自転車はアウトドアです。オフロードを走れば砂や土にまみれますし、オンロードを走ってもダストにまとわりつかれます。
とくに雨は宿敵です。フェンダーなしのロードバイクやMTBがレイニーな路面を走ると、問答無用で背水の陣を敷かされます。ケツも背中もびっちゃびちゃだ。
おりよく朝からのめぐみの雨でどろどろの車体x1をこさえられました。

これはワイプオールやぼろ布の手に余ります。また、ドライコンディションでしか乗らずとも、定期的にクリーニングをすれば、不具合のきざしに気づけます。
この自転車を玄関先で水洗いしましょう。
自転車水洗いクリーニング
簡易な清掃はドライクリーニングです。紙や布でごしごしする。ベランダや室内でできます。几帳面な人は一回一回のライドのあとでふきふきします。
で、ガラスコートやワックスをかけて、ピカピカのてかてかにします。
しかし、しつこいダスト汚れやどろ汚れはドライクリーニングでは落ちません。水洗いが正解です。
ただし、屋外で自由に水をぶちまけられる人は限られます。マンション、アパート、団地住みはむりでしょう。風呂場はちょっと手狭ですし。
公園にバケツとブラシを持っていってごしごしする、コインセルフ洗車場を利用する、みたいな裏技を使いましょう。
洗車場にはシャワー、タオル、ブラシ、洗剤とかがあります。自転車を洗ってもとくに文句をゆわれません。盲点的穴場です。
玄関先に多目的シャワーがあるところはラッキーです。でも、自動車やオートバイの感覚でばしゃーとやっちゃうのはNGです。

ベアリングに水気はだめ!
自転車の回転駆動系、可動系部分にはベアリングが内蔵されます。主にカセット式のシールドベアリングです。

はたまた、鋼球むき出しのカップアンドコーン式ベアリングです。シマノ系のホイールや安いルック車の鉄下駄はこの方式です。

このベアリングは99%でスチール製です。つまり、鉄だ。コーティングはありません。無地のむき出しの鉄です。すぐに錆びます。
しかし、ベアリングは回り続けて削れます。ボールのさびはどっかへ行きます。で、それがあっちやこっちに詰まります。
ヘッドパーツ、BB、ハブ
自転車の具体的なベアリングの箇所は3つです。ヘッドパーツ、BB、ホイールハブです。ピンク丸印の部分がそうです。

緑の丸印にはちいさなベアリングがあります。プーリーとペダルの軸です。やすいプーリーはただの樹脂の歯車ですけど。
フレームの心臓部のBBには強烈な負荷がかかります。ここへの水気はキシミ、ガタ、異音の遠因です。修復がやっかいだ。
ヘッドパーツも重要な部分です。ここの不具合はハンドリングに直結する。
自転車の構造的に雨がステムやコラムを伝って、ここに溜まります。あと、ライドや練習の汗の塩害がばかになりません。
仮にここらへ水をぶっかけるなら、あとでしっかり水を拭き取りましょう。ひとおもいにクランクをばらしてしまう。

じゃあ、新たな汚れが出てきました。砂利とグリスの混合物です。

このSRAMのGX Eagle dubクランクにはベアリングがありません。ブラッシングします。

例外はカンパニョーロ社のクランクです。ベアリングカートリッジはBBの付属物じゃありません。クランクの付属物です。カンパクランクの水洗いはNGです。
BBのカップの内側のようすです。シャワー後、乾拭き前です。シールかグリスのおかげで水滴は少々です。ほかはこまかいちりと木くずみたいですね。
ホイール水洗い
タイヤとリムは路面とじかに接します。よごれがじんだいです。しかし、タイヤやリムにはグリスやケミカルがありません。よごれはサラ系パウダーシュガーです。

リムブレーキ用ホイールではここのよごれは制動力に影響します。てばやくピカピカにしましょう。
シャワーをかけながらブラシでごしごしします。

ただし、水がスポークを伝ってニップルのなかに入ると、遠い未来の劣化や破断をひきおこしかねません。
ニップルの穴のほうからシャワーをかけないようにしましょう。ホイールの縦置きもびみょうです。水がしたたって、ニップルに入るから。上みたいな横置き洗いがおすすめです。
あと、チューブレステープやチューブラーのセメントの粘着力も少し落ちます。
ホイールの回転軸のハブに水はNGです。

ハブのところはそんなに汚れません。多少のよごれより水気のほうが毒です。
タイヤの汚れは落ちない
金属やカーボンの表面の泥汚れはそんなにしつこいものではありません。さっと水洗いすれば、あらかたを落とせます。
うらはらにタイヤの泥汚れはなっかなか落ちません。粒子がゴムに残る。

まあまあしつこく磨いても、こまかいダストを除去しきれません。タイヤが乾くと、筋や跡が出ます。
でも、性能には支障はありませんし、オフロードタイヤはすぐに汚れます。ぼくは一回洗いでまんぞくしちゃいますね。
いくつかのタイヤサイドのゴムのけずれに砂がはいりこみます。これはタトゥーのようなものです。落ちない~。

ところで、MAXXISの黒ズミは汚れでなく、マジックペンのあとです。この黄色ロゴの塗りつぶしはあるあるです。
しめにプーリーとチェーン
最後はプーリーとチェーンです。この二つをしめに持ってくるのは自転車掃除のセオリーです。

プーリーのよごれはケミカルとミネラルと草と砂のヘドロです。自転車パーツのなかでこれよりきたない部分はない。いや、きたなさは『大』より上だ。拭いても拭いても!
ほかの部分をさきにクリーニングすれば、こんなふうにでろでろの紙切れやぼろ布を作れます。ポイ捨てがはかどります。

OKです。
水を使えない、スマートにやりたい、錆が心配な人はマルチクリーナー系の洗剤を使いましょう。ワコーズ、マックオフあたりがおすすめです。