ビードが上がらない! チューブレスタイヤの対策、コツ、そして秘技


ビード上げはメンテナンスやセッティングじゃありません、上腕の筋トレです・・・て、あるあるにシンパシーを覚える方はすでにチューブレスタイヤの経験者でしょう。

 

チューブレスタイヤへの移行はひとえにビード上げにかかります。最初のチューブレスでビード上げにつまづくと、手のひら返しでクリンチャータイヤへ帰依してしまいます。

 

 


ホビーサイクリストにそっぽを向かれた過去

 

以前、マビックがロードバイクのチューブレス、USTを世に問いましたが、着脱のわずらわしさて一点で一般ユーザーやホビーライダーから敬遠されました。

 

この反省から2018モデルの再起のUSTではマビックはつけやすさを大々的にPRします。本来のチューブレスの利点、転がり抵抗、軽量化、耐パンク性、乗り心地はかやの外です。

 

結局、一般人は手軽さ、便利さをやみくもに重視してしまいます。そして、新しいことを学習しません。手持ちの知識と技術でどうにかしようとします。進歩がない、発展がない。

 

ぼくはチューブドクリンチャーのぬるま湯に漬かりきる前にチューブレスへ移行できましたし、ほんの出来心でチューブラーにさえ手を出しました。

 

最終的にチューブドクリンチャーの微妙さが浮き彫りになります。チューブラーやチューブレスの性能や利点 > 取り付けの手間です。

 

それから、一般的に気軽て称されるクリンチャーとチューブの扱いはそんなに気軽じゃありません。気軽に思えるのは最初にそれをしっかり習うからです。

 

クリンチャーの取り扱いレベルが6であれば、チューブレスは7、チューブラーは8です。倍の差はありません。個々の取り扱いをきちんと学習すれば。

 

チューブレスタイヤの鬼門はビード上げです。ここをクリアすれば、新しい技術の恩恵にあずかれます。苦悩から歓喜へ、第九です。

 

難関ビード上げ

 

ビード上げはチューブレスタイヤの取り付けに必須の手順です。ビード=タイヤの耳をリムのふちに上げることです。

 

取り付け前にタイヤをお掃除

 

チューブレスのタイヤとホイールにはこの作業がともないます。自動車、オートバイもそうです。タイヤをホイールにはめて、コンプレッサーでビードをリムのふちに上げます。

 

ビード上げ後のタイヤとリムは下図の右のイメージのようになります。

 

左からチューブラー クリンチャー チューブレス

 

タイヤとリムで空気を疑似的に密封します。ビードがきちんと上がらないと、すきまが生じて、空気が抜けます。

 

スポーク穴には気密テープを貼ります。これは定番のSTANS NOTUBEのイエローテープです。オフロードの低圧で1巻き、オンロードの高圧で2巻きです。

 

小刻みに貼る

 

ホールレスのテープレスのつるぺたリムはもっと楽ちんです。チューブレス初心者はこちらを選びましょう。

 

ニップル穴なしでテープレスリム

 

このリムと最近のチューブレスを使えば、最軽量のコンパクトポンプでかんたんにビードを上げられます。

 

ぼくはわざわざ屋外の公園でタイヤを外して、実験しました。

 

5分でふつ空気圧

 

ピュアロード系のチューブレスやチューブレスタイヤはさだかじゃありませんが、2015年以降のオフロードやオールロード系タイヤのビード上げは楽勝です。

 

しかし、これに慣れても、ノーチューブレスタイヤのビード上げにはまあまあ苦戦します。これはグラベルタイヤのChallange ALMANZOです。

 

Challange ALMANZO 700x30c

 

チューブレスじゃありません。でも、ビードが上がれば、シーラントがケーシングを補強して、細かいピンホールを防ぎます。チューブレス化は可能です。

 

これもクリンチャータイヤです、Schwalbe G-one 29×2.35。

 

前後ホイール完成

 

右のWTB Ranger 3.0はTCS=チューブレスコンパチブルシステムです。このチューブレスモデルは異常に減圧しますが、むりやりチューブレス化したG-oneはずっとカンカンです。

 

ちがいはおもにビードの上げやすさです。クリンチャータイプのビードはわりとルーズでソフトです。厚みと硬さが足りません。チューブレス化がそもそも非推奨ですし。

 

でも、最初の難関を突破してしまえば、チューブレスより持ちます。Schwalbeはぼくの中のタイヤ屋ランキングではベスト3に入ります。

 

ビード上げのコツ

 

では、ビード上げしない歴0ヶ月のぼくがビード上げ入門者のためにビード上げのコツやポイントを解説しましょう。これで世界中のすべてのビードをパンパン上げまくれます。

 

リムとタイヤをクリーニング

 

リムとタイヤのクリーニングは基礎の基礎です。ゴムカス、ほこり、繊維くず、なにがしかの粒子、これらは空気の密封の足かせになります。

 

リムとタイヤを布でからぶきしましょう。

 

リムを拭く

 

時間を取れるなら、タイヤを洗剤で水洗いして、しっかり乾燥させましょう。

 

