ツールドフランス2017のいちばんの激アツトピックスはディスクロードの快進撃です。Quick-Step Floorsのイケメンドイツ人マルセル・キッテルが第二ステージを皮切りに、ステージ勝利をばんばん重ねます。
Quick-Step FloorsのバイクはSpecializedです。スタンダードモデルのTarmacのリニューアルは今年ですが、キッテルが駆るのはエアロモデルのVengeのディスクブレーキモデルです。これは継続モデルです。
104年のツールドフランスの歴史のなかでディスクブレーキ車の出場&勝利ははじめてのことです。キッテルのコメントのように、
「ディスクもキャリパーも変わらない。でも、機材の発展にはグッドな勝利だぜ」
てスポーツマンシップな優等生アンサーが正味の真実です。機材は手段であって、目的じゃない。キャリパーがディスクに変わっても、パフォーマンスは魔法のように上がりません。
が、しかし、ディスクブレーキ推進派には待望の一勝です。ツールの実績てのはアカデミックな閉鎖的なオンロードチャリ界にはなによりの処方箋ですからね。
これで3大変速機メーカーと自転車ブランド各社のディスクロードごり押し販売作戦にはずみが付きます。
「ディスクローターにカバーを付けろ」てアホな意見が遠い昔のことのようです、ははは。
好相性の油圧ブレーキとスルーアクスルとチューブレス
ロード界ではよちよち歩きの油圧ディスクブレーキですが、オフロード界ではすでに標準装備スタンダードです。
MTBのディスクブレーキ化はちょうど前世紀の終わりと今世紀の始め、2000年頃のはなしです。それ以前のブレーキはVブレーキです。Vブレーキ以前はカンチブレーキです。

フォークにVブレーキをセット
実際問題、Vブレーキはめっちゃ効きます。制動力は優勝です。ただし、リムブレーキの弱点があります。リムへのストレスとウェット・マッドコンディションでのブレーキ力低下です。
キャリパブレーキ用のホイールのリムのフェイスはこんなです。

キャリパーリム溝
摩擦強化のために溝が入ります。ここに水が入ると、表面張力で落ちません。で、それがコーティングになって、初期滑りを引き起こします。
左・ドライ 右・ウェット
水気はブレーキングで落ち始めますが、ラグが発生して、結果的にブレーキの効き始めが遅くなります。リムブレーキのボトムネックです。
ディスクブレーキはホイール本体にはぜんぜん干渉しません。ハブのローターを挟んで止めます。

ディスクブレーキローターとボルト
このローターの表面はつるつるです。水気や粒子はするっと落ちて、表面に残りません。そして、油圧ピストンを使えば、引き代の長さに関わらず、つねに一定の力でブレーキできます。合理的です。
一部のモデルに機械式のワイヤー引きのディスクブレーキが載りますが、ディスクブレーキの強みは半減しちゃいます。油圧ディスクがいちばんです。
「メンテナンス性がー」
て声はよく湧き上がります。が、キャリパーやVブレーキのインナーワイヤーの整備性はそんなによろしくありません。むしろ、それぞれのメンテ性より経験値の差が大です。
ぼくはたびたびこれに悩まされます。
エンドキャップ消滅の怪
ほつれるし、初期伸びするし、錆びるし、刺さるし・・・あー!
安心安全スルーアクスル
油圧ディスクブレーキはリムブレーキより強力です。キャリパーブレーキの感覚でがっと引くと、前のめりにつんのめります。ソフトタッチが基本です。
で、この強力さは反動の裏返しです。フレームやフォークの取り付け部の強度がリムブレーキより必要です。
旧来のクイックリリース式のエンドが衰退して、スルーアクスルが標準装備になります。

フレームのリアエンド
アクスルシャフトがフレームエンド、ホイールハブを一文字に貫通します。ごらんのとおりに固定はネジネジです。
この構造のおかげでフレームとハブとシャフトが擬似的に一体化してカチッとなります。剛性はクイックリリースの比じゃありません。ことさらに横のねじれに強くなります。
うちのミニベロは油圧ディスクのクイックリリースエンドです。

