ロードバイク おすすめメーカー2021 初心者向けのモデルと選び方の基準

世界にはたくさんの自転車企業、スポーツバイクブランドがあります。大半は設計やデザインを専門にします。自社工場やアトリエ持ちのメーカーは少数派です。

「小さなフレーム工房から一代で世界的なバイクブランドに出世した」というのは前世紀の牧歌的な物語です。世知辛き21世紀にはこのようなファンタジーは生まれません。

このおかげで自転車企業の定義があやふやになり、商品のロードバイクの本質もぼやけてしまいます。

ロード=ツール=TDF

基本に立ち返りましょう。ロードバイクは競技用機材です。レースのための自転車です。ママチャリのような移動手段、グラベルのような嗜好品ではありません。スポーツ用品だ。

で、ロードレースの本流はグランツールです。5-10人のチームで、1～3週間にわたり、時速40-50kmを維持しつつ、連日のように100～200kmを走ります。

このツール系競技の最高峰が毎年6-7月のTDF、ツールドフランスです。各社はこれに勝つためにバイクを作ります。高校球児の甲子園、大学駅伝の箱根みたいなものです。

つまり、このツールドフランスに自動的にエントリーされる19のワールドチームのロードバイクがこの自転車の本流です。

もちろん、不参加のブランド=三流のバイクではありません。しかし、不出場の有力候補にとどまります。

以下でこの19チームのロードバイクを順次にリストアップします。

UCIワールドチームのロードバイク

ロードレースのプロチームの運営は非常に不安定です。チーム名変更、選手移籍、降格、消滅、日常茶飯事です。

2020シーズンには大きな動きがあって、18だったワールドチームが19に増えました。追加チームはフランス籍のコフィディスです。これは2022年まで続きます。

しかしながら、それよりなにより世界中が例のコロナで大わらわです。欧州の今期の自転車レースはほぼ絶望的です。というか、プロスポーツ界がお通夜です。

オリンピックはどうなる？！　※延期になりました。

ロードバイクの種類

近年のトレンドでスポーツバイクは非常に細分化します。どのチームやブランドも複数のモデルを用意して、レースやコンディションで使い分けます。

ロードバイクのタイプは四つです。

• 軽量オールラウンダーなスタンダード
• 空力高速型のエアロ
• 長距離快適型のエンデュランス
• 平坦周回用のTT(タイムトライアル)

基本的にこのどれかが一年ごとにモデルチェンジします。それぞれの新作のスパンはおおむね3-4年です。

オリンピックの競技種目の関係でマウンテンバイクのクロスカントリーモデルは2020年にごっそりモデルチェンジしました。まあ、今年の一新は無駄になってしまいましたが。

で、新作が出ると、旧型が安くなります。各社のモデルチェンジの動向を軽く予習しておけば、おめあての機体を安く買えるかもしれません。

Bianchi

ビアンキは現存のスポーツバイク屋の中では最古参級の古株です。独特な空色のチェレステカラーがブランドアイコンです。

同社はこのブランドヒストリーとおしゃれなアイコンカラーを最大限に活かして、アパレル、カフェ、ビーチハウスと幅広くビジネスします。実質、チェレステ屋さんです。

おしゃれなビアンキの女子受けの良さはアパレルのグッチやプラダに重なります。空色のチェレステカラーはティファニーの箱の色ともかぶりますね。

BMC

BMCはスイスのブランドです。カーボンフレーム時代以降に登場しました。中堅どころの実力派です。『国立大の工学部』という印象です。

週間少年チャンピオンで連載中の人気自転車漫画『弱虫ペダル』の主人公の小野田坂道の愛車が作中の自転車屋の『寒咲自転車』からの貸し出しのBMCです。

この元ネタは北大阪に展開するカンザキバイク系列の破格のBMCの特価車だというのが識者の見解です。

2020シーズンからNTTがスポンサーになりました。

Cannondale

アメリカ3大ブランドの一角がキャノンデールです。レフティフォークやBB30なんかの独自開発規格で自転車業界、おもに町の整備士界に阿鼻叫喚の賛否両論を巻き起こす風雲児&革命児です。

