自転車はアウトドアです。趣味のチャリはだらだら長引きます。サイクリング、ポタリングは2~3時間でさくっと済まない。
で、この長丁場のアウトドアを楽しもうとすると、チャリ以外のものをしこたま準備せざるを得ません。
パンク一発で1時間の押し歩きなどは山ではざらです。
自転車遊びの必需品
自転車=アウトドアです。活動領域は屋外です。そこはホームではありません。ニュートラルないしアウェーです。
なじみのコースさえが天気や季節や時間でがらっと豹変します。
サイクリングの備品の数量はハイキングのそれとどっこいです。遠足以上、登山以下です。実際問題、アウトドアグッズの流用は部分的に可能です。
うらはらに備品なしでチャリひとつでぶわーって出かけると、身近なサイクリングをドキドキのプチアドベンチャーにアップグレードできます。
ロード系細タイヤにはちっこいみぞがアトラクションです。
自転車
自転車あそびの基本は自転車です。車種は不問です。国内の道路事情ではクロスバイクがなかなかのオールラウンダーぷりを発揮します。
自転車なしのサイクリングはふつうの遠足です。で、やっぱり、アウトドアです。着のみ着のままではかいてきに遠足できません。
リュック、おべんと、のみもの、おやつ、ぼうし、タオル、旅のしおりとかがたのしい遠出には不可欠です。
ペダル
実用自転車にはペダルが付属します。オレンジの反射板入りの樹脂のくろいやつです。ペダルは商品、値段の一部です。
他方、スポーツバイク、本格自転車にはペダルが付属しません。販売物のセットの一覧に入らない。ペダルは別途です。
本格自転車のペダルは用途、ジャンル、スタイルで細分化します。へんなちゃっちい用途外のペダルをおまけされても、使いどころにこまりますし。
ペダルは2000-30000円です。フラットペダルがてごろです。
ビンディングペダルは5000円~です。そして、専用のシューズが別途の別途になります。1万オーバーの出費が決定的です。
おまけにシューズのサイズが欧米基準です。純国産の日本人のべた足には標準のサイクルシューズは窮屈だ。
幅広のアジアンフィットさえもぼくの脚にはややタイトです。3E、4Eがない。
結局、3000-5000円のフラペ+お気に入りのスニーカーやランシューがやすあがりでオールラウンダーです。
ライト
自転車は軽車両です。夜間走行、トンネル走行にはライトが必需です。無灯火はとりしまりの対象です。
フロントライトは白、リアライトは赤か橙です。青のフロント、緑のリア、いずれがNGです。それから、点灯はOKですが、点滅はNGです。
夜に走らないでも、アウトドアでは暗い場面にはしばしば遭遇します。スマホのライトは30-60ルーメンです。3メートル先しか照らせません。力不足。
フロントライトの交通法の規定が『10m先の路面を照らせること』です。60×3≒200ルーメン前後がおすすめです。
山の夜道では1000ルーメン以上がマストです。
ベル
警音器の装着は抜本的な交通法では無規定ですが、各都道府県が条例で補足的に義務化します。ベル、鈴、ラッパ、ニワトリ、いずれがOKです。
価格は100-5000円です。デザインでえらびましょう。ただし、これをみだりに街中でつかうのは禁物です。
ベル、警音機の使いどころは『警笛鳴らせ』の区間や視界不良の場面のみです。歩行者をどかすのには使えません。それは本来の意図ではない。
着用は義務、使用は禁物、これが自転車のベルです。この理不尽な実態からつける派vsつけない派の不毛なあらそいが止みません。
空気入れ
スポーツバイクのタイヤは生ものです。ぴちぴちの旬はすぐに去ります。理想の空気圧は三日ともちません。
で、空気入れ、空気圧チェックはその都度です。スポーツ選手が競技の前にくつひもを結びなおすようにチャリダーはタイヤの空気を入れなおします。
これはおおげさなはなしでなく、自転車の性能や性格はタイヤの空気圧で決まります。
据え置きのフロアポンプは3000円~、携帯ポンプは2000円~です。兼用はむりです。自家用と携帯用をそろえましょう。セット5000円です。
鍵
ママチャリやシティサイクルは街にとけこみます。スポーツバイクは街からうきます。ことさらにシンボリックなドロップハンドルは問答無用で周囲の人目をあつめます。
ドロハン=ロード=高価、という連立方程式がこの数年で完全に普及しました。悪党、無邪気なキッズ、いずれがこの特徴的なパーツにすいよせられます。
実際問題、ぼくがママチャリをドロハンに改造して外置きにしたら、途端に通りすがりよっぱらいや学生にいじられました。
フラットバーではこんなことはついぞ起こりません。
てことで、ドロハンバイクのオーナーさんには鍵、ロックが必需です。街乗り、コンビニ、トイレ休憩こそがデンジャラスです。
上のラピエールみたいにフレームに1個、ホイールに1個がロードの鍵の基本的なかけ方です。
ホイールには防犯登録や車体番号がありません。で、中古価格がわりに安定です。おいしい商材です。
フレーム用2000円、ホイール用1000円ですね。
備品の総額はおいくら?
- ペダル:3000円
- 前後ライト:3000円
- ベル:500円
- 空気入れセット:5000円
- 鍵:3000円
- 計:14500円
です。格安系をおりまぜれば10000円に、ブランドものを使えば20000円にできます。アウトドアの初期投資はだいたいこんなもんでしょう。
ややスポーティにせめるなら、メット、けつパッド、ひざガード、ひじガードみたいなプロテクタ系の装備を追加投入します。+10000円ですね。
ここから競技系の道をつきすすむと、GPSサイコン、アクションカメラ、パワーメーター、スマートトレーナー、サプリメントみたいなものに手を出しちゃいます。
備品の多さは釣り、ゴルフにそっくりですし、総合的な出費はスキューバダイビングに匹敵します。
とりあえず、初心者はロードバイクのパンク率とアウトドアの自力救済の理念を考慮して、予備のチューブと携帯空気入れを買いましょう。