スポーツ自転車のタイヤシステムはチューブラー、クリンチャー、チューブレスです。ジャンルやシーンやスタイルでスタンダードが変化します。
チューブレスレディ=STANS
オフロードではチューブレスレディが標準です。ちなみに”Tubeless Raedy”てのはアメリカのパーツ屋のSTANSの商標です。クロネコヤマトの『宅急便』みたいなものです。
フランスのリム屋のMAVIC発の”UST”はピュアチューブレスです。シーラントなしでタイヤの気密性を保ちます。
が、パンク予防とおまじないのために利用者の大半はシーラントを入れて、実質的にチューブレスレディで使います。
黄金コンビのシーラントとリムテープ
で、このシーラントの定番がSTANSのラテックスシーラントです。同社はチューブレスレディ系の特許を数多く抱えます。
STANS製品なしではかいてきな”Tubuless Ready”ライフを送れません。後発のFinish Lineのカーボンシーラントはビミョーです。
結局、”Never Dries”の液剤は放置でふつうに乾いてしまいました。ザ・タイトル詐欺です。
リムテープが寿命
うちのMTBのカーボンホイールはともに中華カーボンで、29インチで、BOOSTで、チューブレスで、フックレスです。
片一方はホールレスのつるペタリムです。
チューブレステープなしでかんたんにチューブレス化できます。短所はニップルの着脱です。ニップルを一個一個バルブ穴から入れて、磁石や糸で穴まで誘導しないといけません。
もう一方はニップル穴ありのリムです。フライウェイト系の280gの超々軽量リムです。これのチューブレス化にはテープを使います。
やっぱし、おすすめはSTANS NOTUBEのチューブレステープです。ぼくはこれしか使いません。
交換の目安は1年
で、このチューブレステープは消耗品です。ふつうのクリンチャー用のリムテープのように空気圧をつねに受け続けます。
で、振れ取りやなんやでテープをべりべりペタペタすると、余分なよごれやダメージを与えてしまいます。
結果、テープがここまで痛みました。
ここに穴があくと、空気がもれます。チューブレス化がままなりません。交換の目安はざっと一年です。
リム内径+3-4mmがジャストサイズ
ウエムラサイクルパーツ梅田店にひとっぱしりして、あたらしいリムテープを買いました。
まったくおなじSTANS NOTUBEのイエローテープ21mmです。正直、21mmはこのC22リムには寸足らずです。
18mmのDT R460リムにはぴったりでした。
リム内径+3-4mmがジャストで収まります。つまり、この22mmリムには25mmのテープがベストです。
が、ウエパーの店頭には21mmテープしかありません。21mmサイズはぎりオンロードです。それ以上のサイズはオフロード系になります。国内の流通はマイナーです。うえーん。
しかし、22mmのリム内径は昨今のMTB事情ではぜんぜんナローです。極細。最近のリム幅のトレンドはプラス用の35mmオーバーです。外径は40-50mmです。ふっと!
うちのつるペタリムの方は内外28-35mmのリムです。これさえが標準よりちょいほそです。
序章のスポークテンションアップ
さて、このリムのニップルは内装式です。ぞくにインターナルニップルです。ニップルはリム内にすっかり隠れます。
で、タイヤをはがして、テープをはがさないと、ニップルにコンタクトできません。この機会に前々からの懸念のスポークテンションをアップしちゃいましょう。
振れ取り台にセットします。
ドライブ側の第一スポークテンションです。1.20-1.30mmで推移します。
ぼくのこのホイールセットのリアをいじくりまわしますが、フロントをいじりません。テンションは出荷時のままです。もちろん、経年で多少のダウンは起こりましょう。
にしても、この1.20mmの手ごたえはややソフトです。
DBフロント=ギア付きリア
ディスクローター側の第一スポークテンションは平均1.60mmです。リムのオフセットはありません。左右のハブフランジは若干のローハイのように見えます。
ディスクブレーキ用のフロントホイールは反転コピーでフリー付きのリアホイールみたいになります。ローター側テンションが高くなるのはふつうです。リムオフセットも逆になる。
て、こまかい部分を置くにして、10%増しのドライブ側1.40-1.50mmを目標にして、ニップルを増し締めしましょう。
セオリーにしたがえば、ローター側を張ってからドライブ側を張ります。振れはありません。全スポークを一律で張ります。
ローター側1周、ドライブ1周半をめどにしますが、ときどき固いニップルに阻止されます。ロックタイトかスポークプレップのしわざだ! も~、へんな緩み止めを塗るなよ~。
個人的にロックタイトのたぐいがだいきらいです。どばどば塗る人はもっときらいです。
ゆるみ止め防止剤の取り方は潤滑剤をかけるか、周辺を温めます。カーボンリムに焼きを入れるのはアレです。呉556をぷしゅぷしゅしましょう。うーん、効果はびみょうです
おかげで均一増し締め大作戦がしっちゃかめっちゃかになって、予定外の振れ取り&センター出しが工程に加わりました。
OK! 結果的に序章のがめんどうな長丁場でした。
チューブレスリムテープを貼る
ここからが今回の本ネタです。チューブレステープを貼り替えます。呉556ののこり香をきれいにふきふきします。なんなら、ひとおもい中性洗剤とぬるま湯で洗いましょう。
リムの汚れです。
チューブレスにはリムテープの密着度がいのちです。このリムのそうじはだいじな下準備です。油脂とダストはNGです。
バルブ穴から貼りはじめる
バルブ穴を塞ぐように貼り始めます。ここは最終的に二層になります。
テープをちょろちょろ小出しにしながら、親指で指圧するようにリムに貼り付けさせます。このテープの粘着力はひんそうです。
そして、テープの素材はペナペナのかちかちです。ガムテープやセロテープみたいにかんたんにはくっつきません。親指でじわじわ圧着させます。ここはけっこうな力仕事です。
で、案の定、テープの幅が足りません。センターのくぼみで吸収されます。両脇が空く。リム内径+3mmサイズが正解です。
バルブ穴で貼りおえる
バルブ穴を越えて、テープをカットします。
MTBリムは一巻き、ロードは二巻きです。一巻き4barてところです。
こんなふうに手動できっちりセンタリングして、気泡をニップル穴に押しやって、空隙をなくします。親指にぬのを当てて、リムをギュッギュとしごくのがおすすめです。
で、バルブ穴をうがちます。アツアツのドライバー、カッター、千枚通し、おこのみのやつで。ぼくははさみでほじくりかえします。
バルブをセットします。ゴムの土台を押しながら、しっかりぎっちりリムナットを締めましょう。
ここからタイヤをセットして、チューブレス化してしまえば、内圧でリムテープにくせをつけられます。
空気漏れチェックポイント
ぼくのチューブレス化経験から空気漏れのチェックポイントをピックアップしましょう。
- リムナットの締めが足りない
- テープの貼りがざつ
- テープにきず
- 砂利やごみがビードにはさまる
そんなところです。シーラントの量は装着時の空気漏れにはそんなに影響しません。でっかいセミファットタイヤも30ccでしっかり密封されます。
反対にここをきっちりパーフェクトにすれば、ピュアクリンチャーのリムを疑似チューブレス化できちゃいます。ビード上げがちょっとたいへんですけど。
それから、YouTubeの動画で検証しましたが3M仮固定テープは中華系の青い格安チューブレス用テープと完全に一致しました。気密性、軽さ、OKです。貼り付けがすこしむずいですが。