先日、MTBのフレームにあたらしいサスペンションフォークをセットしました。ROCKSHOXのYARIです。
![ROCKSHOX YARI BOOST](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2018/11/ROCKSHOX-YARI-BOOST.jpg)
で、コラムの余分がずいぶんあって、トップ部分がでっぱります。ぞくに『でべそ』です。
![スペーサーがない!](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2018/11/6da789f40184641f235f343b84904dd2.jpg)
スペーサがない!
パーツの墓場から出てきたのはステムの下の10mmと5mmのスペーサーだけでした。それから、昔々の塩ビパイプのやっつけスペーサーです。
コラムのトップがスペーサー+ステムよりでっぱると、スターファングルナットやプレッシャーアンカーが引きあがりません。結果、フォークにがたが出る。
素材はあった!
で、こんなスモールパーツのためにおかいものに出かけるのはめんどうです。代用品を探しに探して、タンスのおくからこいつを見つけます。
![15cmのカーボンスペーサー](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2017/04/carbon-spacer-15cm.jpg)
右側のカーボン製のぶつです。これは15cmのロングスペーサーです。このサイズはあきらかにイレギュラーです。中華セミオーダー品です。
こっちはさらにながい20cmのロングスペーサーです。ミニベロや折り畳みのカスタム用です。
![カーボンロングコラムスペーサー](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2016/02/spacer-set-minivelo.jpg)
通常のスペーサーは3-20mmです。これらを組み合わせて、スペースを埋めます。20mm以上は貴重品です。
このほか、外径31mm、あつみ1mmのアルミパイプが自作スペーサーのよい素材になります。
外31mm、あつみ1mmのパイプの内径は29mmになります。スポーツバイクのフォークコラムはオーバーサイズ、28.6mmです。片側0.2mm、最大0.4mmは許容範囲です。
![自作スペーサー](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2016/10/188d51e318f64060c8caeb605aa20b91.jpg)
ミニベロはすでに手元にありません。このかたわれをいけにえにして、MTBのためのふつスペーサーを作成しましょう。
新車のコラムの余分はざっと4cmです。3cmでやってみましょう。
![3cmくらいにする](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2018/11/4e75addcb35b36b3e7503f9e4bfe8a71.jpg)
カーボンにパイプカッターは禁物
ところで、自転車は筒、チューブ、パイプの集合体です。フレーム、ホイール、ハンドルバー、フォークなどなどがパイプでチューブで筒です。
レイノルズ、イーストン、コロンバス、アラヤとかの金属加工屋さんは自転車産業の縁の下の力持ちです。
で、パイプカッターはあっちこっちのカットに活躍します。
![ダイソー新大阪2階工具コーナーのパイプカッター](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2016/03/DCIM0323.jpg)
しかし、これでカーボンパーツを切ると、表層をぱりぱりに剥離させてしまいます。
![パイプカッターをひと回し後](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2017/02/16a8fc6599dec6e97be72ddbdf391053.jpg)
![カーボンハンドルバーのささくれ片](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2017/02/eedf565b381356e62e9fa0419241a935.jpg)
こんなふうに内側のカーボンシートの層がカッターの圧に負けて、土台からはがれます。ぼくのDIYでは剥離率は100%です、アウチ。
工具はのこぎりと雑誌
で、カーボンパーツにはふつうののこぎりを使います。ベテランの自転車いじらーはフォークコラムのカットにはステムバーガーを使います。
![のこぎりでコラムカット](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2017/05/61968a7ab78f2b4ac116d2fd0350fa73.jpg)
簡易ソーガイドです。ステムのあたりめんはきれいな平面です。ガイドにはもってこいです。
![カット完了](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2017/05/3acb0a29a86550d48a15fa51a3bd6c10.jpg)
しかし、スペーサーはフォークコラムより大です。ステムのマウント部分はスペーサには入りません。あたりまえです。
で、ステムバーガーの代用策を考えます。スペーサーを雑誌でガチガチにくるんで、テープを巻きました。
![雑誌を巻いてソーガイドに](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2018/11/45c6e3829a0b837e4272ae53a3de47d5.jpg)
で、ふつうに片足をかけて、ぎっこぎこにノコります。工具は超高級ハイエンド万能のこぎり、かつて塔の上の神を切ったと伝わる神錆びたるソーです。
![カーボンパーツを切る](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2018/11/0cdc9d9c4c94e0e549f0c87ffc6a1df0.jpg)
このカーボンパーツの鋸引きを体験すると、この素材のかたさをもろに体感できます。だれだ、カーボンがきゃしゃだとかゆうやつは?
![5分のカット](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2018/11/232f7fe7aec6a9205648ab467fd1da0d.jpg)
5分のぎこぎこで数mmの筋が入りました。カーボンはかっちかちです。
15分後です。
![15分後](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2018/11/1ef6109a0fdd426f5e1c0ff8c69cc529.jpg)
やばい粉がもりもり出ます。常識人は風呂場か玄関か外でやりましょう。なんでおれは居間でやってしまったか・・・
20分後です。
![カット完了](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2018/11/3acb0a29a86550d48a15fa51a3bd6c10.jpg)
カットが完了しました。手のこはいい運動です。息が上がります。
ふつうののこぎりではスペーサーもフォークコラムもシートポストもだいたい20分です。
さあ、気がかりな断面はどんなもんでしょうか? 既製品みたいなドフラットでしょうか~? カットマンの腕前や性格がここに出ますぜ~。
![段差的なもの](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2018/11/c7f6ccef22c27c9d95f2bf5f1c61057d.jpg)
ふーむ、カメラが気を利かしたか、奇跡的にピントが合いません。ギャップ的なものは幻影でしょうか? 1ドットの段差でやられるスペランカーの主人公は困惑しましょう。
いや、やっぱ、段差は気のせいじゃありませんか? みまちがいではないか? コラムにセットしましょう。
プレーンな側はごらんのとおりにぴったりです。
![プレーンな方はぴったり](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2018/11/928fbc83a6aa0087ff1cfd0047f4de7c.jpg)
DIYな側はこんなふうにセミぴったりです。
![カット断面はセミぴったり](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2018/11/0f700e25f111489493ddb12652410311.jpg)
すきま? いやいやいやいや、そうゆうデザインです! そう、手作りの味、ハンドメイドのだいごみです! 風情があるなー。
ステムをかぶせて、スペーサをのっけます。
![スペーサーサンドイッチ](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2018/11/f0d86633908f8c3b1c0824e49db5b791.jpg)
で、キャプを締めて、ステムを締める。
![ゆるがたなし](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2018/11/2321cba2dae47e3e545973d6d6b11c0c.jpg)
がたやあそびはありません。助かった! いや、意図通り!
なによりこのあやしいコラム継ぎ足しの状態が解決されました。
![アンカーで共締め](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2018/11/ce3e175a6419444ee5c45ef594d56d50.jpg)
おかげでなぞのハンドルのもっさり感がなくなりました。ステムのかかりのあささが原因ですね。
カーボンカットを楽にするなら、パークツールのカーボン替え刃を買いましょう。ふつうの刃では一日一本が限界です。腕がぱっつぱつだあ!