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Feiyu Pocket 2S 分離型ジンバルカメラのおすすめの使い方とレビュー

3.5

★★★☆

革新的なガジェットだが、センスティブな撮影機材

それがFeiyu Pocket 2Sの率直な感想です。この最新鋭ジンバルカメラを以下で詳しく解説します。

アクティブな動画撮影用カメラの要点

写真や動画の撮影で大事なことは2つです。ボケないこと、そして、ブレないこと。

とくに動きながら撮影すると、ピンボケと手振れに悩まされます。比較的にイージーな平坦な舗装路のサイクリングの動きも実際にはまあまあ振動する。

チャリで来れる伊丹空港
チャリで来れる伊丹空港

そして、徒歩、ウォーキングはこれよりさらに揺れます。縦の挙動がサイクリングより顕著ですから。

これを解消するのがジンバルやカメラの手振れ補正機能です。単体で十分な効力を発揮しますし、二体合体で最強のブレなさを実現します。

ちなみにジンバル(スタビライザー)というのはカメラやスマホの軸を維持するための外付け装置のことです。自撮りYouTuberやVLogerの友ですね。

アクションカメラとジンバル

アクションカメラ+ジンバルの合体モードは最強ですが、根本的な欠点を抱えます。質量と重量です。

これは小型なアクションカメラのGoPro HERO 8と最軽量の3軸ジンバルFeiyuTech(フェイユーテック) WG2XとMTBおじさんの組み合わせです。

カメラとジンバル
カメラとジンバル

機材と日焼けがめっちゃ目立ちます。街中では不審です。そして、胸の固定バンド抜きの重量は350gです。コーラ1本分。自重でビヨンビヨンします。

これで長時間のロケは体力的にハードです。また、カメラとジンバルの電源が別々ですから、充電管理のタスクが増えて、撮影のコストが少し上がります。

小型で軽量なジンバルカメラ

一体型のジンバルカメラはこの欠点を解決します。業界第一弾はDJIのOSMO POCKETです。

第二弾はFeiyuTechのFeiyu Pocketです。こ機能から名前からデザインから第一号にそっくりです。

が、前者はドローンメーカーのジンバルカメラ、後者はジンバルメーカーのジンバルカメラです。結果が似ても、アプローチが違います。

まあ、ある程度のコンセプトの中では製品は似通ってしまいますが。本家か元祖か。

この一体型ジンバルカメラは個別のアクションカメラと電子ジンバルの組み合わせより軽量でコンパクトです。本家も類似品もおおむね100~200gですね。

Feiyu Pocket 2S 機能編

ところで、アクションカメラ+ジンバルの使用者は国内ではレアです。

現行の自転車トレンドではMTBはマイナーですし、トレイルランやハイキングにはこの装備は酷です。

で、レアなMTB乗りでジンバルユーザーのぼくは一体型にはとんと無縁でしたが、「専門家の意見を聞きたい」とメーカーから打診を受けて、最新鋭のこいつを入手しました。

Feiyu Pocket 2S
Feiyu Pocket 2S

はい、Feiyu Pocket 2Sです。FeiyuTechの第二世代の最新鋭ジンバルカメラです。総重量は179gです。

10月現在、これは一般的には流通しませんが、クラウドファンディングのMAKUAKEで出展され、大人気御礼ですでに7000万円の支援を集めます。大人気だ!

※今回のテストでは正規販売前のサンプルを拝借しました。デバイスは製品版ですが、ファームウェアアップデートは未実施です。

カメラとディスプレーが分離

今回、Pocket 2とPocket 2Sの2種が同時販売されます。2は普通のジンバルカメラですが、この2Sは分離型です。

何とカメラ部分が本体からパージします。合体して分離すんのかい!

