自転車のフレーム形状は多彩です。ママチャリ式のスタッガードや、ロードバイクのダイヤモンド型、クロスバイクのスローピングなどがあります。
さらに3DプリンタやCNC加工の進歩、素材の進化でフレームデザインはより多様化します。メッシュフレーム。
You wouldn’t believe it unless we told you. This bike frame came out of a 3D printer! http://t.co/PCBrjINgiW #awesome pic.twitter.com/ASKLXIp0wx
— Bikmo (@ridebikmo) 2015年4月28日
このデザインは意外と合理的に見えます。ソリッドなやつを肉抜きするより最初からこういうデザインにする方が頑丈でしょう。
が、3Dプリンターで自転車フレームを成型するのはまだまだ高コストです。大物は試作機やオーダー品の域を出ません。オリジナルのマウントを作るとか、アクセサリを作るとか、小物はまあまあありますが。
依然、普及帯の安価な自転車のフレームの素材の主流は金属パイプ、加工は溶接です。アルミ合金と鉄合金が一般的です。
とすると、フレームの形状は上記のスタンダードなものに落ち着きます。正味、金属フレームは完成形末期安定型です。ここから新しいデザインはもう生まれません。
合理性からスポーツバイクはスローピング、一般車やママチャリはスタッガードやU型湾曲フレームです。ホリゾンタルはほぼ廃れましたね。
昔の実用車はこんなふうにホリゾンタルトップチューブです。これの弱点はまたぎにくさです。乗り降りがたいへんです。ビールを山盛り積むと、とくに神経質になります。
でも、フレームの強度はばっちりです。一般車のスタッガード型やU字型フレームは剛性ではずいぶんと劣ります、一箇所に力が掛かりすぎて。
この問題点はうん十年前から指摘されます。でも、コストか作りやすさか慣習か、なにがしかの事情で一般車両はスタッガード式かU字式です。まあ、乗り手の体重を支えるには十分でしょうが。
これらより優れるのが今回の主役、ミキストフレームです。
ダイヤモンド+支柱ステー=ミキスト
ミキスト型フレーム、ミキスト、アルファベットのつづりはMixteで、フランス語の『混合』とか『ユニセックス』を表します。Chaussure mixteはまんまユニセックスシューズです。
で、自転車のミキストはフレームのデザインです。
基本はダイヤモンド型(トライアングル)です。トップチューブがリアエンドのホイール軸にまっすぐに伸びます。一目でソリッドな丈夫さがひしひし分かります。
一般車のスタッガード型フレームはここからトップチューブのうしろ半分を取っ払った形になります。トップチューブの終点はシートチューブです。強度ダウンは明らかです。
フレームをまたぎやすくするためにトップチューブはスポーツバイクより低めです。じゃあ、シートチューブの上側が長くなります。これを支柱で押さえて、左右のぶれを防ぎ、安定度を高めます。
つまり、ダイヤモンド+シートチューブの支柱=ミキストフレームです。直感的に優秀さは伝わります。しかし、なぜかスタッガード式よりマイナーです。
構造です。
Super rare #RALEIGH ladies mixte bike with large 57.5cm frame on the website now https://t.co/vdeu8BEgj3 pic.twitter.com/lpRoiaGJes
— Vintage Haus (@VintageHaus) 2016年10月21日
たしかにスタッガードよりチューブの構造は複雑です。トップチューブの回り込みのところがキモですわ。
レトロおしゃれ
おそらくコストの関係でチャリ歴史の日向にはなかなか現れないミキストフレームですが、設計のたしかさと見た目のおしゃれさは捨てがたいものです。
スタッガード式は普及しすぎ、湾曲系はなんかぬぼーとしますが、ミキストはしゅっとした美人です。レトロモダン系のビジュアルは目を惹きますし、チャリ好きの心をおっと唸らせます。
とにかく、街乗りやちょい乗りで乗り降りしにくい自転車はぜんぜん使いものになりません。ジーパン乗り、スカート乗りと好相性です。
クロスバイクのスローピングフレームはロードバイクより乗りやすいですが、脚の上げ下げはそんなに楽ちんじゃありません。サドルも高めです。ぼくみたいにドロッパーポストで解決する人もまれでしょう、ははは。
これのサイズはXSですが、ほんの街乗り女子にはまだきついでしょうね。といって、ママチャリはいやだし・・・て、人のオアシスがミキストです、きっと。
人気のミキストミニベロ
ミキストのフェミニンなビジュアルは小径車によくマッチします。いくつかのモデルが根強い人気を持ちます。ざらっとピックアックしましょう。
みんな大好きビアンキのミニベロLADYです。
おそらく人気ナンバーワンのミキストミニベロです。サドルがこじゃれてますが、このタイプはごっそり雨を吸って、二日くらい乾きません。すなおに一面張りのものに変えるが吉です。
つぎはCRCのドロハンミキストです。
これは超乗りやすそうなロードバイクです~。クラシカルなミキストです。あいにくの在庫切れ。
うーん、やっぱし、純粋なミキストはなかなか見当たりませんね~。見つけたら、また追加します。