実質3M仮固定テープ? 中華リムテープでチューブレス化

ぼくのうちには数セットの自転車用ホイールがあります。ロード用が1.5セット、MTB用が4セットです。うちの一つはグラベルタイヤでツーリングモードになりました。

KOHA HONZO ツーリング仕様

乗り味がイメージ通りで、Youtubeでの評判は上々で、わたしはごまんえつです。ちなみにこの足回りはチューブレスレディです。

ぼくはすでにクリンチャーシステムとはおさらばしました。空気入りチューブはレギュラーではありません。リム打ちパンクは噛みこみパンクは平成と共に過去のものとなりました。

で、MTB用の4セットはチューブレスです。ロード用の1セットはチューブラーで、0.5セット=リアホイールがチューブレスです。クリンチャーの余地はありません。

リムテープ死す

春先にぼくは26インチのホイールを手組しました。

26インチBOOST
26インチBOOST

26インチのホイールはすでに主流ではありません。現在のMTBホイールは27.5と29のダブルスタンダードです。

じゃあ、なんでわざわざ26erを組んだか? 好奇心、手組の練習、トリックの練習用、Youtubeのネタ作りです。

メインは強力な29erのカーボンホイールです。しかし、このホイールサイズは小技には向かない。技の練習をすると、車輪に振り回されます。

マニュアルの態勢
マニュアルの態勢

上げる系の技、回す系の技でもたつく。技術不足だあ? それは禁句です。おっさんはそうそう成長しません。維持がせいいっぱいだよ!

手足の短さはなおさらです。それを言うな!

この4セットのホイールをとっかえひっかえにしますと、ついつい油断して、管理をおろそかにします。

5月頃よりこの26インチのホイールはしばらく風雨と日照りにさらされました。で、ひさびさに使おうと思って、空気を入れますが、手ごたえを感じられません。

タイヤを外すと、事態に直面します。

気密テープが浮いて、水気が・・・

バルブの根元のテープにあきらかな『浮き』が見えます。そこから水気がちょろちょろ出てくる・・・

自動車用バルブとダクトテープ

この26インチホイールはイレギュラーのフェスティバルです。サイズがすでにヴィンテージです。バルブ穴は仏式でなく米式です。テープはホームセンターのダクトテープです。

気密防水テープ
気密防水テープ

これをリムの幅に切り出して、ぐるぐる巻いて、自動車バルブをハンマーでがんがん叩き込みました。それでも、ふつうにチューブレス化できました。

が、その後の保管状況が今回のアクシデントを招きます。まあ、常識的にテープの野ざらし雨ざらし風ざらしはかんばしいものじゃありません。てか、最悪だ!

つでに米式バルブも取り外しの段階でジャムりました。

米式バルブ破断

自転車の米式リムに自動車の米式バルブはNGです。チューブレス化するなら、自転車用の米式チューブのバルブを調達して、自作バルブをDIYしましょう。

自転車用米式チューブレスバルブはありません、たぶん。

27.5インチホイールよ、おまえもか

悲劇はこればかりではありません。別の27.5インチホイールもダクトテープでチューブレス化されました。

650bホイール

こちらはほんの一回の実走のあとですっかり忘れ去られて、26インチと同じくしばらく屋外放置されました。テープの野ざらし、ダメ、ゼッタイ!

直射日光、紫外線、温度の変化、乾燥、湿気、これらはテープにもゴムにも金属にもカーボンにも塗料にも良い影響を与えません。チャリはひまわりじゃない。

自転車の保管の最適な場所は干物や味付け海苔と同じです、室内の冷暗所。

あと、ダクトテープの糊はわりに強力です。27.5インチのリムはこうなりました。

テープの糊がハンプに乗る

糊がリムの内側の段差の部分=チューブレスリムに特有の『ハンプ』て部分に寄ります。多分にこれは屋外放置の日照りと通り雨の繰り返しのたまものでしょう。

  1. ホイールが放置される
  2. 雨降る
  3. 糊溶ける
  4. 糊乾く
  5. 2,3,4を何度かループ
  6. テープ台無し、リムべとべと

チューブレス用のリムテープの糊は比較的にマイルドです。定期的な交換が前提にありますから。一方のダクトテープには交換の概念はありません。で、糊がきつくなります。

まあ、手順1の保管状態が全ての原因です。アマゾンでタイムマシンをゲットして、過去の自分をしばきに行こうと思います。

新たな代用品のリムテープ

ぼくはこれに懲りまして、新しいテープを調達します。今度のものは汎用のダクトテープでありません。正真正銘の自転車用のチューブレス用のリムテープです。

左から中華リムテープ ダクトテープ STANSリムテープ

右の黄色いのがメーカー物のSTANS NOTUBE イエローテープです。9m/2000円の高級品です。値段以外の不満点はありません。

まんなかの黒いのが前回の気密防水テープです。ぼくみたいに保管状態を間違わなければ、ふつうにチューブレス化できますし、1年から使えましょう。すぐに買えるし、たっぷり使える。

