うちのミニベロ1号は遠乗り兼改造機です。もとはフロントシングル、リア9速のミニベロ・・・
いや、ミニベロですらなくて、れっきとした折り畳み自転車でしたが、紆余曲折の末にミニベロ化しちゃいました。
改造の経緯です。
- スイングアームのフロントフォーク→カーボンフォーク
- 機械式ディスクブレーキ→油圧式ディスクブレーキ
- 406ホイール→451ホイール
- 9速→10速→むりやりフロントマルチ→1×11
- 純正小物→ほぼ安カーボン→部分的に純正戻し
タイヤは406の1.5→451の7/8→451の1 3/8→451の1 1/8です。ぼくの用途では1 1/8がベストです。25c以下の細タイヤはNGです。
さて、とうにまっとうな改造の限度は越えました。単純なバージョンアップがせいぜいです。ドライブトレインやブレーキレバーを上位グレードにするとか。
そんなおりにAliExpressでXDドライバーを発見します。
SRAM発のフリーボディの規格です。
11T以下のギアを使えるXDドライバー
うちの451ホイールはDATIハブとKINLINリムの工場手組みです。つまり、XDフリーもDATI用です。補修用か?
XDのオプションに大手で対応するのはMAVICとDT Swissです。完組ホイールにXDドライバのオプションがありますし、単品のフリーボディの販売もあります。
XDドライバーの利点は11T以下のギアを使えることです。こちらはおなじみのスラム/シマノのフリーボディです。
これにセットできる最小のギアは11Tです。カセットのトップ側のギアは個別でばらけますが、中の穴の大きさは一定です。
トップはこれより小さくなりません。11Tが下限です。
シマノ系カセットでこれより下の歯数はカプレオの9Tです。で、やっぱり、カプレオのカセットとフリーボディは特殊形状の専用モデルです。
そして、カプレオの変速数は9sです。今日の状況ではやや役不足です。ロードのSORA、MTBのACERAクラスです。プレミア感がしません。
なによりいまさらメインのチャリに釣り具屋シマノのコンポを付けたくない。せっかくの脱シマカスタムだのに。
そこで秘策のXDドライバーです。SRAMの純正モデルには10T~カセットがあります。12速のEagleは10-50Tです。そして、社外品にはカプレオ同等の9T~のスプロケがあります。しかも、11sで。
10Tと9Tの差はたったの1Tです。しかし、比率は10%です。20Tと18T、30Tと27T、40Tと36Tです。9Tのリア x 45Tのフロントは11T x 55Tにギア比に匹敵します。
前側のリングを大きくするのはミニベロ改造では常套手段です。一時、ぼくも62Tのリングを付けました。でも、でかリングはなにかとトラブルの元です。
チェーンラインがあやしくなりますし、ズボンの裾がめりめり巻き込まれます。バッシュガードはありますが、リング回りのビジュアルがものすごいことになります。
あと、62Tリングはミニベロのホイール径でさえ激重です。ごりごりの立ちこぎでしかまともに漕げません。早晩にひざを言わせます。NGカスタムナンバー2です。
で、うしろのギアを小さくすれば、前リングをそんなにばかでかくしないで、出力アップを見込めます。40Tくらいのリングを使っても、従来の48Tくらいの踏み応えを得られます。
まさにミニベロのためのスプロケとフリーボディだあ!
問題はスプロケットの調達です。10Tのスラムのバルク品は中華サイトに1万弱であふれますが、ぼくの目当ての9Tのやつはありません。
そもそも販売元は一社、シリーズは1モデルだけです。e*thirteenのTRS Plusです。
しかし、価格が3万弱ですぜ! 高嶺の花です、うえーん。でも、カプレオ一式やALFINE一式より割安で手軽です。そして、報告のログがちまたに見当たらない。二番煎じじゃない! これはブログネタ的には大事です。
しかし、3万はきつい出費だな~、10Tで妥協しよかな~、う~ん、う~ん・・・て考えあぐねて、しばらく放置します。
Ubyk.co.ukてで割安の在庫を発見!
