- 総合評価は4.5/5 ★★★★★
- 貴重な球蹴り用4Eトレシュー
- 無印からNEOでさらに幅広に
サッカーやフットサル用のトレーニングシューズ、ミズノモナルシーダの感想はこのようなものです。
無印からNEOへのアップデートで細かいアップデートが入りました。以下で詳しく解説します。
ミズノモナルシーダNEOの基本情報
国内の二大スポーツアパレルメーカーは神戸のアシックスと大阪のミズノです。
大半のメジャースポーツのシューズやウェアはこの二社で揃います。そして、日本企業らしく日本人向けの商品展開が万全です。幅広甲高の救い主だ。
難点はデザインとブランドです。アシックスとミズノはスポーツアパレルの定番中の定番ですから、教育の現場で良く使われます。
学校指定感、部活風味が出てしまう。全体の印象が海外のナイキ、アディダス、NB、プーマなどより垢抜けません。
ぼくは二回連続でasics GT2000 NEW YORKを買って、機能・性能には満足しましたが、スカッとしたおしゃれさを求めて、NIKE ZOOM PEGASUS 4Eに浮気しました。
競技用シューズの4Eの少なさは異常
ランニングシューズやウォーキングシューズの幅広タイプの選択肢は一昔前より豊富です。
しかし、その他の競技用専門シューズは未だに暗黒時代の最中にあります。標準ワイドの2E幅がせいぜいだ。3E~のバリエーションは超限定的です。
実際、室内サッカー=フットサルのシューズの4EモデルはこのMIZUNO MONARCIDAしかありません。
asics CALCETTO WDは3Eですし、その他はほぼD~2Eです。HummelやDiadoraはややゆったり系ですね。
つまり、ランシューやスニーカーみたいに替えが効きません。球蹴り用のトレシューの選択肢はミズノモナルシーダのみです。
先代は無印でしたが、最新版は”MONARCIDA NEO”になりました。”SUPER WIDE”のタグが見えますね。
ちなみにMONARCIDAシリーズにはサッカー用スパイクやカンガルー革仕様のジャパンモデルもあります。
サッカー・フットサル用の唯一の幅広甲高トレーニングシューズ
今回のMIZUNO MONARCIDA NEO SW ASは2020年春夏販売の最新版です。商品タイトル内の”SW”は”SUPER WIDE”の略です。
同じ法則で”WD”はワイドタイプです。
モデル名 | MIZUNO MONARCIDA NEO SW AS |
価格 | 税込8800円 |
素材 | アッパー:人工皮革・人工皮革(マイクロファイバー) ソール:ゴム底 |
インソール | ゼログライドライトカップインソール(取り外し可) |
原産国 | インドネシア |
サイズ | 24.0~30.0cm |
幅 | 4E相当 |
カラー | ホワイト×ブラック×ブルー |
説明 | 甲高、幅広選手にオススメのスーパーワイドフィットのトレーニングモデル。 |
備考 | 男女兼用、ワンカラー、ワンワイズ |
サッカー・フットサルのシューズのアッパーは天然皮や合皮です。高級モデルには一般的な牛革でなく、しなやかなカンガルー革がよく採用されます。
逆にランニングシューズでは定番のメッシュ素材は使われません。何分、競技がフットボールです。
走る以上に蹴るシーンが多発します。アッパーの強度が重要です。軽量なメッシュ素材は繰り返しのキックの衝撃に耐えられません。すぐに痛んで破ける。
ちなみに天然皮は経年で馴染みますが、人工皮革はそう伸び縮みしません。最初のサイズ感やフィット感がそのまま継続します。
またこのゴムスパイク付きのトレーニングシューズは体育館のフローリング床では非推奨です。
フットサル利用できる公共の体育館ではだいたい『あめ色か白のフラットソールのインドアシューズ』が推奨です。
私は屋外の人工芝コートかタイル床コートでしかプレーしませんから、このイボイボ付きを買いました。
そもそも4Eのフラットソールの室内用のフットサルシューズがない。
使用者の身体情報
ランニング、サイクリング、フットボールをこよなく愛するB4Cさんの足のデータは以下の通りです。
性別 | 男性 |
体系 | 中肉中背 |
素足サイズ | 25.5cm |
スニーカーサイズ | 26.0-26.5cm |
素足幅 | 11cm |
スニーカー幅 | 4E |
JISの適正幅 | F |
土踏まず足囲 | 26cm |
母指球足囲 | 27cm |
足型 | エジプト・ギリシャ型 |
JIS=日本産業規格のデータではこの足の適正widthはF幅となります。しかし、4Eトレシューがすでに貴重ですから、それより上のFのシューズは都市伝説です。
またフットボール系のシューズのラスト(アッパーの内側の作り)はランニングシューズやスニーカーよりタイトです。
今回、ぼくは26.5cmを取り寄せましたが、やや窮屈さを感じました。もっとも、がばがばルーズはさらに良くありませんが。
MIZUNO MONARCIDA NEO SW ASの特徴
このミズノモナルシーダはぼくの二足目のモナルシーダです。先代の無印モナルシーダを2年ほど使って、こちらに乗り換えました。
個々のシューズを見ても気付きませんが、並べて比較するとデザインの微妙な違いを確認できます。ミズノのロゴが小さくなって、ソールが黒から青に変わった。
ちなみに右の旧型が26.0cm、左の新型が26.5cmです。26.0cmは私の足には明らかに小さめです。
で、合皮は経年で伸びませんから、サイズ感は永遠に変わりません。