テープをきっちり貼る

 

くだんのようにスポークホールありのリムには気密テープを貼って、穴をふさぎます。専用のリムテープの粘着力はそんなに強くありません。ぺなぺなです。

 

Stan’s NoTubes リムテープ

 

空気を押し出すように地道にちまちま貼ります。親指で指圧するようにやるとぴっちり貼れます。ちなみにガムテープでは空気を密封できません。

 

ガムテープでリムテープ

 

後日、テープのノリがべちょべちょになります。他方、専用リムテープはぺろっとかんたんに剥がれます。ノリのあとは残りません。

 

おかげで薄汚いリムにはテープがぜんぜんくっつきません。その場合、リムを洗剤とぬるま湯で軽く洗いましょう、ハブには注意して。

 

バルブをきっちり締める

 

バルブの付近は空気漏れや減圧の主犯格です。クリンチャーの要領でやると、100%で空気漏れを起こします。

 

ノーブランドチューブレスバルブ

 

ゴム台座を親指でぐっと押し込んで、ぎちぎちにリングを締めます。かませの小さなゴムのOリングを忘れないで。

 

ビードをリムのセンターに落とす

 

テープを貼って、タイヤをリムにはめたら、左右のビードをリムのセンターに落とします。

 

ニップル穴なしでテープレスリム

 

このまんなかのみぞに落とします・・・てのが定番です。でも、この命運はビードの精度次第で分かれます。

 

せっけん水を塗る

 

ビードの滑りをよくするため、密封を促進するため、せっけん水をぺたぺたと塗ります。ぼくは最初にびゃーっと塗りたくっちゃいます。

 

リムに石鹸水を塗りまくり

 

これをすると、タイヤをはめるときに苦戦します。が、タオルやレバーでぐいぐいやれば、だいたいはめられます。

 

シーラントを入れる

 

チューブレスレディ、チューブレスイージー、2wayタイプのタイヤはパンク防止剤のシーラントありきのシステムです。

 

また、クリンチャータイヤをチューブレス化するのに使えます。これを入れないと、減圧を防げません。一晩でぺこぺこです。

 

シーラント移し

 

ロードタイヤで30ml、2インチで50mlが推奨です。

 

バルブコアを外せるなら、この作業をビード上げ後に回せます。

 

一気に空気を入れる

 

空気を入れます、一気に。

 

フロアポンプで空気入れ

 

最新のオフロードやオールロードのものはフロアポンプでぜんぜんOKです。とくに気合を入れずとも、ふつうのポンピングでパンパンできます。

 

チューブレスNOコンパチブルのクリンチャータイヤはこんなにやさしくありません。たいてい空気がビードからだだもれになります。チューブレスじゃないからネ!

 

タイヤをむりやり手で引っ張ってビードを部分的に上げる、回しながら空気入れする、壁に掛けてストレスを減らす、ボディソープの原液をかけるetcetcに励みます。

 

ぼくはこの方法で25cロードタイヤ、30cグラベルタイヤ、2.35インチオフロード軽量タイヤをパンパンゆわせたりました。いずれがピュアクリンチャーモデルです。

 

このクリンチャータイヤのビード上げは最高の筋トレになります。上腕二頭筋がぱんぱんです、ははは。

 

秘技・チューブで片方のビードを上げる

 

で、最近、ビード上げの新技を開発しました。上記のポイントを抑えて、なおにビードをあげられなくて、苦し紛れに思い付きで試したら、うまくいきました。

 

さきにてきとうなチューブを入れて、ふつうに空気を入れて、ビードを上げてしまいます。それから、空気を抜いて、片側のビードを落として、チューブを抜きます。

 

ワンサイドビードアップ

 

はい、新技ワンサイドビードアップです。上がったビードはそうそう落ちません。ここからチューブレスバルブを取り付けて、シーラントを入れて、外したビードをつけなおします。

 

片側はすでに完封です。じゃあ、単純計算でビード上げに必要なパワーが半分になります。相対的に空気入れのパワーが二倍になります。アメイジング!

 

コツはチューブを抜くときに片側のビードだけをこっそり外すことです。慎重にちまちま落としましょう。ロードの細いリムではむりでしょうか? オフロード用はこんなふうにばっちりです。

 

この技で頑固なクリンチャータイヤがチューブレスの軍門に屈しました。

 

schwalbe thunder burt 29×2.1

 

こうゆう2インチオーバーをチューブドにしちゃうと、+100gの増量をまぬがれません。超軽量カーボンリムがだいなしです。

 

チューブレス用空気入れを使う

 

チューブレスを常用するなら、チューブレス用のポンプを使いましょう。圧縮タンク付きの安価なものがちらほら出始めました。

 

こんなふうに空気をチャージできます。簡易エアコンプレッサーですね。チューブレスもピュアクリンチャーも一発でパンパーン!です。

 

空気圧縮

 

 

1万以下はお買い得です。うちのポンプもたびたびの酷使でへたれてきました。もともと中古だし、潮時です。