Stan’s NoTubesのリムテープでカーボンホイールをチューブレス化

先日、中華カーボンホイール2号機が大陸から届きました。BOOSTハブのチューブレスのHOOKレスの超軽量XC=クロカンモデルです。この仕様で実測重量ペア1340gは反則技です。

E*thirteenの9-44T超ワイドスプロケットとSNAILのフロート式ディスクブレーキローターをセットしました。

前後ホイールセット完成
前後ホイールセット完成

この2号機のリムはホールレスの1号機とちがって、ホールありの通常バージョンです。

チューブレス化のためにチューブレスリムテープを調達しましょう。定番中の定番のStan’s NoTubesのイエローテープをCRCに発注しました。

Stan’s NoTubes リムテープ
Stan’s NoTubes リムテープ

実物はペナペナの安っぽいテープに見えますが、お値段は1700-2000円の超高級テープです。200円/1mだあ?!

チューブレステープの取り付け方

このリムテープのお達しに『低圧のオフロードタイヤには一巻き、高圧のロードタイヤには二巻きしろ』てものがあります。

700c=29erのETRTOは622です。リムの外周は622×3.14=1953mmで、2m弱になります。じゃあ、この10ヤードのテープでMTB4本=2セット、ロード2本=1セットしか仕上げられません。

大失敗したミニベロチューブレス化

中華カーボンホイールの初号機はらくちんなテープレスリムです。テープやシールをまっすぐに貼れない症候群のぼくには女神のようなリムです。

ニップル穴なしでテープレスリム
ニップル穴なしでテープレスリム

しかし、カーボンホイール2号機のオプションにこのつるペタリムはがなかった・・・しぶしぶホールありでオーダーしました。

リムをクリーニング

チューブレス化には下ごしらえがかんじんです。ざつにやる、手を抜く、無根拠な自信にみちあふれる、いずれがNGです。あとで泣きます。

最初にリムをきれいにクリーニングしましょう。シール類をはがして、ぼろぬので乾拭きします。

リムを拭く
リムを拭く

紙屑、ほこり、カーボンのカス、税関役人の手の脂みたいなヨゴレがリムにはぺたぺた付着します。これをきれいに拭きとりましょう。

で、テープをすこし切り取って、張り付けぐあいをたしかめます。チューブレス用のリムテープの粘着力は強くありません。実際、べろっとひっぱれば、ぺりぺり剥がせます。ノリのあとは残らない。