ちなみにキャノンデールジャパン本社はうちから5分のところにあります。

Canyon

キャニオンはドイツの新進気鋭の自転車ブランドです。イマドキ・スタイリッシュのお手本のような自転車です。コスパとビジュアルでばつぐんの勢いと注目度を誇ります。

ここのバイクの特記事項はなんとメーカー直販のみです。小売の取り扱いはありません。ネットからドイツのオフィシャルサイトにオーダーします。異例中の異例です。

実店舗の店頭に実機がありません。試乗できる機会はサイクルモードやサイクルトレンドみたいな大きいイベントかCANYON主催の試乗会ばかりです。

本気で試乗するなら、朝一ダッシュで並びましょう。昼過ぎにはだいたい『本日の試乗受け付けは終了しました』になります。

注意点はサイズです。XSが168-172cmです。Mサイズは178-184cmとかです。ドイツ人の平均身長は178-184cmですか、そうですか・・・

Cervelo

Cerveloはカナダのレーシングバイクブランドです。ツールドフランスのステージ優勝の記録数の更新に迫るマーク・カベンディッシュの愛機です。

ここは若いブランドで、エアロロードのパイオニアの一つです。

TTやトライアスロンの使用率は圧倒的にナンバーワンです。

Colnago

コルナゴはイタリアの老舗自転車屋です。ピナレロ、デローザ、コルナゴでイタリア御三家です。ラグジュアリーなブランドです。

De rosa

デローザはイタリアのブランドです。往年の名選手エディメルクスの愛機として一世を風靡しました。

2020シーズンからワールドチームに昇格したコフィディスがDEROSAを駆ります。

Eddy Merckx

史上最強のロードレーサーのエディ・メルクス、この人が引退後にEddy Merckx社を立ち上げます。ベルギーのロードレーサーブランドです。

数年前から経営不振で倒産の危機にひんしますが、同国の自転車ブランドRidleyの救済を受けて、看板をキープします。

これが2019シーズンからフランスのAG2Rへ機材を供給します。ひさびさにツールの舞台へ復活します。

このエディメルクスのバイクは海外通販ショップではなぜか定期的に超特価になります。50%オフのフレームはおねうちです。

GIANT

スポーツバイク界の大巨人、世界ナンバーワン自転車メーカー、それがGiant Manufacturingです。

5万で10kg弱のEscapeのような軽量クロスバイクを買えるのはGIANTのおかげです。スポーツバイクの世界的普及の最大の功労者です。

意外にも国内GIANTの通販はNGです。最近のGIANTは直営のGIANTストアでユーザーの囲い込みに熱心です。自前で設計、製造、販売、ケアまで出来ますから。

Lapierre

ラピエールはフランス中部のディジョンの自転車ブランドです。フランスはツールの開催国ですが、自転車ブランドはイタリアやドイツほどに多くありません。

LOOKやTIMEは超高級バイクの二大巨頭ですが、このラピエールはそれより庶民派のポピュラーなブランドです。アイコンはトリコロールです。

Merida

GIANTに次ぐ世界第2位の自転車メーカーがメリダです。ちなみに3位は中国XDSです。この3社が稼動しないと、自転車市場が終わります。

有名な小話でスペシャライズドのバイクがメリダ製です。スペシャラの株式の49％はメリダの持ち物です。

数年前からメリダのロードの露出度が国内小売店でめきめき増え始めました。あさひ、ワイズ、カンザキ、ウエムラ、ラビストなどなどが取り扱いをします。

これらのメリダグローバルディーラー、MDG印のモデルは常時30%オフ発動ですが、通販NGになります。試乗車、型落ち、その他はその限りでありません。

メリダのこの売り方はネット通販時代のスタンダードになりえます。従来の店頭訪問・対面販売だけではユーザーの間口を広げられませんから。

Pinarello

現在の世界最強チームがイギリスのTEAM INEOSです。2010年以降の日本のロードバイクブームとTEAM SKY(INEOSの前チーム)の快進撃がかさなって、人気度と注目度とブランド力はピカイチです。

Ridley

チョコとシクロクロスの国、ベルギーに本拠を構えるのがリドレーです。もともと他の自転車メーカーの塗装、組み立ての下請けでしたが、自社製品を開発して、世界的ブランドに躍進しました。

リドレーはレースモデルしか国内展開しませんが、2019モデルからクロスバイクとエントリーロードを日本向けに販売開始します。

リドレーの社名は映画監督リドリー・スコットに由来します。アルファベット並びでつぎにSのあのメーカーが来ると・・・

Scott

スコットはスイス・アメリカのブランドです。バイクのほかにウィンタースポーツを手がけます。

オンロード、オフロードの両方が雑誌やメディアの注目ベスト5の常連です。

Specialized

スペシャライズドは北米3大自転車ブランドのひとつです。オフロード、オンロード、いずれが最高クラスの人気と性能です。TARMAC、VENGE、Epic、DEMO20などなどの豪華な顔ぶれが揃います。

バイクの総合的な開発力ではスポーツ自転車業界ナンバーワンです。最強の名がふさわしいブランドです。

Trek

トレックはアメリカ最大の自転車ブランドです。キャノンデール、スペシャライズ、そして、このトレックがアメリカ御三家です。

前人未到のツール7連覇のすえにドーピングで永久追放されたアームストロングのバイクがトレックでした。

EMONDAの最上位機種のフレームは有力ブランド中最軽量の610g！ です。お徳用のペプシぺットボトルくらいの軽さです。転倒やざつな扱いは禁物です。

Wilier Trisetina

Wilier Trisetina、ウィリエール・トリエスティーナはイタリアの老舗です。前身は1900年代初頭に創業しました。ブランドヒストリーは100年を越えます。

創業者はイタリア人のウィリエールさん・・・でなく、Pietro Dal Molinさんです。Wilierの由来はW(VIVA) l’Italia liberata e redentaのアナグラムだそう。

オリジナルの工房は20世紀なかばに経営不振で倒産しますが、ブランドはのちに復活して、現代まで続きます。

おすすめロードバイクのナンバー1は？

初心者におすすめのロードバイクは簡単です。上記の本流の自転車ブランドの10万円~15万のエントリーモデルです。ステータスや歴史よりサイズとカラーが重要です。

ロードバイクの本質はスポーツ用品です。自分のフィジカルやセンスと相談して、ノーストレスなものを選ぶのが正解です。これはシューズ選びに通じます。

合わない用具でスポーツするのは楽しいものではありません。サイクリングは長丁場ですし、ロードバイクの乗車姿勢は不自然です。サイズ違いは致命的です。

それから、Amazonのおすすめに出てくる5万以下のロードバイクはロードバイクではありません。『ロードバイク』という商品名のネット通販用自転車です。

メーカー物のロードバイクの新車の相場は10万～です。セールで7-8万になっても、5万以下にはなりません。