先日、MTBのフレームにあたらしいサスペンションフォークをセットしました。ROCKSHOXのYARIです。
で、コラムの余分がずいぶんあって、トップ部分がでっぱります。ぞくに『でべそ』です。
スペーサがない!
パーツの墓場から出てきたのはステムの下の10mmと5mmのスペーサーだけでした。それから、昔々の塩ビパイプのやっつけスペーサーです。
コラムのトップがスペーサー+ステムよりでっぱると、スターファングルナットやプレッシャーアンカーが引きあがりません。結果、フォークにがたが出る。
素材はあった!
で、こんなスモールパーツのためにおかいものに出かけるのはめんどうです。代用品を探しに探して、タンスのおくからこいつを見つけます。
右側のカーボン製のぶつです。これは15cmのロングスペーサーです。このサイズはあきらかにイレギュラーです。中華セミオーダー品です。
こっちはさらにながい20cmのロングスペーサーです。ミニベロや折り畳みのカスタム用です。
通常のスペーサーは3-20mmです。これらを組み合わせて、スペースを埋めます。20mm以上は貴重品です。
このほか、外径31mm、あつみ1mmのアルミパイプが自作スペーサーのよい素材になります。
外31mm、あつみ1mmのパイプの内径は29mmになります。スポーツバイクのフォークコラムはオーバーサイズ、28.6mmです。片側0.2mm、最大0.4mmは許容範囲です。
ミニベロはすでに手元にありません。このかたわれをいけにえにして、MTBのためのふつスペーサーを作成しましょう。
新車のコラムの余分はざっと4cmです。3cmでやってみましょう。
カーボンにパイプカッターは禁物
ところで、自転車は筒、チューブ、パイプの集合体です。フレーム、ホイール、ハンドルバー、フォークなどなどがパイプでチューブで筒です。
レイノルズ、イーストン、コロンバス、アラヤとかの金属加工屋さんは自転車産業の縁の下の力持ちです。
で、パイプカッターはあっちこっちのカットに活躍します。
しかし、これでカーボンパーツを切ると、表層をぱりぱりに剥離させてしまいます。
こんなふうに内側のカーボンシートの層がカッターの圧に負けて、土台からはがれます。ぼくのDIYでは剥離率は100%です、アウチ。
工具はのこぎりと雑誌
で、カーボンパーツにはふつうののこぎりを使います。ベテランの自転車いじらーはフォークコラムのカットにはステムバーガーを使います。
簡易ソーガイドです。ステムのあたりめんはきれいな平面です。ガイドにはもってこいです。
しかし、スペーサーはフォークコラムより大です。ステムのマウント部分はスペーサには入りません。あたりまえです。
で、ステムバーガーの代用策を考えます。スペーサーを雑誌でガチガチにくるんで、テープを巻きました。
で、ふつうに片足をかけて、ぎっこぎこにノコります。工具は超高級ハイエンド万能のこぎり、かつて塔の上の神を切ったと伝わる神錆びたるソーです。
このカーボンパーツの鋸引きを体験すると、この素材のかたさをもろに体感できます。だれだ、カーボンがきゃしゃだとかゆうやつは?
5分のぎこぎこで数mmの筋が入りました。カーボンはかっちかちです。
15分後です。
やばい粉がもりもり出ます。常識人は風呂場か玄関か外でやりましょう。なんでおれは居間でやってしまったか・・・
20分後です。
カットが完了しました。手のこはいい運動です。息が上がります。
ふつうののこぎりではスペーサーもフォークコラムもシートポストもだいたい20分です。
さあ、気がかりな断面はどんなもんでしょうか? 既製品みたいなドフラットでしょうか~? カットマンの腕前や性格がここに出ますぜ~。
ふーむ、カメラが気を利かしたか、奇跡的にピントが合いません。ギャップ的なものは幻影でしょうか? 1ドットの段差でやられるスペランカーの主人公は困惑しましょう。
いや、やっぱ、段差は気のせいじゃありませんか? みまちがいではないか? コラムにセットしましょう。
プレーンな側はごらんのとおりにぴったりです。
DIYな側はこんなふうにセミぴったりです。
すきま? いやいやいやいや、そうゆうデザインです! そう、手作りの味、ハンドメイドのだいごみです! 風情があるなー。
ステムをかぶせて、スペーサをのっけます。
で、キャプを締めて、ステムを締める。
がたやあそびはありません。助かった! いや、意図通り!
なによりこのあやしいコラム継ぎ足しの状態が解決されました。
おかげでなぞのハンドルのもっさり感がなくなりました。ステムのかかりのあささが原因ですね。
カーボンカットを楽にするなら、パークツールのカーボン替え刃を買いましょう。ふつうの刃では一日一本が限界です。腕がぱっつぱつだあ!