分離
分離

が、有線です。ジオングか。

しかし、無線化には電源やデータ転送、さらには紛失の問題が伴います。分離型第一世代的には有線式は妥当な路線でしょう。

超小型3軸ジンバル

カメラ部分の拡大図です。

3軸ジンバル
3軸ジンバル

超小型な3軸ジンバルです。ちなみに3軸は3DのXYZに相当します。これが電子制御モーターでカメラを一定の位置に維持します。

スマホ用、一般カメラ用、アクションカメラ用の電子ジンバルはほぼこの3軸方式です。たまにアナログの1軸みたいなものはありますが、効果はお察しです。

で、この部分の重量はせいぜい50gです。GoPro + WG2Xの7分の1です。固定バンドがビヨンビヨンしない!

ジョイスティックと物理ボタン

本体の拡大図です。

物理ボタンとジョイスティック
物理ボタンとジョイスティック

バッテリー、端子、ディスプレー、操作系統、マイクはこっちに付属します。音声入力の3.5mmイヤホンジャックはありません、ざんねん。

下の丸い物理ボタンが録画のON/OFFのスイッチです。上のジョイスティックはカメラ角度の調整用です。

タッチパネルの操作性はまあまあです。スライドがすこしもたつくか?

上記の写真の左上の表示のように最大動画画質は4K/60FPSです。が、スペック上の解像度や画質は特別な強みにはなりません。

安いカメラもスペックではだいたい4Kに対応しますし、スペックでは。

その他の機能です。

  • 撮影中にスティック3クリックでカメラ反転
  • マイク、スピーカーは本体側に内蔵
  • 音声入力のジャックはない。外付けマイクアダプターは別売り
  • 下側にカメラ用のネジ穴
  • カメラ台座と本体の裏にマグネットが内蔵
  • 駆動時間は120~180分
  • 非防水

たまたまうちのメインのマウンテンバイクが鉄系のクロモリフレームです。

鉄にくっつく
鉄にくっつく

はい、カメラと本体が見事にくっ付きました。もっとも、オフロード走行でマグネット固定はやや力不足ですが。

Feiyu Pocket 2S 撮影編

合体、分離、変形は男心とガジェット魂をくすぐります。が、YouTuberにはカタログスペックより実際の使い勝手の方が圧倒的に重要です。

実際に屋外に持ち出して、撮影をやりました。そのロケの結果を以下に示します。

天候や条件は以下の通りです。

  • 時間帯:日中、曇り
  • 場所:街中、山、トレイル
  • 解像度:1080/60FPS
  • カラー:ノーマル
  • ホワイトバランス、ISO、露出など:オート
  • モード:ウェアラブル(分離)
  • 軸固定:HF(水平維持)

音声の設定はボリューム調整のみです。風切り音の緩和やノイズキャンセラーのようなものはありません。

また、この手のカメラのフォーカスはパンフォーカスです。画面内の対象の全てに焦点が満遍なく当たります。

画質はやや地味

キャプチャです。

Feiyu Pocket 2S 撮影素材
Feiyu Pocket 2S 撮影素材

上記の設定の動画素材→編集&エンコード→スクショ→編集ソフトでJPEG画像化がこの1枚です。速度は時速5kmくらいです。画質にはほぼ影響しません。

元素材→エンコードで画質は少し劣化します。これはどのアクションカメラにも共通の問題です。エンコード動画→JPEG画像化はそこまで劣化しません。

日中・曇りは動画撮影には好都合な環境です。アクションカメラの小さなセンサーは極端に明るいor暗い現場では不利です。

で、Feiyu Pocket 2Sのノーマルカラーの画質はGoProよりやや地味な印象に思えます。彩度が少し落ちる。

もっとも、色味や明るさはISOの設定や編集ソフトでどうにかなりますが。

街中△トレイル〇の手振れ補正

アクションカメラの命が手振れ補正機能です。GoProではHERO 7(2018年販売)からこれが著しく進化しました。

実際、ウォーキング、サイクリング、オートバイ、ドライブなどの穏やかなアクションシーンの振れはカメラの機能でほぼ解消されます。

緩やかな森のハイキングコースも圏内です。遠景で流れる枝や葉はさすがにブレて滲みますが、手前のハンドルや自転車の車体はくっきりですね。

編集ソフトでの手振れ補正は超重い処理になります。1秒60枚の1080Pの画像を秒数分だけ補正しますから。Adobe Premiere Proではワープスタビライザーですね。

