自転車のタイヤの種類は3つです。チューブラー、クリンチャー、チューブレスです。
このなかでだれもがおせわになるのがチューブドクリンチャーです。子供用チャリンコにはじめて乗ったその日からクリンチャー歴がスタートします。たのもしいやつです。
が、ママチャリのパンク時にはえげつないわずらわしさになります。

ザ・アウトオンリーチューブ!
うちの現行のチャリ体制はメイン機のチューブレスの街乗りMTBとサブ機のチューブラーのお買い物ママチャリです。単体のチューブの出番はしばらくありません。
でも、それ以前の体制はクリンチャーのルイガノのミニベロ、クリンチャーのGIANTのクロスバイクです。クリンチャー歴のがぜんぜん豊富です。
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マイチューブヒストリー
この時期に純正の重いチューブ、サイクルハンターの50円のジャンクチューブ、パナレーサーの軽量チューブのR’AIRなどなどをアレコレ試しました。
で、最終兵器のラテックスチューブに手を出さず、チューブレスとチューブラーに興味を覚えて、そっちに漬かりきって、いまやクリンチャーの蚊帳の外にいます。
関心はTUBOLITOのみ
チューブ製品の関心は超々軽量のTUBOLITOのみです。MTB用の上級モデルS-turboの29erが44g、ロード用の700cモデルが33gです。
現状、これとクリンチャータイヤの組み合わせが最軽量になります。ラテックス系チューブラーよりシーラント+チューブレスコンパチより軽量です。
ネックは価格です。4000円/1本です。8000円/2本です。+国際配送料で1万はかくじつに越えますねー。2018年春先にデリバリーが始まります。なやましいところです。
復活クリンチャー!
しかし、邪道の改造でクリンチャータイヤの出番がうちに復活しました。きっかけは中華カーボンホイール二号機です。

前後ホイールセット完成
フロント615g、リア725g、ペア1340gの軽量チューブレスホイールです。重さはフルクラムレーシングゼロカーボンとタメです。
本来の用途はクロスカントリーみたいな高速オフロード用です。強度は32本組の太リムの1660gの初代中華カーボンホイールに劣ります。

前後ホイール完成
二号機のリム幅の内外は22-27mmです。内径は20mmオーバーですが、外径の27mmはロードホイールと大きくかけ離れません。
外法カスタム、チューブレスのクリンチャー化
この軽さとリム幅を活かして、外法のカスタマイズをほどこしました。チューブレスホイールのチューブドクリンチャー化です。
このチューブレスリムにはビード受けのストッパーがありません。リムのサイドはつるぺたの壁です。

通し番号
最近のオフロード用の中華カーボンのチューブレスリムはほぼこれです。HOOK LESSリムです。もともとはアメリカのカーボンパーツ屋のENVEの設計ですね。
リムサイドにビード受けのHOOKがなければ、タイヤがより自然な形でふくらんで、よりたくさんの空気が入ります。
反面、空気圧を入れすぎると、内圧でタイヤのビードをバッカーン! て吹き飛ばしちゃいます。このリムの限界値は50psiです。3barが上限です。
ちなみにビードがバッカーン! しても、リムやタイヤはとくにダメージを受けません。再セッティングすると、ふつうにチューブレスで使えます。ケブラーもカーボンも強靭な素材です。
で、このリムにふつうにクリンチャータイヤを付けても、3barまでしか上げられないなら、細タイヤの真価を発揮できません。
チューブでむりやり高圧に
解決策はチューブです。ロード用のタイヤをセットして、チューブを入れて、空気を入れると、適正空気圧までふつうに上げられます。

7bar達成
推定320gのリムの軽さ、BOOSTスルーアクスルの剛性、415mmのMTB的にはショートなリアセンターが手伝って、加速がえげつないレベになります。
たぶん、30kmまでの瞬間的な加速はロードを超えます。はからずもイビツな化け物が誕生してしまいました。ミュータントバイクです。
そこからの伸びはありませんし、高速維持はくるしいところですが。ピキピキピーキーな刺激的なチャリンコです。
タイヤ幅は27mmのリムときれいなツライチになります。疑似セミディープです。

