オフロードのチャリンコの世界ではチューブレスタイヤが主流です。転がり抵抗、重量、耐パンク性、エアボリューム、いずれがチューブドクリンチャーの性能を上回ります。
チューブレスタイヤのこれらの利点は競技者レベルからホビーユーザーまで広く恩恵をもたらします。もはや、チューブの用途は緊急用か補修用です。
チューブレス=ビード上げ
『チューブレス=ビード上げ』
世間ではそんな公式が成立します。転がりの軽さ、軽量化、耐パンク性を差し置いて、ビード上げが連想ワードの一位にかがやきます。
空気の内圧でタイヤのビードを中央のみぞからサイドの段差に上げます。これが最重要キーワードの『ビード上げ』です。自動車やオートバイのタイヤも同様の仕組みです。
これが成功すると、ビードとリムが打ち合わさって、「カン! パン! パパーン!」て軽快な音がします。歓喜の瞬間です。
ピュアチューブレスタイヤはこのままでOKです。チューブレスイージーはパンク防止剤のシーラントを要します。STANS NOTUBEのものが定番です。
最近のチューブレスタイヤは快適
ぼくは再三のチューブレスイージータイヤの取り付けとクリンチャーのむりやりチューブレス化でチューブレスの扱いにもう慣れました。
昔のことはさだかじゃありませんが、最近のチューブレスコンパチ、2wayタイヤとホイールはコンフォートです。
これはパナレーサーのグラベルキングSK 700×43です。パナのチューブレス互換システムは”TCS”です。WTBは”TLC”で、Schwalbeは”TLE”です。
まあ、宅急便、飛脚便、ゆうぱっくみたいなものです。チューブレス互換はチューブレス互換です。
700×43から29×3.0まで使いますが、まったく苦労しません。ふつうの空気入れでビードは上がります。2015年以降のチューブレスの精度は過去の比じゃありません。
ピュアクリンチャータイヤのチューブレス化はこんなに生ぬるいものじゃありません。ぼくは修行の末にワンサイドビードアップて技を会得しました。
たいていのクリンチャーはチューブレスになります。しかし、装着の手間はかくじつに増えます。
エアタンク付きの空気入れ購入
で、今後のタイヤのトレンドを踏まえまして、専用品を買いました。
はい、GIYOのエアタンク付き空気入れです。
ボントレガーの1万オーバーのやつ、GIANTやスペシャライズドの別付けエアチャージャーみたいなものをじっくり見て、こいつを買いました。
GIYOはコスパ系の空気入れ屋さんです。たぶん、どっかのOEM元か下請けです。中華系モールに在庫がありますし、国内販売があります。
作りはがっしりどっしりです。ふつうの空気入れの2倍3倍の迫力です。圧縮タンクがふつタンクと一体化します。
空気圧ゲージは手元です。上限は18barです。オートバイ用に行けるか?
バルブヘッドのうしろに切り替えつまみがあります。ヘッドやパッキンのつくりはなかなかの質感です。これはノーマルモードです。ちなみに口金は米仏兼用です。
つまみを右に返して、ポンプアップすると、タンクに空気を貯められます。10bar以降の手ごたえははあきらかにかたくなります。体重をのっけて、しゅこしゅこしましょう。
あとはヘッドをバルブにセットして、つまみをもとにもどします。
石鹸水なしでかんたんにパンパン鳴ります。29×2.1のオフロードタイヤが一発でチューブレスになっちゃいます。
浮かれて、3回くらいむだにビード上げをやってしまいました。
人力ポンプアップでは初速のエアが頭打ちになります。どんなに全力でシュコシュコしても、2倍3倍にできません。スーパーサイヤ人じゃあるまいし。
空気注入量が空気排出量を上回って、ようやくビードが上がります。ルーズなビードのクリンチャーの人力チューブレスの難易度は跳ね上がります。
しかし、エアタンクの初速の前では大容量のノーマルなクリンチャータイヤがこうです。オンロードの細タイヤ、オールロードの中タイヤのビード上げは朝飯前でしょう。
これを使うと、「今までの苦労はなんやったんや!」と言います。