GoPro 8の手振れ補正
GoPro 8の手振れ補正

経験上、カメラ側の手振れが補正できる限界は10cmです。木の根っこゾーン、岩場、大きい落差では手振れ補正が追い付きません。

さらに走り、立ち漕ぎ、階段はグレーゾーンです。カメラを胸固定から手持ちにするとか、縦の挙動を意図的に抑えるとかしないと、振れを抑えきれません。

で、これは静画では伝わりませんから、動画で紹介します。立ち漕ぎの切り抜きです。

立ち漕ぎの動作で胸のカメラは縦横に揺れます。で、ジンバルの補正が掛かって、手振れが修正されますが、その補完の挙動がややカクカクします。

長年の愛機のGoProではこの挙動はヌルヌル系です。それと比較すると、Feiyuの手振れ補正には若干のぎこちなさを感じます。

  • ソフトウェアの能力不足
  • カメラの癖
  • そういう方向性

原因は不明ですが、とにかくGoProユーザーには細かいカク付きが気掛かりです。

この点、GoProのヌルヌル系手振れ補正とFeiyuの3軸物理ジンバルの組み合わせは最強です。1000ルーメン以上の強力なライトがあれば、暗所のデコボコ道さえがぎりぎり圏内です。

で、街中の平坦なサイクリングの動画の出来栄えはやや期待外れでしたが、その後のハイキングコースの木の根ゾーンは当たりでした。

これも動画で紹介します。

10cm以上の根っこのでこぼこが続いて、5秒のところは50cm x 2くらいの段差です。

アクションカメラの単体の手振れ補正でこのギャップはこんなにきれいに収まりません。そもそもレンズが水平に保たれません。

こういう大きな縦の挙動の補正には物理的な3軸ジンバルがソフトウェアより大きく貢献します。

もちろん、周囲の風景の微妙なカク付きはありますが、鑑賞者の目はそんな細かい粗よりハンドルの動きや進行方向の地面に奪われます。

結果、全体が平坦のサイクリングより良く見えます。まさに結果オーライです。

トレイルランやMTBの収録にはこのFeiyu Pocket 2Sは非常に強力な撮影機材です。でこぼこ道の総合力は単品のGoProより上です。

問題は音声ですね。衣擦れの音がもろに入るし、かなり籠ります。お喋りダウンヒルにはマイクアダプターが必須ですねえ。

Feiyu Pocket 2Sまとめ

ジンバルメーカーFeiyuTechの第二世代ジンバルカメラ、Feiyu Pocket 2Sは画期的なガジェットですが、メインの撮影機材にはやや力不足です。

カタログスペックには目ぼしい長所や短所は見当たりません。フル充電の稼働時間はGoProより持ちますが、バッテリーは内蔵型です。非防水。

画質はやや地味です。微妙な手振れの補正がカク付きます。反面、でこぼこ道や段差の大きな手振れ補正は単体のアクションカメラより得意です。トレラン、MTB向き。

サンプルは正規販売前のものです。ファームウェアアップデートは未実施です。

そのせいか録画中の動画がたまに部分的に切れます。理由は不明です。アプリのFeiyuCamとのペアリングをミスったか、ジンバルのモーターに触ってしまった?

「ジンバルメーカーらしく物理デバイスは〇、ソフトウェアは△」

ぼくの所感はそんな感じですし、既製品のレビューもそんな感じです。

点数です。

  • 画質:3.0 地味め
  • 手振れ補正:3.0 街中 4.0 トレイル
  • 機能:3.5
  • 操作性:4.0
  • 軽さ:4.5
  • 音声:3.0
  • デザイン:3.5
  • 価格:3.5
  • 総評:3.5

このFeiyu Pocket 2Sは一体型のPocket 2と共にMAKUAKEで先行販売中です。マイクアダプター付きのセットがお買い得ですね。

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