で、そんなとき、初耳のネットショップでたまたま在庫を発見します。イギリスのUbykて自転車専門ストアです。ここのがたまたま17%オフで円換算23000円くらいでした。
3万弱が2万強です。えーいとぽちんしちゃいます。
てか、このストアは大丈夫でしょうか? Ubyk、ユーバイケー? 日本語の情報は皆無です。クレカを入力するのはどきどきものです!
で、支払い手続きから二日後に発送の告知が来ます。でも、追跡番号がありません。Royal mailでなんたらかんたらとあります。
まさかの追跡・補償なしの郵便扱いだあ?! 送料無料のひきかえがこれです。せめて、書留オプションを付けて~。ほんまに届く、これは?
と、やきもきすること二週間、ついにこのパッケージがポストインしました。
案の定、サインなしの郵便受けダイレクト投函でした。2万のパーツだのに。
まあ、ほっとしました。マイナーストアのファーストショッピングはヒジョーにスリリングです。良い子はWiggleとかCRCで買おうね!
ちなみに到着予定は5-10営業日です。6日発送連絡の22日郵便投函です。土日込み日数はだいたい予定通りです。
しかし、追跡できないのは精神衛生的にきびしいところです。AliExpressの無料配送はたいがい追跡OKですし。239円の安アダプターだろうが、2万のスマホだろうが。
海外ものの追跡なし発送はWolftoothのナローワイドリングの購入以来です。でも、あれはメーカー直送でしたし。
とはいえ、この十年の海外通販でこれまでに未着や紛失はありません。日頃の行いでしょう、ははは。
外箱です。イギリスらしいダイレクト剥き出しです。アジア圏みたいにぷちぷちとか巻き巻きを期待するのはNGです。欧米では外箱=緩衝材です、まじで。箱の汚れ、べこべこはふつうです。
中身です。
待望の9-44Tスプロケです! 待ちわびたあ!
カセットの近影です。トップは9Tです。ちっさ!
セカンドさえがなんと10Tです。9-10-12-14-17-20-24-28-32-38-44の11速です。
カセットは2ピースに分かれます。ロー側三枚は削りだしの一体型、トップ側は中間ギアとトップギアをボトル締めで擬似的に一体化したユニットです。正味、3ピースです。
重さは320gです。素材はアルミとクロモリです。このボリュームで同11速のSRAM PG1130のカセットより200gも軽量です。まあ、お値段が違いますからねー、ははは。
XDドライバーにカセットをセッティング
さて、このXDドライバー用カセットのセッティングはお初です。同梱のマニュアルを見ながら、作業を進めます。
必要な工具はホローテックBB外しとスプロケット外しのときのチェーンストッパーです。折りよくうちのは右上の一体型です。
まず、フリーボディーに銀色のワッシャーと白いゴムワッシャーをセットします。
で、ロー側のギアをぱかっと嵌めます。マニュアルの図のカセットには細いスレッドがありますが、この実物のスレッドは端から端まで同じです。なので、どの位置でも嵌ります。
で、これを専用のロックと工具で留めます。工具のみぞみぞはホローテックIIBB外しのみぞに一致します。
その上にトップ側のパーツを乗せます。南京錠のマークが目印です。
これをスプロケ外しのチェーンストッパーでぐいと締めて、目印をロック南京錠マークのところまで持ってきます。
方向は右回しの正ネジです。マニュアルにもそうあります。しかし、けっこうな力をかけても、手応えを感じません。ここでしばらく悪戦苦闘します。
「こんなにぐいぐいやって、二万のギアの歯をぱきっとやっちゃわないかな?」
て十回ほど焦燥感ジレンマにさいなまれました。で、あれこれ考えて、グリスをたっぷり目に塗ったら、意外とすんなり締められました、ふーう。力加減が分かりませんからね~。
この時点でガタや違和感はありません。AliExpressの安XDドライバーは見事に役目を果たしました。これできちんとセットできなかったら、年の瀬をもやもやっと過ごしましたね、きっと。
ハッピーうれぴーでKMC DLCのチェーンをおろしちゃいます。
金がかかる~。コスパは最悪だ~。でも、そんなことはスペシャリシッシモなカスタムの前ではささいなことだあ!
完成です!
トップ9Tギアはばっちしです。11Tから20%増し。重てー! そして、セカンドの10Tも重てー!