リアエンド
クイックリリースの主な機能はホイールの脱落防止です。固定はそんなに強くありません。しょせん、仮留めです。
現実問題、油圧ディスクでがばっとブレーキすると、たまにホイールのずれを巻き起こしちゃいます。クイックの固定力がブレーキの反動力に負けます。
じゃあ、クイックの固定力は最低です。ママチャリやピストのナット締めのがぜんぜん強固です。

ママチャリエンド部
てことで、油圧ディスクブレーキとクイックリリースの愛称が良くありません。で、オフロードでは一昔前にスルーアクスルがふつうになりました。
激しいダウンヒルやフリーライドでは20-100mmのフロントエンド、12-150mmのリアみたいな規格があります。
さらにSRAM発祥のBOOST 15-110mm 12-148mmがぐいぐい来ますし、スーパーBOOST 157mmみたいなのもあとからあとからやって来ます。
じゃあ、最近、ディスクロードのめどはようやくたちました。12-100mm 12-142mmです。台座は専用のフラットマウントです。
フラットマウントとポストマウント
ボルト取り付け台座がポストマウントみたいにぶりっとせず、ひらっべっちゃくなります。もちろん、ぶりっとしたポストのががんじょうです。
でも、ロードのブレーキにそんな剛性は不要です。45度の断崖絶壁を下りませんし、ジャンプ台大から大回転しませんしね。
ローターの大きさの標準は160mmです。180mmとか200mmとか、大きいほうがよく止まります。
一転、ディスクロードでは140mmがじわじわ浸透します。おそらく手応えがマイルドになって、キャリパーの感覚に近くなります。
チューブレス
そして、チューブレスです。チューブレスホイールとタイヤはMTBでは一般的です。チューブドのクリンチャーは少数派です。完成車の8割はチューブレスです。
チューブレスはホイールとタイヤを擬似的に密封して、空気を閉じ込めます。ホイールとタイヤがチューブの代わりです。
このためにチューブレスホイールとタイヤはクリンチャーより高精度です。ピンホールやクラックは禁物です。まあ、パンク防止剤のシーラントでだいたい解決できますけど。
で、リムにストレスを与えるキャリパーやVブレーキはチューブレスホイールには理想的なお見合い相手じゃありません。ことさらにカーボンリムはブレーキの摩擦熱にころっとやられます。
ストレスフリーのディスクブレーキとせんさいなチューブレスホイールはげにお似合いカップルです。
「でも、メンテ性が・・・」
て声がまたまた浮かび上がりますが、こいつも経験値の差です。ぼくはクリンチャーとチューブレスを併用しますけど、クリンチャーの整備性を特段に持ち上げられません。
そして、数年前のチューブレスタイヤと2015年以降のチューブレスタイヤは別物です。ぜんぜんコンフォートですよ。最小級の携帯ポンプでビードはぱんぱん上がりますし。