これがひっつかない=クリーニング不足です。

番外・お湯とせっけんで洗う

「乾拭きしました。ピカピカです。でも、テープがくっつきません!!」

これはままあります。油分、粒子、界面活性剤、いろんなしつこい残り香がぺなぺなのリムテープの前に立ちはだかります。

リムテープの単純な接着力はセロテープにすら負けます。ガムテープみたいな万能無敵感はありません。

せっけんかボディソープでリムを洗って、ぬるま湯でさっと流して、水気を拭いて、しっかり乾かせば、余分なけがれをみそぎできます。

それから、密封の本番の前に異物チェックをしましょう。ちっこい砂粒やバリのかけらがあると、未来永劫にリムの中でカラカラカラカラします。

テープを貼る、ていねいに

テープを貼りましょう。一般的にはバルブホール付近から貼り始めます。ガムテープみたいにびゃーと貼るのは厳禁です。貼り代のあそびを10cm前後に保ちます。

小刻みに貼る
小刻みに貼る

で、空気を抜くようにていねいにちまちま貼り付けます。ぼくは親指で指圧するようにちまちま貼り付けます。一気にやると、エア、ズレ、ヨレにやられます。

以下は仕上げのバルブ穴開けの写真ですが、テープの貼り付けがあきらかにざつです。下側にヨレが見えます。ダメな例です。

バルブ穴をあける
バルブ穴をあける

きっちり貼ろうとすると、10-15分ほどの手間を取られます。まあまあの手作業です。ガムテープやセロテープの感覚を捨てましょう。

ぼくは前輪を二巻き、後輪を二巻きにしてみました。減圧とかのちのちの耐久とかを見るためです。ちなみに重さは一巻き5g、二巻き10gです。

バルブホールの穴あけ方法ははさみ、カッター、千枚どおし、熱々ドライバーで焼き切りなんかです。

チューブレスバルブ取り付け

バルブを取り付けます。メーカー不明の中古品です。初代中華カーボンホイールのおさがりです。

ノーブランドチューブレスバルブ
ノーブランドチューブレスバルブ

はて、バルブの根元のゴムパッキンにグリスを塗るか塗らないか? 初代のテープレスでは塗りませんが、この機に塗りましょう。バルブ付近のテープコンディションはえてしてルーズになります。

で、バルブのゴム台座をしっかり押して、ゴムリングを挟んで、根元のキャップをしっかり締めます。キャップのゆるみは初歩的ミスです。ゴムリング入れ忘れも。

シーラント入れの前にビード上げテスト

この新ホイールはオフロードのXC用です。低圧2.0インチ前後のMTBタイヤが本来の相棒です。リム幅は内外22-27mmです。

しかし、ぼくはこれを逸脱して、30c前後のオールロードやオンロードタイヤを使おうともくろみます。

用途外のクリンチャーのビードは上がるか?

たまたま梅田のウエムラサイクルに寄ったら、ワゴンの上にこんなものを発見しました。

Challange almanzo
Challange almanzo

世界的に希少なハンドメイドタイヤメーカーのChallangeのグラベルタイヤです。ここのチューブラーはシクロッサーにはおなじみです。

で、このALMANZOはオープンチューブラーてチューブラーの製法をベースにしたクリンチャータイヤです。ハンドメイドです。

これを初代ホイールにはめましたが、ビード上げに失敗しました。

ビードが上がらない
ビードが上がらない

このリムは28-35mmのワイドリムです。29erプラスの3インチセミファット用です。タイヤ幅がぜんぜん足りません。アウチ。

700x40cのグラベルキングSKはかるがる入ります。この半年のメインタイヤです。極太のセミ・ツライチです。真ツライチの38cが下限でしょう。

で、この経験から二号機のXCリムと用途外タイヤの組み合わせが不安です。シーラント投入の前にビード上げテストです。

はい、せっけん水なしでかんたんに上がりました。

Challange ALMANZO 700x30c
Challange ALMANZO 700x30c

しめしめです。28cのCorsa G+やSchwalbe Pro Oneが視野に入ります。

シーラントもSTANS NOTUBE

じゃあ、シーラントで減圧対策をします。やっぱり、おすすめは定番のSTANS NOTUBEのシーラントです。クリンチャーのチューブレス化からチューブラーのパンク防止まで幅広く使えます。

シーラント
シーラント

で、こいつをピュアクリンチャータイヤに入れて、エアをシュコシュコ上げましょう。とたんにタイヤのサイドのケーシングの隙間やビードのはしから泡ぶくがシュワシュワ出ます。

じわじわシーラント
じわじわシーラント

が、これは次第に収まります。シーラントさまさまです。リムテープのたよりなさと対照的な無敵ぷりです。

はがさない、シーラントカス

これは別のクリンチャータイヤです。チューブレスイージーじゃありません。でも、こんなふうにシーラントがケーシングのすきまをびっちり補完します。

よくなじんだシーラント
よくなじんだシーラント

ところで、シーラントの重さの大半は水分です。タイヤの裏やビードのふちに貼りついたシーラントをきれいに剥がすのは逆効果です。ぼくはでっかいノイズをさっと取って、そのまま使います。

シーラントで防げない空気もれはだいたいテープかバルブの不具合です。キャップ締め直し、グリス塗り、こまかいところを試しましょう。

そして、シーラント投入後のテープ剥がし&巻き直しはどえらい難業になります。400円/2mのテープが一発で台無しになりえます。

くれぐれチューブレスのリムテープ巻きには手間を惜しまずにていねいにやりましょう、親指で指圧するようにね!