SRAMはアメリカの総合自転車ブランドです。イタリアのカンパニョーロ、サカイのシマノと共に3大変速機メーカーと称されます。
しかし、最近、軽量パーツ屋のFSAが電動変速機に参入するとか、台湾のmicroShiftがこっそりMTB用電動を発表するとか、従来の3大メーカーうんぬんのくくりもやや古臭いレベに入りかけます。
で、SRAMです。あ、読み方は「スラム」です。「エスラム」の読みは半導体メモリの呼称になっちゃいます。
数十年前にはやったファミリーコンピューター、ぞくに「ファミコン」て据え置きゲームのカセットのバックアップメモリーがこのSRAMメモリです。
で、SRAMのエラーの結果がこれです。
このときのBGMが頭の中で勝手に再生される人はどっぷりファミコン世代です、ははは。
第二世代からはや5年目のSRAM RED
もともとSRAMはMTBパーツ系のメーカーでした。グリップシフトで世に出て、1xでシマノの牙城を崩して、オフロード系ブランドの一番手になりました。いまやMTBドライブ=1x=SRAMです。じゃあ、SRAMは1x屋さんです。
メジャーデビューのヒット作のグリップシフトはほぼ役目を終えましたが、フロントシングルの1xはオフロード系、オールロード系に広がり、アーバン系、ロード系にもぐんぐん拡大します。
MTB系のお家芸の1xシステムがロードドライブのFORECやRIVALにぞくぞく登場します。グラベル、アーバン、レース以外のジャンルとの相性がグッドです。スポーツバイクのフロント変速は淘汰されるのは時間の問題です。
最後のとりではレース用の機材バイクの2xと安価なクロスバイクの3×8でしょう。これがなくなると、大供給もとのフロント変速屋さんのシマノが困りますし。
オンロードバイク競技の機材のシェアNo1はシマノです。プロチームの18チーム中の13チームがシマノです。カンパ3、スラム1です。
シマノは2016年に最高モデルのデュラエースをモデルチェンジしました。しかし、変速数は11速から変わらず、色は真っ黒になり、デザインはゴリマッチョ系にな、てゆうマイナーチェンジのレベでした。
同年にライバルのカンパニョーロはAtnenaの後継の新型ロードセットのポテンザを販売して、初のディスクブレーキの開発を発表します。
で、この二社のお株を奪うようにSRAMは無線電動のSRAM RED eTapと12速変速のSRAM Eagleをどーんとデビューさせました。2016年のSRAMはイケイケモードでしたね。
そんな初夏の新作ラッシュシーズンからはや1年が経ちます。新型デュラエースR9100、SRAM eTap、Eagleの価格はちょっとこなれて来ました。
ざっとの価格でR9100の電動フルセットの実売は30万、eTapの電動ユニットは15万、EAgleは10万です。発表当初より2割くらいに割引がかかります。
さて、RED eTapはSRAM初の電動ドライブで業界初の無線変速機ですが、無印のREDグループセットは2代目です。しかも、販売開始は2012年です。
SRAMがロードパーツに参入したのが2006年のことでした。当初のグレードはForceとRIVALだけです。その2年後に最高グレードの初代REDが誕生します。2008年のことです。
シマノのコンポのモデルチェンジは4年サイクルです。旧9000番のデュラエースは2012年の発表です。その4年後の2016年にR9100のデビューです。オリンピックイヤー=新型デュラエースイヤーです。
eTapを新型とするなら、2代目REDから4年目のサイクルと見なせます。が、パーツのデザインはそんなに変わりません。eTapのカタログのカセットとブレーキは機械式REDと共通のものです。
で、そろそろ機械式のSRAM REDがばーんとモデルチェンジせんか? と思いまして、いろいろチェックしますが、2017年3月現在、それらしい情報をキャッチできません。
じゃあ、勝手に新型SRAM REDの詳細を予想しましょう。
新型SRAM REDは12速化!
