スポーツバイクのサドル選びは靴選びなみの底なし沼です。足の形は千差万別ですが、尻の形も十人十色です。じゃあ、もう一人一ケツです。
基本的に東南アジア人のケツはフラットどっしり型です。で、猫背の前屈系です。体系的に欧米系やアフリカ系のメリハリボディにはなりえません。ずんどうフラットです。DNAは罪です~。
で、自転車、ことさらにスポーツバイクは欧米のものです。フレームのジオメトリ、クランク長、ハンドルポジションなどは欧米基準です。向こうのMは日本人平均にはジャストオーバーです。
サドルもこれに同じです。本場のスマートなサドルはアジア人のケツにはなかなかフィットしません。ちょっとのことがストレスフルです。ここが干渉する、ここが圧迫するetcetc
そして、靴みたいに気軽に試着できない。試し座り? 試し乗り? でも、五分や十分でサドルの相性は完全に分かりません。
むしろ、2時間3時間、50km100kmの感触が大事です。足も疲れるなら、ケツも疲れます。坐骨のパワーは無限じゃありません。
無茶な遠出の帰路のケツスタミナはもうゼロです。そのときのざらノイズ、段差がっくんはクリティカルヒットです。こうかはばつぐんだ!
この事情を反映して、一部の店舗で高級サドルのレンタルをします。これは非常に合理的なサービスです。
これは靴の事情にそっくりです。コンバース、ナイキ、ぼくのべた足高甲のあんよにはベリータイトです。
ザ・日本人のためのサドルです。
どっしりママチャリポジション用です。日本人の平均的ケツタイプにジャストフィットします。
でも、こういうコンフォートサドルはスポーツバイクにはNGです。見た目が×、重量が×です。そして、わりにシートは柔らかくない。バネの力の影響が多大です。
対極がこのフルカーボンサドルです。
シートからレールからフルカーボンです。重量は100-150gです。フルカーボンシートポストと組み合わせると、余裕で400gを切ります。
この細い穴あきタイプのフィッティングは悪くありません。腿への干渉や股間の圧迫感はありません。上の大きなサドルは干渉しまくりますが、ははは。
ただし、乗り心地はかっちかちです。まんま板切れ、公園のベンチです。ぼくはジーパンで100kmまでなんとか走れますが、翌日には坐骨の違和感を感じます。ケツパッド前提でしょう。
この軽さは魅力的です。ミニベロの軽量化にはけっこうなもんです。しかし、小径車はノイズを拾い捲りますから、カーボンサドルには向きません。
ジェル入りのサドルカバーは本末転倒です。しんぼうが肝心です。それか、立ち漕ぎメインで行くか。
さいわい、組み立て中の新車のMTBは快適コンフォート号です。軽さへのこだわりはそんなにストイックじゃありません。ケツが持たないよ・・・
で、そこそこの軽さ、そこそこの柔らかさ、まあまあの見た目のサドルを物色しまして、めぼしいのを発見します。
穴あき細タイプです。ゲルシートです。ん、ジェル? ゲル? ようはウレタンサドルです。これもピンきりです。安価なVELOとかは3000円、高級なSelle Italiaとかはうん万円です。
このキャノンデールのクロスバイクのQuickの純正サドルはやたらグニョグニョでしたね。
座り心地はグッドでしたが、重さは400g強でした。ついでに赤の差し色があざとく見えます。そして、おまたの通風性がよろしくない。友だちにあげちゃいました。
男子諸君が穴あきを体験しちゃうと、ノット穴あきに一抹の窮屈さを覚えます。まじめなはなし、股間の開放感は精神的に肉体的に大事ですわ。圧迫面接、圧迫サドルはストレスに他なりません。
ぼくはもう穴あきしか使いません。ゴールデンボールがフリーダムだあ! フリーダム・イズ・ジャスチス! アメイジング! USA!
じゃあ、ニューサドルの重量を測りましょう。
実測235gです。ゲル入りサドルの中では最軽量クラスです。軽さの秘密はレールです。
hollow Tiのマークが見えます。hollow=中空で、Ti=チタンです。つまり、このサドルのレールは中空チタンレールです。
一般的なサドルのレールは鉄、クロモリです。チタンはクロモリの65%ほどの重さです。アルミはより軽量ですが、こういう強ストレスのパーツ部位には向きません。
セライタリアや有名ブランドのサドルは万越えの高級品になりますが、このニューサドルはお中華製の安チタンサドルです。4000円です。
シートの裏処理です。
接着剤固定です。最終処理はまあまあルーズです、ははは。高いやつの処理は職人技です。クラフトマンシップがします。上手下手が出る。サドルの最終仕上げ、シート貼りの工程はいまだに手作業ですからね。
これをTHOMSONのドロッパーシートポストにセットします。
ついにこの高級パーツをセットする日が来ましたねー。購入以来、四ヶ月目の日の目です。何度となくヤフオクの誘惑に駆られたか、ははは。
計りに載せましょう。
750gです。カーボンサドル、カーボンシートポストのざっと2倍です。でも、便利さは3倍、クオリティは4倍、価格は10倍! です。
ポスト径は31.6mmです。フレームのシートチューブ径は34.9mmです。じゃあ、こいつが役立ちます。シートポストシム。
34.9-31.8mmのシムはレアです。0.2mmは遊びでしょうか? 固定に問題はありません。なんなら、アルミシートを巻きましょう。
とにかく31.6mm以上のポストがレアですからねー。対応のドロッパーポストはKindShock LEVくらいです。
サイクルモード大阪2017のKONAブースにあったの試乗車のポストはどうだったかな~。直付けだったか、シムだったか。KS LEVはKS LEVでしたが。
はて、何気に収めた写メでしたが、ケーブルの取り回しの参考になりましたね。
このフレームのドロッパーポストの内装ルートは小技です。ダウンチューブ下からガイドがヘッドチューブまで通ります。
さあ、そろそろ乗れるぜ!