2017年5月の上旬にめでたく完成して、同月下旬にビワイチ+自走+迷い道の330kmの大役を果たした愛機です。
こいつはこのブログのバラ完第1号です。しかも、BOOSTのフルカーボンのセミファットの前後異径というキワモノMTBです。
そんなわけで多少の不安はありますが、特別な機材トラブルは起きません。ラッキー! チューブレスタイヤはほんとにぜんぜんパンクしません。
未調整部分を再チェック
で、このビワイチツーリングを見越して、ある部分の調整を先延ばしにします。実際の機能に影響しませんが、見た目にすごく影響します。
はい、ブレーキホースです。
このブレーキはHOPE Tech3 E4です。ENDURO/AM用の油圧ディスクブレーキです。ホースはゴムゴムでなくて、ワイヤーメッシュの編み編みです。
上の写真のようにホースが異常に余ります。右レバー=リア側のぐるぐるがひとしおです。
フロント側の長さはそんなですけど、オリーブ(ストッパーみたいなやつ)を外せないので、ホースをフォークの内装ガイドに通せません。
ビワイチ前に調整しようかなーと悩みましたが、未知の作業領域に及び腰になりました、まだ三週間しか使わんのに。
完璧に調整されたメーカー出荷品をテキトーにいじるのは気詰まりです。失敗するとサイクリングに行けませんし。ブレーキ系統のミスは命取りです。
おまけにHOPEの日本語のメンテ記録は無です。マニュアルも動画も英語オンリーです。手が伸びない。
HOPEのブレーキオイルはDOT
さらにさらにHOPEの油圧ディスクのブレーキオイルはミネラルオイルでなくて、ふつオイル、DOTです。オートバイや自動車と同じやつです。
このDOTは塗装を溶かします。自転車屋はDOT系の油圧ディスクブレーキの交換や調整を嫌がります。
てことで、当面の目的を果たしやので、MTBの油圧ディスクブレーキのホースカットに挑戦します。
油圧ディスクブレーキのホースをレバーから外す
YouTubeでHOPEの公式メンテ動画を見て、ホースカット部分の工程だけを切り出して、ツール類を準備しました。
モンキーレンチ、ケーブルカッター、下の金具はブレーキの付属の交換用のコネクターインサートとオリーブとリングです。
レンチでホース側のコネクトボルトを緩めます。8mmです。
ここのトルクはそんなに固くありません。最初はレンチ、あとは指です。くるくるっと回して、ぱかっと外します。
それから、ホースをしゅぽっと引き抜きます。ここの固さはメーカーやモデルに寄ります。HOPEのこれはゆるゆるでした。
左からコネクターボルト(銀)、オリーブ(金)、コネクターインサート(金)、Oリング(銅)です。
Oリングはよく行方不明になります。速攻で回収しましょう。あと、取り付けのときに忘れない。
さて、このホースのなかにはブレーキオイルが充満します。でも、オイルは垂れてきません。まかふしぎ。どうゆう理屈だア?
はい、これは空気圧と表面張力のたまものです。ただし、キャリパー側が解放されると、空気圧が同じになって、オイルは重力方向に流れ出ます。
このオリーブとインサートは基本的に使い捨てです。
一発勝負のホースカット
作業の山場がもう来ました。ホースカットです。ケーブルカッターでばっつんします。
が、このホースの二層目は金属メッシュです。これがささくれないかなー?
お、うまく切れた?! と、にわかにホースの端切れからオイルがどばーと出ます。左右のエンド部の空気圧が同じになったからです。
ガワをむきむきします。
うーん、細いワイヤーがわしゃわしゃします。切れ端で何回かカット練習しますが、ささくれを回避できません。
これは電動式の油圧カッター的なやつが必要でしょうか? うーん、困ったな~。
案の定、ささくれのせいでオリーブがつっかえます。ホースのガワのところまで行きません。
オリーブとインサートをむりやりセット
ならば、もう最後の手段を使わざるを得ません。そう、おなじみのごり押しゴリラくんです。ウホウホ!
頭を野生の本能に任せて、オリーブをマイナスドライバーでごりごり押し広げます。そして、むりやりイン! ついでにインサートもケーブルカッターのかしめ機能でイン!
ウホウホウホ! 行けたやんけ! どんなもんじゃい!
ここでコネクターボルトの入れ忘れに気付きます。はぴー! 二度目の正直でセットできました。
はやばやオリーブがずたぼろだあ! 気にしない!
リングを入れて、レバーに取り付けます。
長さはばっちりです。ちなみに左レバー=フロントブレーキです。ホンカクハです。
で、気がかりなブレーキの手応えは・・・問題なしです。あっはっは、ちょろいもんだよ!
実際、この作業で本ホースのオイル漏れはぜんぜんありません。カットしたホースはオイルを撒き散らしますけど。DOTの放置は厳禁ですぜー。さっさとふき取りましょう。
で、完全なゴリラパワーの奥義を極めて、リア側を一気にやります。
ボルトをレンチで外して、ホースを引っこ抜いて、ケーブルカッターでばっつんします。ガワをむく前にカシメポイントで形を整えてみよう。
このかしめ機能はペンチ代わりに大活躍します。インサートの圧入も朝飯前ですわ。
やはり、ごり押しでウホウホします。もう手間取りませんし、よゆうで仕上げられました。
before afterしましょう。
散髪後のお兄ちゃんみたいにすっきりソーカイです。最後にドロッパーシートポストのリモートレバーを左側に引越ししました。
てなわけで、オイル交換なし、エア抜きなし油圧ディスクブレーキブレーキホースの長さの調整に成功しました。ぱちぱちぱち。
ぼくのメッシュホースはかなりの強敵でしたが、ゴムホースのカットとオリーブ取り付けはもっとイージーです。他社のホースも同じ要領で調整できます、多分。
まあ、オイルとトルクスドライバーの値段はたかだかですけどね。+1500円でブレーキオイル交換とエア抜きまでできます。むずかしい作業じゃありません。
海外通販の充実で油圧ディスクブレーキ用のカッターもかなり安くなりました。このZTTOのやつはシマノ純正の半額以下です。
後日のDOTオイル交換はすこしたいへんでした。