ツライチッシモ
むしろ、タイヤのトレッドのふくらみとか、ビードの接地面のシンプルさとかはHOOKEDリムより好印象に思えます。こんなふうにめっちゃきれいにタイヤの丸みが出ます。
これで100kmを走りますが、特段の不安を感じません。常用できます。将来的にはカーボンクリンチャーの全般がこのHOOKレスタイプになりえますね。
Vittoriaの付属のチューブが110g!
このタイヤはVittoriaのRubino PRO G+です。グラフェン入りの現行の世代のRubinoです。タイヤ幅は25cです。実測は上段のとおりです。

ルビノプロセット中身
限定数のタイヤとチューブのセットパッケージ製品です。ウエムラパーツの店頭現金特価が税込6048円でした。
タイヤの重量の実測は250g-260gです。まあまあのグリップ、そこそこの転がり、スマートなロゴデザインの普段使いタイヤです。これはGOODです。
が、付属のVittoriaのチューブ、これがだめです。Vittoriaのものはねじスレッドなしのバルブです。チューブレスユーザーのぼくはこの形状を好みません。ナットでぎゅっ!とさせて~。
そして、重量が驚異の110gです。タイヤ250+チューブ110=360gになっちゃいます。当初の予定より足回りの軽量化がはかどりません。
オフロードの超軽量タイヤは360-450gです。最軽量はSchwalbe frious fred Addixです。2インチがなんと360g!です。
シーラント40gを足しても、400gに抑えられます。そして、エアボリュームとグリップとパンク耐性と転がり抵抗の軽さを得られます。
その利点にわざわざ背いて、クリンチャーのロードタイヤをイレギュラーに使うなら、もう少し軽量にしましょう。
250gのタイヤに110gのチューブはアンバランス
おまけに250gのタイヤに110gのチューブはアンバランスです。チューブが足回りの全体の27.7%を占めてしまいます。
最終的にチューブは混ぜ物になっちゃいます。タイヤの本来の持ち味がチューブのために損なわれます。乗り心地と転がりはとくに影響を受けます。足回りの内訳は重要です。
で、軽さと比率を完全するために軽量チューブを物色します。以前、ラテックスチューブの記事を書いたときに軽量タイヤと軽量チューブをひとしきりにおさらいしました。予備知識はあります。
ラテックス系は減圧します。チューブドリンチャーシステムの気軽さとは相反します。
パナのR’AIRはミニベロの主役でした。定番の噛み込みパンクを何度かやらかしましたが、ぼくの荒い乗り方によく耐えました。グッド軽量チューブです。
でも、R’AIR最近の値上げ値上げで高級品の仲間入りを果たしました。700×23-28cの48mmバルブの実売が1500円です。x 2=3000円です。ビミョーに足が遠のきます。
1000円/1本以内で候補をしぼります。BS EXTENZA、MAXXISウルトラライトチューブは予算をオーバーします。
安い! 軽い! TIOGA UL
最終回答はTIOGA ULです。

TIOGA ULチューブ
1本660円です。ものはBS EXTENZAやMAXXISウルトラライトとおなじです。ちがいは販売元、名前、パッケージです。製造元はともにCST、台湾のチェンシンタイヤです。
チューブのスタンプです。”made in Taiwan”の刻印が3社で共通します。

TIOGA チューブのスタンプ
実のところ、ぼくはそんなうらばなしを知らずにミニベロの20インチのTIOGA ULをたまたま買って、「あ、R’AIRの代替になる」と直感的に思いました。
実測70g
TIOGA UL 700×18-25c 48mmバルブの実測です。

チューブの実測70g
ぴったし70gです。BSは67gで1200円です。R’AIRは66gで1500円です。TIOGA ウルトラライトチューブの安さがきわだちます。
日本製のR’AIRの価格の高騰はぎりセーフですけど、外注のOEMのBS EXTENZAの1200円はビミョーなところです。ネームバリュー、ブランドパワーのすばらしさですね!
タイヤx2 チューブx2の実測です。

Vittoria Rubino PRO 25c x 2 TIOGA UL x2
635gです。x1のセットは317.5gです。純正のチューブx2から80gの軽量化が成功しました。そして、重量比は22%まで下がります。タイヤのピュアさが回復しました。
同クラスのブランドチューブの半額
80gはバイクの全体の重量にはささいな軽量化ですが、足回りには大きな軽量化です。なにより出費が1300円で済みます。
安い、軽いTIOGA インナーチューブウルトラライトはほんとにおすすめです。この良心的な価格が末長く続きませや~。