自転車乗りはかわりものです。道楽に身を委ねれば、世間の常識からじわじわかけはなれます。それが通人てものです。
で、自転車乗りはさらにこまかく枝分かれします。トラック、パーク、ストリート、オンロード、オフロード、ホビー、レーサー、実走派、カスタム派などなど…
競輪とロードバイクはよくごっちゃにされますが、両方の当事者がこの混同を嫌います。
てか、競技特性と体格がぜんぜん別物です。競輪選手=パワー型ゴリマッチョ、ロードレーサー=持久型ガリガリくんです。国内ではこのギャップがけんちょです。
自分で機材をいじりたがる人がいれば、ぜんぜんいじりたがらない人がいます。女子は絶対的に機械音痴です。メカをほぼいじりません。
また、パーツやグッズの収集、コレクションもメジャーです。シクロジャンブルみたいな自転車フリマに行くと、いろんなレアもの、ヴィンテージものをおがめます。
ほほう、このママチャリの価値がわかる? くろうとですね。
ロード乗りあるある細かいver
2010年代の日本のスポーツバイクはロードバイクスの時代です。スポーツバイクの本流のロードレーサーが長い暗黒時代を経て、21世紀初頭にはなひらきました。
世界の潮流は電動ハイテクEbikeに、国内のトレンドはエアロやディスクロードに移行しまして、スタンダードなレーサーの肩身はいよいよ狭くなります。
しかし、この10年弱の国内の主役はまちがいなくスタンダードなロードレーサーで、これが一大勢力をきずきます。
で、母数がそこそこありますと、ばくぜんとした最大公約数的な共通点が浮かび上がります。日本のロード乗りってこんな人だよ! てエッセンスがばくぜんと。
以下でこまかいところを突いていきましょう。
猫好き
ロードバイク系のSNSやブログやストアのNEWSを見回しますと、なぜか猫関連のトピックスをおおく見かけません。
かめちゃりのマスコットは猫
ウエイブワンのマスコットは猫、「ワン」のくせに
キャットアイのロゴは猫
台湾にはNECOてパーツ屋がある
「犬 ロードバイク」の検索結果は13300000件、「猫 ロードバイク」の検索結果は16300000件
全体的に猫 >>> 犬です。これは気のせいでしょうか? 不気味な黒い力の片鱗がそこはかとなくただよいます。
それっぽく考察しましょう。
自転車活用エリアは都市圏です。住宅事情はかんばしくありません。賃貸、マンション、車なし派が多数です。
で、この住宅事情には犬より猫がぴったし来ます。そうだにゃー。
花粉症もち
過去の国策の失敗で里山=杉山です。杉、まじ、おおすぎ。
杉は最強クラスの植物モンスターです。杉林にはそのほかの草木が生えません。ゆえに別名が『緑の砂漠』です。
上までいかないと、雑木林に出会えない。
で、春先にはこの杉山からふもとの町へ爆発的な花粉の嵐がぶわーって流れ込みます。現実問題、公害レベルだ。
さいわいぼくはぜんぜん平気です。2-4月のハイシーズンに森に入っても、グスグスクシュクシュしません。マイナスイオンサイコー! です。
で、またまた春先にSNSやブログやNEWSを見渡すと、花粉症に苦しむサイクリストを五万と発見できます。で、マスクネタが人気をあつめます。
部外者はそんなにむりして走んなきゃええやんと思いますが、春先を逃すと、じきに梅雨入り→夏のコンボを食らいます。
実質のベストシーズンは秋だけだあ? その秋も異常気象であれまくります。地球温暖化の闇は大です。
2018年、兵庫、大阪、京都では天災があいつぎました。山の杉が壊滅的な被害を受けます。
杉の本数が減って花粉が減るか、はたまた、のこりの杉が本気を出して花粉が爆発するか・・・来春がたのしみですね!
痩身至上主義
国内のロードレースやイベントはヒルクライムとクリテリウムです。真にオールラウンドなグランツール系のもよおしはレアです。
で、人体と車体のいずれがコモディティ化して、一定の傾向に近づきます。異常な痩せ型です。
ロードのサイクルウェアはぴちぴちタイトです。体格がはっきり分かれます。大半が胸板ぺらぺら、足腕がりがり、ボクサーかマラソンランナーのようなやせぎすです。
国内の業界の暗黙のルールで平均体重172cm、体重60kgオーバーはデブです。50kg台がジャスティスです。
たしかに体重減、痩身はヒルクライムには効果的です。筋力アップより減量のがらくちんです。食べなきゃ痩せますし、タバコを吸えば痩せますし。
ぼくのお父さんは170cmで47kgしかありません。ひとえに日に40本のスモーキングのたまものです。理想のクライマーが身近にいたよ!