で、今回の新たなチャレンジャーが左の青いやつです。中華大陸より無料のメール便でえっちらほっちらやってきました。

こちらは10m/700円です。STANSの純正テープの半分以下の価格です。ショップのレビューは上々で、星4.5の高得点をたたき出します。

メーカー物のチューブレステープの割高さは世界中のMTBerの悩みの種です。

3M仮固定用? メーカーのOEM?

このテープの比較動画をYoutubeにアップしましたら、「3Mの仮固定テープにそっくりだ」とか「ALEXRIMSの純正テープに見える」とかてコメントを頂けました。

3Mは有名なシールとテープのメーカーです。いろんなテープやシールを出します。GoProのマウントの両面はここのやつです。

で、この仮固定テープの本来の用途は不明ですが、アマゾンのレビューはロードバイクのチューブレステープの代用品の報告で埋め尽くされます。

たしかに色はおんなじです。またいくつかの自転車パーツ屋の純正チューブレスキットのテープも同系色です。OEM?

まあ、自転車業界含む製造業界ではOEMはふつうです。こんな小物のOEMはおどろきではありません。メーカ純正が高すぎる!

リムテープ交換

では、この格安リムテープをリムにセットしましょう。正直、汎用ダクトテープでの代用よりキワモノ的なノリはありません。ものがただの格安チューブレスリムテープですし。

唯一の誤算がテープの幅です。26インチのリムに合わせて、29mm幅のものを取り寄せました。しかし、27.5mmのリムはそれより幅広です。

リムテープを貼る

テープの幅の適正値はリム内径+2-4mmです。この27.5インチホイールはDUROC 40です。40の名のごとく外幅が40mmです。内幅は30mmオーバーです。

結果、内側のハンプの部分にテーブが及びません。両サイドが丸見えです。が、中央の溝部分はぴったり隠れます。

このテープの糊はリムテープらしくマイルドです。接着面はべたべたしない。貼り直しがかんたんです。

半面、しっかり空気を抜いて、リムにぴたっと圧着させないと、良好な気密性を確保できません。親指で指圧するような気持ちでやります、キュッキュッキュッ!て。

リムにくるっと一巻きして、はさみでぱっつんし、バルブ穴を熱々のアーレンで焼き切ります。

熱したアーレンキーでバルブ穴を開ける

作業は以上です。手触り、貼り付けやすさ、重さはとくに問題なしです。

ビード上げのと減圧の推移

チューブレス化の難関がビード上げです。グーグル検索の「ビード」のサジェストの最有力は「上がらない」です。

ただし、最近のチューブレスタイヤやチューブレスタイヤは過去のものと比較になりません。電動ポンプ、圧縮タンク付きフロアポンプ、Co2インフレーターみたいなも小物も充実します。

案の定、ビード上げはかんたんでした。エアタンクなしでOKでしたよ。

ビード上げ

ところで、自転車のチューブレスはおもにチューブレスレディです。パンク防止剤のシーラント液の投入が前提です。

これはタイヤの空気漏れです。

空気漏れ

小さな気泡がしゅわしゅわします。チューブレスレディ系のタイヤにはこういうピンホールがふつうにあります。シーラントが浸透して、これを塞いで、気密性を保持します。

ピュアチューブレスはシーラントを必要としません。タイヤのみで気密性を維持します。おかげで重量がかさみますし、外部要因のパンクは塞がりません。

チューブレスレディの方がなにかと安心です。

で、タイヤの減圧はふつうです。24時間ですこし柔くなり、三日でぺこぺこです。しかし、これはタイヤの新しさが原因でしょう。シーラントの浸透が不十分です。

総合結果

今回の中華の激安リムテープの満足度は90点です。ダクトテープの不満点が改善されますし、STANSのイエローテープより安価です。

-10点は調達のしにくさですね。まあ、MTB用の幅広のサイズのテープの調達性は国内ではよろしくありません。いや、テープに限りませんが。

結局、海外通販がたのみです。国際配送のタイムラグを見越して、さきざき買い物しないと行けない。クレカの請求が!

後日、例の3M仮固定テープを取り寄せて、比較実験をしました。結果は中華テープ=3M仮固定テープです。