スポーツバイクのタイヤの種類はカテゴリやジャンルで異なります。基本3種はチューブラー、クリンチャー、チューブレスです。
オフロードやオールロードではチューブレスが主流です。これらのバイクのディスクブレーキはリムにストレスを与えません。チューブレスフレンドリーです。
ロード、クロスバイク、ママチャリでは手軽なクリンチャーがメインです。弱点は圧倒的なパンクのしやすさと転がりの悪さです。
CLではチューブとタイヤはニコイチ
業界のトレンドはありますが、この十数年の主流を担うチューブドクリンチャーはまだまだ現役です。
23cチューブドクリンチャーは2010年代に猛威を振るいましたね。
より古典的なチューブラーはタイヤの中にチューブを内蔵します。
チューブだけの交換は基本的に不可です。タイヤの縫い目をほどいて、チューブを引っ張り出せば、修理交換をできますけど。
チューブレスはタイヤとホイールでエアを密封します。チューブは緊急用か補修用です。ぼくは安いブチルのお古を持参します。
で、チューブの性能をあれこれ模索して一喜一憂できるのはクリンチャーユーザーだけの特権です。チューブ選びはまあまあの難題です。
タイヤは人目に触れますが、チューブはそうじゃありません。黒子、縁の下の力もちです。ファッション性は不要です。
チューブ選びの要点は軽さ、耐パンク性、転がり抵抗、乗り心地、価格です。そして、クリンチャーを主に使うのはちまたのロードバイク乗りです。これは『軽さ』の魅力にはあらがえません。
おすすめの軽量チューブを特集します。
30gから70gまでのおすすめ軽量チューブ
最初に軽量チューブの目安を決めましょう。現行の既知の最軽量チューブはオーストラリアの気鋭のチューブ屋、Tubolitoの製品です。
29erが44g、700c用が33g39gです。海外サイトではすでに販売が始まりますが、国内では流通がありません。値段は32.90ユーロです。4000円です。
左の白いのは同系統のポリウレタンチューブのREVOLOOPです。こちらの実測は43g、価格は3000円です。感覚がマヒしてきた~。
とにかく、これが現行の700cクリンチャーチューブの下限です。反対の上限はどうでしょう? 最大公約数的にアマゾンの700cチューブの売れ筋を見ましょうか。
- パナレーサーの700×23-26c=90g
- コンチネンタル 700×20-25cのロングバルブ=65g
- シュワルベ 700×18-28c=100g
うーん、わりとバラバラです。推奨サイズの幅がメーカーでまちまちです。パナは几帳面、シュワルベはフランクです。
じゃあ、ぼくの一存で軽量チューブの上限を70gとしましょう。30-70gが軽量チューブです。ここからおすすめモデルを出します。
SOYOラテックスチューブ
上述のTubolitoの登場までながらく最軽量級ベスト1に輝いたのがSOYOラテックスチューブでした。パッケージのあおりのとおりに重量は48gです。
実測はわりと軽めに出ます。個体差の『当たり』は45g以下になります。これとブリジストンの145gの超軽量タイヤEXTENZA R1Sのセットが驚異の200gアンダーです。
このSOYOのラテックスと同じ工場で作られるVredesteinのラテックスは+2gの50gです。2gの差はバルブ長です。あと、包装とパッケージ。OEMはOEMです。
ちなみにVredesteinのラテックスはのきなみ在庫切れです。ヨドバシで見た!
そして、ラテックスチューブは軽量ですけど、はやりのカーボンクリンチャーには合いません。ブレーキングの摩擦や炎天下放置の熱でジャムります。
ブリジストンEXTENZA
EXTENZAはタイヤ屋のブリジストンが繰り出す高性能自転車タイヤとチューブのモデルです。語感から自動車タイヤのPOTENZAをそこはかとなく思わせます。
そのEXTENZAシリーズの700c用チューブは67gです。
ところで、ブリジストンは自転車系製品を自社工場では作りません。アンカーのフレームはメリダ製、タイヤとチューブはチェンシン=Maxxis製です。いずれがMade in TAIWANです。
チェンシンはいろんなところの下請けをします。これはTIOGAのチューブです。このmade in Taiwanの白スタンプが出自を暗喩します。
パッケージと販売元とモデル名が変われば、それはもう別商品です。そうゆうものです。
この67gバージョンは0.6mm厚の軽量モデルです。より薄型の超軽量モデルの0.45mmバージョンはラテックスに迫る52gです
型番のF310100が0.45mm厚、F310102が0.60mm厚です。厚みは3/4、値段は倍です。お財布と相談しましょう。
Panaracer R’AIR
まぎれなき日本製の栄誉を掲げるのがパナレーサーのタイヤとチューブです。パナは国内の自社工場で製造します。MKSやOstrichと同じく貴重なmade in japanメーカーです。
くしくもパナレーサーの元親会社のパナソニックの元社名はNationalです。なんて愛国者ホイホイのネーミングでありましょうか、ははは。
ぼくはけっこうなパナタイヤとパナチューブを使います。所感は
- 耐パンク〇
- 軽さ〇
- 転がり△
- 価格△
- 品質△
- 見た目×
です。最終的な印象は『そこそこの価格の高耐パンクの軽いじみなタイヤ』です。
ここの超軽量チューブがじまんのPanaracer R’AIRです。18-23が66gです。
実のところ、軽さはそんなにバツグンじゃありません。耐パンクチューブのなかでは軽量ですが、ふつうのチューブよりパンクします。
それから、薄型チューブの構造上の弱点でチューブの厚みが一定じゃありません。部分的に薄いところが真っ先に膨らみます。
バルブ付近にこれが集中します。タイヤ交換や取り付けには注意しましょう。ぼくはミニベロでたびたびやらかしました。
このRAIRは何回かの値上げで価格が高級品になっちゃいました。製品的には普段使い、ロングライドのプチぜいたく軽量チューブてところです。
3年ぶりのRAIRは75gでした。ハズレ個体だあ!
比較です。ポリウレタンチューブがひきょうです。かさがぜんぜんちがう。
TIOGA Ultra Light
ブリジストンのEXTENZAチューブと出自を同じくするのがTIOGAのチューブです。ウルトライトシリーズが軽量チューブです。
700×18-26c 48mmの実測が67g前後です。以前、ぼくは20インチのチューブドクリンチャーのパナパナセットの代替でTIOGAセットを買ってみました。
そして、TIOGA製品は割安です。made in Japan印や日本ブランドにこだわらなければ、こちらを買いましょう。おすすめです。
実質、このULのパッケ違いがブリジストンのEXTE・・・げほげほ!
Continental Super Sonic
ドイツのコンチネンタルはクリンチャータイヤ時代の覇者です。ハイエンドタイヤのタイヤのGP4シリーズはロングセラーのベストヒットです。
で、ここのクリンチャーの軽量レース用のシリーズがSuper Sonicです。最軽量タイヤのポジションをEXTENZA R1Sと争います。
で、相方のSuper Sonicチューブは超軽量級のカタログ値50gです。
なぜか楽天やアマゾンの在庫は自転車でなく、輸入雑貨のところばかりです。もしや、国内の正規取り扱いがない?
海外通販の実売はざっと1200~1500円です。そこそこの価格ですが、国内のExtenza0.45mmバージョンより割安です。
軽量チューブ総括
- 定番=BS超薄型、SOYO、コンチスパソニ
- ブランド=パナR’AIR
- 安さ=TIOGA、MAXXIS
- 軽さ=Tubolito、REVOLOOP
ぼくのおすすめはコンチのスーパーソニックですが、ロマンはポリウレタンチューブですね。