むりな痩身は身体には毒です。おまけに海外のトップ選手はそんなにがりがりではありません。白人は筋肉質です。
新城幸也 170cm 65kg
別府史之 180cm 69kg
计成 179cm 67kg
カレブ・ユアン 165㎝ 61kg
数字はウィキペディ情報ですが、アジア系トップレーサーはふつうorちょい痩せ型です。国内基準では『でぶ』ぞろいです。
常識的に体重が減ると、スタミナとパワーと身体強度が減ります。寒い冬が余計に寒くなる。免疫力が下がって、怪我が増えて、体力が落ちる。
自転車乗りはたびたび「剛性がー、剛性がー」てのたまいますが、減量は肉体の剛性の低下にほかなりません。
風邪の引きやすさ、花粉症のおおさの一因はこれでしょう。圧倒的剛性不足。シンプルにフィジカルが足りない。
そもそも趣味レベルのスポーツでは日常生活に支障をきたす体質改善や無理な痩身は百害あって一利なしです。
太ること、食べることに異常な罪悪感や強迫観念を感じる時点で精神状態が健全ではありません。一種の職業病です。
それでも、痩せよう痩せよう細く見せよう細く見せようとするのは胴長寸胴短足アジア人の潜在的なコンプレックスです。
気持ちは分かるが、股下は伸びない! ストレッチで股関節の可動域を伸ばすとか、猫背を治す方がぜんぜん効果的です。
ドM
ロードバイクは長距離耐久競技です。チャリンコのマラソンです。自己鍛錬型のマゾいスポーツです。
対人的なうごき、アクション、得点、メリハリ、そんなものはありません。ソロの練習は心拍や出力とのにらめっこです。
セルフマネジメントできて、かつかつに自分をいたぶれないと、競技者レベルには達せません。
「体に毒? 不健全だあ?! 上等です!! ゲロを吐くまで追い込みます!! ゲロゲロ!!! うほッ、軽量化できましたよ?!」
ドMです。でなければ、ピチピチウェアで街中をすいすい闊歩できません。それは羞恥プレイの一環です。
ロード乗れなくてすいません的なやつ
趣味は自由です。乗ろうが乗るまいが、追い込もうが追い込むまいが、さぼろうがさぼるまいが、先生やおかあさんから怒られません。
むしろ、大多数の嫁さんや彼女はだんなや彼氏のロード離れを歓迎します。金と時間がこっちに来ますから。
が、なぜかロード乗りはしばらくロードに乗らないことに罪悪を覚えて、みょうなことわりや言い訳をブログやSNSにつづります。
「最近乗れてません・・・」
「みなさんのレポを草葉の陰から楽しくうかがっております・・・」
「この数か月で太ってしまいました・・・」
これはよその熱心なロード乗りへの敬意と高い機材への申し訳なさの裏返しでありましょう。
でも、個人的にこの公開ざんげ的な、作業ミスの業務報告みたいなしめっぽい文はすきではありません。
モチベには波があります。めんどくささがおもしろさを上回る。時間はあれども、やる気が出ない。シンプルに飽きた。
それでけっこうです。すぱっとやめるのも自由、未練たらしくだらだら続けるのも自由です。だって、人間だもの。しろうとだもの。
ジョジョ好き
ロード乗りはジョジョ好きです。ジョジョ嫌い? あー、典型的なにわかアンチですね。ジョジョ嫌いなどはこの世に存在しません。
え、ジョジョを知らない?! 人間賛歌です。ウルトラジャンプにて第八部『ジョジョリオン』が連載中です。
そして、荒木飛呂彦原画展が2018年11月25日から2019年1月14日まで大阪天保山で開催中です。チケットは1600円です。土日は予約制。
サイクリングのピチピチウェアがジョジョの登場人物の独特なコスにどことなく通じます。4部以降のタッチではけんちょです。
「スタンド」と聞けば、サイドスタンドやキックスタンドを思い浮かべず、「幽波紋」をそくざにイメージします。ロードと聞けば、ロードローラーだッ!
つーか、スタンドは近距離パワー型の人型スタンドでしょうよ! 第三部のザ・ワールドこそは至高のスタンドです。異議なし! 七部のTHE WORLDはほそすぎる。