8800円は最廉価モデルでなく、ミドルグレードの価格設定です。チープなところはありません。
そして、SWモデルは同グレードの標準モナルシーダよりやや割高です。
個人的にはカラーバリエーションの少なさとデザインの地味さが不満です。フットボール系のシューズはわりとハデハデイケイケ系ですから。
シューホールの改良でアッパー拡大
新旧モナルシーダのコンセプト、サイズ感、フィット感はほとんど同じです。基本のラスト(足型)は同一のものでしょう。
形状の大きな改良点はシューホールの部分です。
右側の旧式のシューホール部分の形状は標準的なストレートタイプです。片や左側の新型の同部はうねうねの波型です。
このパターンのおかげでこの部分がより大きく広がります。
実際に足を入れて、靴紐を緩めて、ワイズを調整してみました。
このモデルのアウトソールの幅はランニングシューズやスニーカーより細身です。
必然的にもっとも広い親指と小指、母指球と小指球回りが外に飛び出します。で、このアッパーの広がりを稼ぐのがうねうね形状です。これがNEOの由来でしょう。
あとレースを最上段の穴まで通すと、明らかに靴紐の長さが足りません。このようにちょうちょ結びが異常に小さくなるのは幅広甲高の宿命です。
フットサルシューズは全体的に小さめです。これはひとえにボールをうまくコントロールするためです。アッパーがルーズだと、タッチ感がぼやけます。
それから靴の中に変な遊びがあると、ダッシュやキックのときに足がずれて、爪が割れたり、指が突き指したりします。
ランニングシューズとトレシューのソールの幅の比較です。
widthは共に4Eですが、ソールの幅はここまで違います。トレシューの4eはランシューやスニーカーの2eくらいしかありません。縦のサイズはほぼ一緒です。
この特徴からトレシューやフットサルシューズを普段使いにするのはおすすめの使用法ではありません。靴が蒸れるし、足が疲れます。
ヒールは高くて硬くて狭い
フットボール系スポーツの動作は数十メートルの中距離走と数メートルのダッシュやキックの繰り返しです。
ランニングやジョギングより明らかに高負荷です。さらにマンツーマン、攻守の切り替えが含まれると、瞬間的な強度は100%を越えます。
カウンターのカウンターのカウンターなどは地獄です。
シューズはこのシーンに準じます。長距離クッション型でなく、中短距離ハイスピード型です。ソールは薄めで、ヒールは高めです。
トレシューのソールの厚みは左のランシューからミッドソールを引いたくらいしかありません。でも、ヒールの上端はランシューより高い位置に来ます。
上述のように足が靴の中で動いてしまうのはプレーにもフィジカルにも致命的です。踵のすっぽ抜けはシューズ的にはレッドカードだ。
アッパーはかっちり足元を固めに来ます。ゆえにヒールは高め、硬め、狭めです。
実際問題、素足でこのシューズを履いてプレーすると、20分くらいで足首の皮をガリガリに削り落としてしまいます。ハイソックスが必須です。
インソールはふつう
MIZUNO MONARCIDAのインソールは専用のもので、『ゼログライドライトカップインソール』という大層な名前を持ちます。ミズノ公式ショップでは1650円です。
グライド=滑るですから、ゼログライドは横滑り防止みたいな意味合いでしょう。ハイグリップ系のインソールです。取り外しが可能。
多分、先代の無印モナルシーダのインソールもゼログライド系でしょうが、アッパーの容量稼ぎのために購入直後に箪笥の肥やしになりました。
今回、この経験を活かして、26.5cm買いましたから、インソールありで履けました。使用感はふつうです。
スタッド付きアウトソール
ところで、フットサルの『サル』はサロンの略です。つまり、室内、インドアですね。プロや公式の試合は室内の専用コートで行われます。
その意味では屋外人工芝コートは亜流です。
でも、ぼくの環境では体育館コートではめったにプレーしません。手近なホーム環境に合わせて、スタッド付きトレシューをチョイスしました。
最寄りのコートはことごとく人工芝です。
天然芝も人工芝も少々の水分で一気にスリッピーになります。体育館用のフラットソールでは雨上がりの後のプレーに対応できません。
ランシューも同様です。本当にスケートぐらいにつるつる滑る。ちなみにスパイクの着用はNGです。
MIZUNO MONARCIDA NEOのアウトソールです。デザインや素材は旧モデルから変わりません。大小の丸いスタッドの組み合わせです。
重量はけっこう重い
このミズノモナルシーダのボリュームはランニングシューズやスニーカーの2/3くらいです。アッパーもソールもコンパクトだ。
しかしながら、素材の大部分が人工皮革ですからメッシュシューズのように軽くなりません。26.5cm、4Eの片足の実測は293gです。
標準的な幅広ランシューより重め、超クッション快適型と同等、防水スニーカーより軽量です。
MIZUNO MONARCIDA NEOのまとめ
専用のスポーツシューズの幅広甲高は天然記念物並みに希少です。
フットボール用のスーパーワイドな幅広甲高4Eトレシューはこのモナルシーダしかありません。近いモデルはasics CALCETTOやHummel、Diadoraです。
- 価格:3
- ブランド:4
- デザイン:3
- 性能:5
- 機能:5
- 幅広甲高:3.5
- トータル:4.5 ※これしかない
割高感やデザインの地味さはネガティブなポイントですし、履き心地はランシューやスニーカーほど快適ではありません。
でも、ナンバーワンよりオンリーワンです。