2010年以降のスポーツバイクのトレンドが脱ワイヤー、脱ケーブル、脱紐です。
ブレーキは油圧ディスクブレーキになり、変速機は無線化します。
![マスターシリンダーのプール](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2017/12/246b77ba04329b9d8e17866c3624269d.jpg)
電動ブレーキは安全面の観点から実用化されませんが、十分に可能な技術です。どこが実用化して、市場に投入するか? シマノ、パナソニック、ヤマハ?
まだまだ健在、ケーブルワイヤー
一般の自転車のブレーキやシフターの動力は手動で、伝線はアナクロなスチールワイヤーです。
![各種ケーブル 左・シフト 中・リアブレーキ 右・フロントブレーキ](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2017/03/ffba5a36e72c4cb19c249ba95ce2adb5.jpg)
日本の交通法では自転車には前後の制動装置が必須です。ブレーキ用のアウターケーブルx2とインナーケーブルx2は不可欠です。
で、このケーブルワイヤー類は消耗品です。交換の目安は1、2年です。つまり、世間の大半のママチャリやシティサイクルのケーブル類はあきらかにオーバードーズです。
スポーツバイクのケーブル類のメンテをサボると、本来の性能を発揮できません。線の通し方、止め方で操作感が激変しますし。
例のごとく、自転車屋の整備の仕上がり具合は担当者の腕前と気分に大きく左右されます。工賃は1000円/1本です。結局、自前でこまめにやるのが安心で安上がりです。
で、ライトなDIYの駆け込み寺のダイソーへ行って、ケーブル取り回しのための工具を調達します。
![ダイソー工具コーナー](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2018/07/36f4f8a7216ec0582712c4b882ce9c71.jpg)
はい、ニッパーですね。右上が100円、左上が200円、下が300円です。
価格の違いは台座の型紙と本体の重さです。100円のやつはあきらかにチープ、200円はそこそこです。
これとべつにダイソーケーブルカッターが存在します。が、今回はカット能力の比較のためにあえてのニッパーです。
ダイソーニッパーでケーブルカット
今回の主役のダイソーニッパーです。ニッパー=汎用カッターです。
![ダイソーニッパー開き](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2018/07/ee8788a3d1cf8e64d013c16eab0b746c.jpg)
で、こちらがケーブルカッターです。ケーブルカッター=ケーブルワイヤー専用です。パークツールのこれは自転車ケーブル専用のカッターです。3000円の高級品です。
![パークツールケーブルカッター](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2018/07/a9353496d3446f93eeae5dbefee4b95b.jpg)
はい、刃先の形状がぜんぜんちがいます。ニッパーはフラットですが、ケーブルカッターはオウムのくちばしみたいに湾曲します。
第一戦・ブレーキアウター
自転車のケーブルワイヤー類は全4種類です。ブレーキアウター、ブレーキインナー、シフターアウター、シフターインナーです。線の細さや束ね方がそれぞれことなります。
ブレーキアウターとシフターアウターはぜんぜん別物です。
![複数直線のシフターと単線螺旋のブレーキ](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2018/04/8d6dd23083c1f8a848e57374520e39b4.jpg)
左の結束タイプがシフター用、右の螺旋タイプがブレーキ用です。そして、太さがちがいます。ブレーキアウターのがやや太めです。
が、カットのしやすさは太さに関係しません。実際問題、ブレーキアウターケーブルはもっともイージーな相手です。
さて、開幕戦はケーブルカッターのデモンストレーションです。
![パークツール vs ブレーキアウター](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2018/07/f799c4dfd53c6249de0ba160e5b84965.jpg)
「ばっつん!」
![ブレーキアウター切り口 by パークツール](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2018/07/96bff38597e7834a5c6d019e3fa13983.jpg)
はい、一撃でした。結局、ブレーキアウターの鋼線は一本の針金のようなものです。なんらの支障はありません。
ダイソーニッパーのお手並みを拝見しましょう。
![ブレーキアウター vs ダイソーニッパー](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2018/07/230fe496e6a6807aa2ad198a93b9d3d4.jpg)
「ぱっつん!」
![ブレーキアウター切断面 by ダイソーニッパー](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2018/07/322f97fe19e498693e282587f3a24a50.jpg)
はい、OKです。手ごたえはまんま針金です。ゴムの皮膜は問題になりません。事前に皮むきをして、螺旋の鋼線をピンポイントで狙えば、はさみでカットできます。
第二戦・インナーケーブル
自転車のブレーキとシフターのインナーケーブルは細いスチールのより糸です。太さはちがえど、タイプはおんなじです。
で、こんなふうに一本のワイヤーがちょろってほつれると、上から下までえんえんほつれます。まき直しはたいへんです。
![ジャンクインナーワイヤーで外し](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2017/03/ea926c4a82b0616961e03429b430c532.jpg)
パークツールのケーブルカッター師匠が手本を見せます。
![インナーケーブル vs パークツール](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2018/07/5847fe85d58e9f2195821fde71448950.jpg)
「ばっつん!」
ニッパーさんが続きます。
![インナーケーブル vs ダイソーニッパー](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2018/07/c979710cdf06fff87517367a0c6f6ce2.jpg)
「ごりごり!」
はい、手ごたえのギャップがあきらかにありました。ニッパーでインナーを切ると鋼線の束の抵抗を感じられます。ばっつん感がない。
こちらが切り口の近影です。見やすさのために黒ケーブルの切れ端を作りました。あしからず。
![インナーワイヤーの切り口](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2018/07/2b1beadd1f143593d10ca6abee9aa1a2.jpg)
致命的な差はありません。ケーブルカッターの仕上がりは安定です。ニッパーは力を一気にかけないと、高確率でほつれを引き起こします。
これはのちのちにピロピロの悲劇になります。ハンダや接着剤で切り口を固めましょう。
![瞬間接着剤でほつれ防止](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2018/07/9966fc179be95013f3b5d340cc2a12f3.jpg)
最終戦・シフターアウター
ケーブルワイヤー類のラスボスがシフター用のアウターケーブルです。上記のように細いスチールワイヤーで構成されます。切り口はひまわりか巻きずしみたいになります。
シフターアウターにはブレーキアウターみたいな鉄線のピンポイント切断が通用しません。汎用と専用の差が大きく出ます。
ケーブルカッターは安定のばっつんを披露します。
![シフターアウター 切り口 by パークツール](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2018/07/5bc3b6d1fd2d989eca4d8f7d72960d08.jpg)
一方のニッパーはこのざまです。
![シフターアウター vs ダイソーニッパー](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2018/07/7388f58ec329f4209d1d5f5e2481c33b-1.jpg)
![一回ではむり](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2018/07/7d528f8bc10c9c8708343464aa7c23e9.jpg)
手ごたえは「むにょん!」です。カット感は皆無です。
これはひとえにニッパーのフラットな刃先のせいです。ニッパーの刃はケーブルカッターのくちばしみたいみたいに反対側まで交差しません。カットがフラットな部分で止まります。
で、上みたいに圧縮まで行けても、切断まで行けません。じわじわ押しつぶせるが、一気に切り落とせない。方向を変えて、二度切り、三度切りをせねばなりません。
ダイソーニッパーの戦績
この300円のダイソーニッパーの実用度はそれなりです。
きっちりかっちり几帳面派にはHOZANのものがおすすめです。パークツールの日本代理店で、大阪なんばのしにせの工具屋さんです。