活拠点でなく、自転車とゲームと趣味のセカンドルームです。スペースは十分にあります。
ここまでスペースを取れなくても、畳一枚分の床を確保できるなら、マットやじゅうたんを敷いて、屋内駐輪&ディスプレーできます。
でも、フローリングや畳や壁にチャリの直置きは厳禁です。一般人にはタイヤ=土足です。さらにタイヤ=ゴム=石油製品です。長期放置で床や畳や壁紙に油が染みると、もう落ちません。
賃貸マンション契約ではフローリングや畳や壁紙の汚れは借主の負担です。うかつにチャリを直置きしたり、タイヤを放置したりすると、退去時に敷金をごっそり引かれます。
ということで、タイヤの長期放置は厳禁です。上のようにラグ+作業台がベターです。整備中の工具やパーツの落下対策にはコルクボードやクッションタイルもおすすめです。
もちろん、ベストは土間の納屋かビルトインガレージです。
ラブリコと2×4材で突っ張り棒
賃貸ルームの壁や柱にはビスやピンやクギを刺せません・・・いや、刺せますが、例のごとく退去時に困ります。
で、そんな借家住まいの救世主が突っ張り棒です。短いやつ、長いやつ、縦用、横用etcetc…ホームセンターにはこのコーナーがあります。日本は突っ張り棒先進国です。
これはコーナンの突っ張り棒コーナーです。
ディアウォール、ラブリコ、ウォーリストが突っ張り棒金具のトップ3です。ぼくは見た目と色で屋外用のラブリコアイアンを購入しました。
ラブリコノーマル = ラブリコアイアン < ラブリコ強力型の順で積載重量が大きくなります。ノーマルは20kg/1本、強力型は40kg/1本(自転車を掛ける際には20kg)ですね。
事前に天井の高さに合わせてカットした2×4材とこれを組み合わせて、てきとうな場所にセットします。
この位置はあきらかに邪魔です。まあ、これはテストですから。
ちなみに木材の良し悪しは反りや割れ、そして、断面で分かります。2×4材の構造では下の図の赤の断面のものがベストです。
ホムセンで2×4材を選ぶときにはここに注目してみましょう。緑は外れです。
ミノウラバイクハンガー? IBERAですが何か?
突っ張り棒の売れ筋ナンバーワンが平安伸銅工業のラブリコであれば、壁掛けバイクハンガーのそれはミノウラのバイクハンガーです。
実際、ラブリコ2×4材の突っ張り棒とミノウラバイクハンガーは定番の組み合わせです。amazonや楽天で手軽に安く揃います。
唯一の欠点はミノウラのバイクハンガーが普通の洋服用のハンガーみたいに見えることでしょうか。おしゃれではない。
あと、ロード用は黒オンリーですが、マルチタイプは黒赤です。
この部屋に赤はない! あと、ロード用のハンガーにはMTBのハンドルは収まらない!
そんな訳でぼくのおしゃれな部屋にふさわしいバイクハンガーを調達しました。IBERAのバイクハンガーです。
え、右の小さな文字が赤ですって? いやいやいや、オレンジっすよ! ネバー赤! 赤くない! むしろ、青?!
ミノウラほどにメジャーではありませんが、このIBERAのバイクハンガーも人気の商品です。オレンジの”Adjustable“のコピーのようにアームとポールが可変式です。
バイクハンガーを突っ張り棒に取り付け
バイクハンガーの取り付けは簡単です。ネジで固定。ちなみにハンガー付属のねじは2×4材には少し長すぎました。
問題はハンガーの高さです。低い位置に取り付ければ、車体を楽に上げ下ろしできます。でも、空間は少し窮屈になります。
・・・まあ、この例では突っ張り棒の位置が根本的にNGですけど。あきらかにリアホイールが来客の顔面を直撃します。
高い位置に取り付ければ、圧迫感を減らせます。でも、上げ下ろしがきつくなります。身長や用途に合わせて、ポジションを検証しましょう。
フルサスMTBは壁掛けに向かない?
ロードバイクやクロスバイクの重量は~10kgです。MTBは10kg~です。この時点ですでにノーマルラブリコ(通常20kg/1本、自転車10kg/1本)の突っ張り棒には重荷です。
さらにうちのMTBはフルサスペンションのごっついやつです。重量は約14.5kg。軽量ロードの2台分です。
さらにさらに長いハンドルがスマートなディスプレーを邪魔します。
うーん、なんか収まりが良くない・・・下り系フレームの長いスローピングのトップチューブがハンガーのアーム可動域を余裕で越えます。おかげでタイヤが水平になりません。
これを長期放置するのはやや不安です。なんかの拍子に突っ張り棒が緩んだら・・・
結論:ごっついフルサスMTBは壁掛けに向かない。
フレームを飾ってみました。
これはいい感じです。
MTBよりスマートでコンパクトなロードバイクやクロスバイクの壁掛けはもっと簡単です。2×4材以外はamazonで安く揃います。
木材は嵩張りますしピンキリです。現地調達がジャスティスですね。