2018-2019シーズンのTEAM B4C(総員約1名)の陣営はチャリンコ2台体制です。メインはフルサスMTB、サブはフラットバーロードです。
厳密にはハンドルがライザーバーですから、ライザーバーロードですね。もっとも、完全な水平まっすぐフラットバーはレアハンドルですけど、ははは。
この亜流のロードバイクのキャッチコピーは『プロのロードより軽い! ジャスト6.0kgの超軽量お買い物号』でした・・・ザ・過去形です。
この自転車の数奇な運命をしばし辿りましょう。
チェーンテンション最終章
このフラットバー・・・いや、当初にはふつうの1×11のフロントシングルドロハンロードでした。乗り出しが2018年5月ごろです。
フレームの調達は4月ですね。じゃあ、そろそろ一年がたちます。英国のハイブランドロードのFactorもどきのFasterwayです。
カンパニョーロのアテナとケンタウルをMIXするとか、3TのAERONOVAもどきをつけるとかします。その1×11モードの重量もジャスト6.0kgぐらいです。
で、後日、整備中の転倒でディレイラーハンガーがぽっきり行きます。
アルミの小パーツの破損はやっかいです。溶接工の友に直せるか聞いたら、「むり」て即答されました。
ためしに100均でエポキシ樹脂の接着剤を買って、ぶあつくモリモリしましたが、きちんと接着できなかった。メタルパテは未体験です。
で、ディレイラーハンガーの再調達がめんどくさくなり、ドロップハンドルの使い勝手が性に合わず、街乗りクロスバイク的な要素が強まります。
その結果、車体の仕様は
- 11段→1段
- フリーギア→固定ギア→フリーギア
- チューブラー→チューブレス(リア)
- カーボンリム→アルミリム(リア)
- スタンドなし→スタンドあり
てなります。いびつなバイク! とくに前後のタイヤを別々のシステムにすると、遠出の時に両方の補修パーツを持ち歩かねばなりません。
予備のチューブラーの持ち運びは難です。
チェーンテンション異常地獄
ところで、ロードバイクの1速化の最大の問題点はチェーンテンションです。ふつうのチェーンをふつうに張ると、絶妙なるゆるゆるさを醸し出せます。
しかし、もう1リンク詰めると、ギアにチェーンをかけられません。1リンク=二コマです。
特殊パーツの半コマを使って、ぎりカチカチにできます。ただし、このパーツがちっこいネジと四角いナット留めです。強度はだいじょうぶだあ?
極めつけにそこへオートバイ用のテンショナーを投入します。
これは動画ネタ的にはおいしいものでした。実用はむりゲーです。しかも、このごっついテンショナーは商品選択ミスです。別の電動オートバイ用のテンショナーが正解だった!
6.0kgの車体に0.5kgのオートバイ用テンショナー・・・テンショナーが8%ほどを占めるザ・いびつ構成です。それでも、プロのロードより軽量です。ビバ・1速!
ファンからパーツをもらう
このオートバイ用テンショナーの動画とブログを公開して、数日後に一人のファンから連絡をいただきました。
「いいブツががらくた箱のなかにありましたけど、なにか?」
「ください、ぱぴー!」
て、西宮の美容室のマスターがなぜかくれました。SNSや動画のつながりはおもしろいものだなあ・・・
そのブツがこうです。
はい、DCDの自転車用チェーンテンショナーです。ストリート系のパーツみたいです。商品は終売のようだ。
DCDのステーに取り付けるテンショナー
このテンショナーの構造です。
二枚のプレート+樹脂のローラー+ねじのシンプルイズ無骨パーツです。好都合にシルバーカラーはロードのフレーム色とマッチします、ラッキー。
ふつうの自転車用チェーンテンショナーはディレイラーハンガーに取り付けるタイプです。で、ハンガーがないと、テンショナーがくっつきません。
没アイテムのオートバイ用チェーンテンショナーもステージ付けタイプです。オートバイにはハンガーはありませんから。
しかし、このごっついプレートとごっつい4本のボルトでカーボンロードのチェーンステーを締め上げると、たやすく炭素繊維の悲鳴を聞けます。みしみし、めきめき。
テンショナーの比較です。
ちなみにDCDのテンショナーは100gしかありません。いや、自転車用はこんなものでしょう。オートバイ用が重すぎる。
ただし、オートバイの車体、原付さえが70kg~です。テンショナー500gはまちがいではない。
カーボンステーは太め
ところで、自転車のフレームのデザインは素材に左右されます。金属系のスチール、チタンなどは細身ですね。
一方、カーボンフレームはそんなに細くなりません。太さで剛性を確保します。
てことで、このDCDのテンショナーはこの位置より前に行きません。取り付け部のプレートの形状は細身フレーム=金属用でしょう。
ペンチで曲げ加工します。
と、小技と力技を駆使して、前めのポジションにテンションをくっつけて、クランクを回転させてみます。
はい、はずれました、ちーん。
外側にチェーンをとおす
せっかくのファンの好意が鎖のさびと消えました。かなしみでご飯がのどを通りません。
もうエキセントリックBBかフレームチェンジしかないか・・・と、そのやさきにレーダーがひらめきます。
チェーンを外に通せば?!
おお、このたわみ具合は理想のチェーンテンションではありませんか!
手回しで順・逆回転をくりかえします。チェーンははずれません。ふつう! チェーンふつ男が降臨しました!
これにてロードバイクのシングルスピード化物語が完結しました。めでたしめでたし・・・でも、このさびしさはなんだろう?