自転車のタイヤシステムは3種です。チューブ内蔵のチューブラータイヤ、チューブなしのチューブレス、そして、タイヤと別途チューブのクリンチャーです。

チューブを押し込む
性能上のPROSはとくにありませんが、気軽さと割安さからひろく普及します。弱点は耐パンク性とおもさです。
で、このどちらかを解消しようとすると、どちらかを犠牲にしなければなりません。軽量薄型チューブはすぐにパンクする。耐久厚型チューブはおもくなる。なやましいところです。
一般的なロードバイク乗りは多少のCONSに目をつむって、軽量化てゆう呪文には無条件でハフハフしてしまいます。かるさはロマンだ! 最後のファンタジーだ! ハフハフハフ!
そんなわけで新しい軽量チューブがうちにとどきました。

CONTINENTAL SUPER SONIC チューブ
ドイツ、オレンジ、コンチネンタル、スーパーソニッッック! シュワルベを信仰する敬虔なシュワルベッタントのB4Cが浮気しました。ひとえにかるさのせいです。シュワルベには軽量チューブがない。
軽量チューブ いろいろ
クリンチャーチューブの最軽量はながらくSOYOのラテックスチューブでした。天然ゴム製の薄型軽量高級チューブです。価格はざっと2500円です。目の玉が飛び出ます。
これよりおとくなVredestein版のラテックスチューブは通年に品薄です。たまーに海外通販の在庫がちょろって復活します。1500-2000円です。
で、これらの50g前後のチューブの栄光は新世代のポリウレタンチューブの登場で過去のものとなりました。TubolitoとREVOLOOPはそれぞれ40g前後です。

左・TIOGA UL 中・REVOLOOP 右・Tubolito
左のTIOGA ULチューブがごっつく見えます。でも、これは70gの薄型ブチルチューブです。かさがぜんぜんちがいます。
ポリウレタンチューブの弱点は価格と調達性のわるさです。2018年の春先から流通が開始されまして、2クールが経過しますけど、ドイツ系の通販ストアにしか在庫が出回りません。
そして、TUBOLITOは3500円、REVOLOOPは3000円です。送料がかかると、単価がさらにあがります。コストパフォーマンスは最悪です。でも、真・最軽量チューブです。
Tubolito 700c 実測重量41g
キャップと輪ゴム付きの実測が41gです。ラテックスやTIOGA ULやRAIRがかすみます。前後セットで差は倍にひろがります。
もっとも、ロードタイヤへのシーラントの目安は30ccですが。

シーラント30cc
空気量と転がり抵抗
タイヤとホイール的にはインナーチューブはまぜものです。ぶあついチューブは足回りのピュアさをそこねます。チューブラーさえがこの欠点をかかえます。

チューブラータイヤのチューブ
で、チューブの容積がかさむと、空気の容積がけずられます。結果、のりごこちがわるくなる。そして、ゴムの変形で余分なエネルギーが消費されて、転がりがわるくなる。
薄型軽量チューブでチューブのかさを減らせば、空気の入れ代がふえます。のろごこちがよくなって、転がりがよくなる。
チューブなしのチューブレスののりごこちの良さところがりの軽さはここに起因します。システムにまぜものがない or まぜものの容量が小である。
おまけに耐パンクが上がって、ピンホールは自動的にふさがる。いいことづくめです。これは理想的なシーラントのなじみです。

よくなじんだシーラント
難点は乾燥です。これはだめなシーラントの末路です。

チューブラータイヤのチューブ内で固着したシーラント
ホムンクルスみたいですね、ははは。ハヤク、ニンゲンニ、ナリタイ・・・
熱に弱いラテックスとポリウレタン
ラテックスチューブとポリウレタンチューブの共通の弱点が熱です。リムがブレーキの摩擦熱で100度オーバーの高熱になるリムブレーキ用のカーボンホイールへの装着は基本的にNGです。
もちろん、ディスクブレーキ用のホイールは例外です。DBのリムはホッカホカになりません。

REVOLOOPインスト
でも、DBリムはチューブレスフレンドリーですし、ワイドリムです。ナローリム用の700×23-25cの軽量チューブはややミスマッチです。
やはり、軽量チューブの活躍の場は旧式のリムブレーキ用のクリンチャー用のロードバイクホイールです。リムのおもさをタイヤとチューブで相殺して、チューブラーシステムのかるさに近づける。

フロント810g
「ひとおもいにチューブラーを使えよ」てのはやぼなはなしです。チューブラー=上級者向けのイメージにライトユーザーは戦々恐々します。OSソフトのLINUXみたいなもんですか。
Windows=クリンチャー、MAC=チューブレス、LINUX=チューブラーです。
総合力の軽量ブチル
で、軽量ブチルチューブです。これは熱にやられませんし、アホみたいなびっくり価格でユーザーをおどろかせません。1200-1500円です。国内、海外の調達性は十分です。
パナレーサーのRAIRやUL系のチューブは70g前後です。

パナレーサーRAIR 16-23 700 重量
30-40gのポリウレタンチューブのせいでこのクラスのチューブの特別感がうしなわれました。現代的には70gはふつチューブです。軽量化ロマンスは成立しません。
で、上段のコンチネンタルスパーソニックです。これのカタログ値は50gです。VREDESTEINのラテックスに匹敵し、SOYOラテックスに迫ります。
同クラスのブリジストンEXTENZAの超超薄型タイプは2000円オーバーです。しかも、台湾製だし。このコンチのスパソニは半額です。

最軽量ブチル
TUBOLITOとならべましょう。うすさがひかります。パンクのオーラがにわかにただよいます。これは長持ちしないで~。

TUBOLITOに迫るコンパクトさ
輪ゴムなし、ナットなし、キャップなしの実測です。きっかり55gです。

55g
タイヤセットです。

タイヤとチューブで640g
640gです。-110=530。530/2=275。CX用のコンチネンタルスピードキングが275gです。タイヤ幅は32cです。
ディスクブレーキホイールにぶわって装着します。

軽量ツーリングホイール完成
決戦用超軽量ゆったりツーリングホイールが完成しました。ホイールが1350g、ディスクローターが200g、タイヤチューブが640g、計2190gです。そこらのしょぼいロードの足元よりぜんぜん軽量です。
リム比較はさらにかるくなります。フックレスリム280g、タイヤ275g、チューブ55g、計610gです。せこせこらくらくホイール!
これはデュラエースC24のカーボンコンポットナローリム385g、パナジラー155g、パナRAIR75gの国産愛国セットとどっこいです。てか、クリンチャーで300g以下のリムはほぼない。