まずはこれです。SRAM EAGELで12速化をいち早く成し遂げたSRAMが他社に先駆けてロードの12速化を投入しないはずがありません。
革新と先進のSRAMです。シマノのようなどっしり横綱相撲、カンパのようなお澄まし貴族趣味では戦えません。アメリカっぽいダイナミズムでイケイケGOGOしましょう。ここでよそに遅れを取るなら、SRAMはSRAMでなくなります。
てことで、最速12速化は決定です。EAGLEからの落とし込み修正でOK牧場でしょう。
問題はフリーボディとフレームのエンド幅です。EAGLEの12速カセット及びSRAMのMTB上位カセットはXDドライバー用です。
実物はこれです。
従来のSRAM/SHIMANOのフリーと別物です。スプロケットは擬似一体型の1~3ピースのものになります。ギアがぱらぱらばらけません。
このおかげでカセットは軽量になります。REDのカセットもこんな作りです。
そして、XDフリーの先っぽは上記のように一段と小さくなります。じゃあ、11T以下のギアが使用可能になります。市販品の最小は9Tです。e*thirteen TRSがそれです。
SRAMの純正は10Tからです。単純計算で9Tトップは11Tトップより20%ギアマシマシです。フロントのギア数を小さくしても、重めのギア比を確保できます。
じゃあ、ミニベロや折り畳みにもってこいです。が、どマイナーな仕様のせいで市販品の完成車はTERN VARGE X11くらいです。10-42Tの折り畳み11速です。
XDがSRAMの専売特許です。シマノが対応しませんor権利の関係でできませんから、ちまたの普及率が上がりません。『シマノ xd』の検索結果はリールのツインパワーXDになってしまいます、ははは。
ノバテック系のハブのバルクとSRAMのエントリーの10-42Tカセットは中華サイトにあります。ノバテックホイールのミニベロ持ちのクレイジーカスタム派は1万ちょいで10T化できますよ~。カプレオより経済的です。
で、ぼくの経験で135mmのエンドにはXDフリーとXD用の11速化カセットは入りました。12速のスプロケはクリアランス的には行けそう・・・ですが、カセットの厚みやピッチが定かでありません。ベストの変速性能を引き出せないかも。
で、従来の130mmのロードのエンドにこの12速カセットがそのまますっぽんするかはさらに不明です。現行の11速化セットさえが設計的にはよろしくありません。
それは調整のときに知れます。10速より圧倒的にシビアでナイーブです。ほんのちょっとの差異でしゃりしゃりからからの不具合が出ます。
11速チェーンは細くきゃしゃでひょろひょろです。130mmエンドに無理に合わせた11速カセットに無理に合わせたからです。
正味、ぼくは130mmの12速カセットを調整できるように思えません。チェーンもさらに細くなります、5%か10%か。
となると、130mmは終了して、135mmへ・・・でも、グラベルやアドバイクやシクロ車では142mmエンドのスルーアクスルが主流です。
クイックリリースの135mmはものすごーくイマサラです。てか、135mmのリムブレーキは三昔前のMTBの仕様です。
結局、12速、142mmエンド、スルーアクスル、ディスクブレーキは一蓮托生でしょう。コンサバなピュアロードバイク界への投入はいろいろ反発を生みます。
「130mmエンド、キャリパーブレーキ、23cタイヤ、それこそがロードジャスティス!」
て、意見はギョーカイで少なくありません。が、これはせいぜい2000年から2010年頃のトレンドでしょう。昨今のスポーツバイク事情にはちょっとマッチしません。
ハイブリッド系、オールロード系のバイクで先鞭を付けるのが得策です。となると、やっぱし、SRAMの出番になっちゃいます。
デュラエース R9200 12SPD フロントシングルやカンパスーパーレコード12sはなんかネタっぽく聞こえますが、New SRAM RED 1×12は十二分に現実的です。
- 油圧ディスクブレーキ
- 10-40Tの4.0レシオ カセット
- フロントシングルダイレクトマウントクランク
- ナローワイドリング
の実売20万前後で今年中に出ろ~。あと、165mmのREDクランクを出せ~。