以前にミニベロのペダルをマグネシウムのものにしたり、スタンド一体型のクイックリリースをCNC加工のチタンシャフトものにしたりして、8kgなかばまで愛チャリの体重を減らしました。
このカスタムで1万円の予算がもう半分になります。ここから500gを5000円で減らすのは至難です。パーツはすでに最軽量クラスです。
むりやりシングルスピード化
最初に断りますが、ぼくはそもそも本気でシングルスピードに入れこもうとは思いません。せっかくの11速化がむだになります。
つまり、今回の主眼は作業の手順の確認、ばくぜんとしたフィーリング、ブログのネタ作り、持病の軽量化熱の発作の抑制です。
ですから、シングルスピード用のキットやパーツや工具を用意せず、ありあわせで手探りでちゃちゃっとやります。ザ・ダメモトカスタムです。
スプロケをばらす
さて、はじめに完成車から余計なものを取り外します。スプロケット、ディレイラー、シフターです。
で、このスプロケからコグを頂きましょう。トップから3枚ほどをひっぺがしました。ギア数は11,13,15です。
そして、こんなフリー素材を用意します。
古い掃除機パイプのさきっちょのらへんです。これをギコギコして、スペーサーを作りました。安心安全・純日本製です、やったね!
リングロックをはめます。
ぴったしだあ! こいつをフレームにセットしましょう。
はい、OKです。フリーの根元のへんなすきまとささくれは目の錯覚です。
ディレイラーとシフターを外す
つぎはディレイラーとシフターです。こちらの着脱はアーレンキーだけでOKです。
ドライブとケーブル一式です。実測は480gです。
さきの1130スプロケとのセットがちょうど1kgになります。フロントマルチはさらに400g増でしょう。アウターケーブル、チェーンリング、重量のもとです。
最難関チェーン張り
最後はチェーン調整です。これが最強エクストラハードです。ごらんのようにうちのチャリのエンドはふつうの直付けタイプです。
この形状は完全に外装変速専用です。シングルスピード化は非推奨です。チェーンの張りを後から調整できません。
チェーンには外コマと内コマがあって、外コマ同士、内コマ同士は繋がりません。なので、二リンク分ずつしか調整できません。
これがチェーン調整の難しさの原因です。なので、元からシングルの完成車には専用の調整金具があります。ママチャリが典型です。
じゃあ、変速タイプのエンドの自転車はどうするか? はい、チェーンテンショナーを使います。
チェーンライン修正
さて、これで走りに行きましたが、10mでトラブルを食らいました。チェーンが二漕ぎでがしょんと外れます。なんでや!
これの原因はたるみよりチェーンラインです。トップギアの位置ではコグが右に寄り過ぎます。
スペーサーの切りなおして、ハブの真ん中にギアを入れて、スプロケット付属のスペーサーをドライブ側にかませました。
イッツ・パーフェクトライン! 既製品のようです。
が、11Tの小さなトップギアはフリーボディのさきっちょにしか入りません。セカンドギアもそうです。結局、3速の15Tを入れました。
とすると、コグの直径が大きくなって、チェーンがぱっつぱっつになります。まーた、カット&コネクトだあ!
最後の気力を振り絞って、こんなふうにしました。
ようやく走れます。チェーンはたまに外れます、1kmに一回くらい、がしょんと。あと、のぼり坂でがしょんと。
そして、ギアが軽すぎます。フロント44T、リア15Tです。ギアレシオはほぼ3です。しかも、小径車です。踏みごたえはママチャリみたいです。
そして、7.5kgの軽さのおかげで加速が超特急でマックスになります。速度が五秒で頭打ちになる。
結論
7kg台の軽量化は一応の成功です。で、案の定、このチャリは使い物になりません。チェーンの張りが絶対的に足りません。微妙にたるむ。
でも、シングルスピードの面白さがちょっと分かりました。ベストのギア非を割り出せば、街乗り最強チャリに出来ます。
ちゃんとするなら、テンショナーを使いましょう。
そして、結果的にこの不完全燃焼なカスタマイズがのちのママチャリの固定ギア化への布石となりました。