林のなかでしゅぽしゅぽピストン
そして、チューブレスの乗り心地はクリンチャーやチューブラーより上です。転がりの軽さは特筆です。
てか、チューブの進化がクリンチャータイヤの進化に追いつけなくなりましたね。ラテックス化以降の話題がぜんぜんですし。
じゃあ、油圧ディスクブレーキ、スルーアクスル、チューブレスがイマドキ最強セットです。機材の最大限のリターンを求めるならば、この三つを積極的に取り入れましょう。
ディスクブレーキ用カーボンホイール
さあ、ディスクロード用のカーボンホイールをピックアップします。ディスクブレーキを使えば「制動力の不安からアルミリムを選らばざるをえない!」てなぞの縛りから解放されます。
カンパニョーロがディスクブレーキを市場に投入しまして、ロードホイール四天王ブランドのラインナップにカーボンホイールDBバージョンがそろい踏みしましたね。
Fulcrum Racing Quattro DB
フルクラムはキャリパーブレーキのホイールではお姉さんのカンパニョーロに指名No1を譲りますが、あちらの出遅れを尻目にして、早くからDBモデルを出します。
カーボンディスクホイールはセミディープのRacing Quattroのアッパーバージョンです。
Fulcrum – Racing Quattro (レーシングクアトロ) カーボン H.40 ディスクホイール 2017
定価 182399円
割引 43%
特価 103702円
※2017/07/19 01:10:13のの価格
画像はノーマルタイプです。実物は前後共に2to1のスポークレイアウトです。これはDBモデルの基本です。ラジアル組みはイレギュラーです。
じゃあ、ディスクロードが主流になれば、クイックリリースとフロントホイールのラジアル組みがなつかしスタイルになっちゃいます。
Mavic Cosmic Pro Carbon SL Disc
先日、MAVICはUST=チューブレスモデルをごっそり投入しました。しかし、2018モデルはまだ市場に出回りません。
マビックはタイヤを付けてくれます。チューブレスタイヤの取り付けを不安視する方はMAVICを選びましょう。完璧な状態のチューブレスが届きますよ。
これは2017モデルのコスミックプロカーボンSLディスクです。
Mavic Cosmic Pro Carbon SL Disc Clincher Wheelset 2017
定価 253300円
割引 36%
通常 161388円
特価 155388円
※2017/07/19 01:17:05 のProBikeKitの価格。特価は追加割引クーポンコード[ B4C75 ]を入力した場合の金額
前後が同じレイアウトです。高さは上記のQuattroと同じ40mmで、ホイールペア重量は1570gです。
ところで、ホイールのオプションのAFS=センターロック=シマノタイプのローターで、6bolt=汎用6本締めボルトローターです。
Shimano RX830
シマノのディスクロードホイールはレギュラー外のRXシリーズです。先日、2018モデルでWH-RS770 TLが発表されました。フルカーボンのチューブレスモデルです。が、出荷はまだ先です。
Shimano RX830 Road Disc Wheelset
定価 121599円
割引 25%
特価 91015円
※2017/07/19 01:28:56のの価格
これはアルミカーボンホイールです。おとくいのカーボンラミネートです。でも、ディスクブレーキにアルミ芯が必要だあ? シマノのアルカーボンへの執着は異質です。
しかし、貴重なチューブレスモデルです。なおしかし、見た目は地味だあ! フルクラムには勝てない~。
デュラエースホイールのDBモデルは前後20万越えの高嶺の花です。
Canpagnolo Bora 35 DB
ライバル3社に遅れに遅れて、ついに2018モデルからカンパニョーロがディスクロードへ殴りこみをかけます。そして、2018モデルのネット販売がいちばんのりです。
BORA ONE 35のディスクブレーキチューブラーです。
Campagnolo Bora One 35 Disc Brake Tubular Wheelset 2018
定価 241677円
割引 13%
通常 210259円
特価 204259円
※2017/07/19 01:34:22 のProBikeKitの価格。特価は追加割引クーポンコード[ B4C75 ]を入力した場合の金額
これはレース用です~。通常のふつボーラよりスポークが1セット/3本増えます。前後24本のG3です。
うーん、見た目的にはZONDA DBのがグッドです。
Campagnolo Zonda C17 Disc Brake Bolt-Thru Clincher Wheelset 2018 – Black
定価 80459円
割引 39%
通常 49258円
特価 45564円
※2017/07/19 01:38:50 のProBikeKitの価格。特価は追加割引クーポンコード[ B4C75 ]を入力した場合の金額
なぜか2017モデルより2018モデルのが割安です。
Prime PR50 Disc TL
Primeは英国ネット自転車通販大手のWiggle=CRCのCRC系のオリジナルホイールブランドです。2016年にローンチしました。力の入れようが知れます。
Prime – RR-50 カーボンクリンチャーディスクロードホイールセット
定価 93750円
割引 20%
特価 75000円
※2017/07/19 01:43:12のの価格
リムの質感は最強クラスです。リムの単品購入はぜんぜんありです。ニップル穴はありますが、チューブレス互換です。75000円でフルカーボンでチューブレスですよ!
CRCはホイール送料無料です。へんな中華カーボンよりグッドです。上記の大手4大メーカーはコスパではぜんぜん勝てませんねー。