大阪の堺国の総合自転車メーカーのSHIMANO社はロードバイク用の2ndグレードコンポのUltegraを2017年に6800系からR8000系にモデルチェンジしました。→新型アルテグラR8000
モデルチェンジの内容は前年のトップグレードのDura-Ace R9100を継承します。変速数は11sを維持して、パワーメーター、ディスクブレーキ、Di2などなどのサイドメニューが充実します。
案の定、予想外の目新しいトピックスはありませんが、唯一のサプライズが新型Ultegraホイールです。
3つに分派したUltegraホイール
先代のUltegra WH-6800ホイールは1640gの軽さ、チューブレス互換、3万円の実売価格でライトユーザーのカスタムに、上級者の練習用にと大いに売れました。ロングセラーのベストヒット商品です。
2015年ごろからさらに良コスパの台湾メーカーの完組、海外ストアのPBホイールが出回ります。しかし、2013年からの先行の利で6800ホイールはまだまだ人気を取ります。シマノブランドは強力です。
で、後継のUltegra WH-R8000が販売されると思いきや、型番のイニシャルは番外グレードのRSになり、WH-RS500とWH-RS700に分派しました。そして、”Ultegra”の看板はなくなります。
この店じまいでコンポグレードの名を冠するホイールはDura-Ace WH-R91000系だけになりました。Duraとそれ以外、て区別がますますはっきりします。→シマノホイール一覧2018
RS700=2ndグレード RS500=6800の後継
上位のRS700を見ましょう。RS700はカーボンラミネート、そのディスクブレーキ版のRS770フルカーボンで、値段と性能からRS81系に近くなります。いずれがTL=Tubelessイージーモデルです。
モデル名 | 重量 | タイヤ種 | タイヤ幅 | 素材 | 価格 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
WH-RS770 TL | 1639g | TL | – | カーボン | – | NEW! DISC |
WH-RS700 TL | 1568g | TL | – | アルミカーボン | 83485円 | NEW! 新アルテ? |
Ultegra=上から二番目のグレードです。本来のアルテグラの価値観に相当するホイールがこのRS700になります。2ndグレードへの原点回帰です。
一方のRS500はこんなです。
モデル名 | 重量 | タイヤ種 | タイヤ幅 | 素材 | 価格 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
WH-RS500 | 1649g | TL | – | アルミ | 48918円 | NEW! 6800の系譜 |
はい、おなじみアルテグラです。WH-6800の系譜です。ちまたの認識のアルテホイールの後継者はまちがいなくこのRS500です。もはや少数派のC15リムが良いあかしです。
ちがいはリムサイドのUltegraロゴの有無ばかりです。9gの差はごあいきょうだ。価格面、性能面のメリットはありません。
となると、先代の人気はしばらく継続します。流通の在庫が完全に消えるまで。
シマノの国内価格は横並び、海外ストアは高止まりです。出始めの価格は外高内低です。これが経年で逆転します。目安は二年です。
もう一つのRS700は従来のアルテグラホイールの用途から外れます。RS81はめっきり不人気ですが、RS700はこの親戚筋の不名誉を受け継ぎかねません。
この数年でPrimeみたいなフルカーボンのクリンチャーホイールが多く出回ります。いいとこどりの折半なカーボンラミネートが逆に中途半端に見えてしまいます。
そして、やっぱり、Ultegraロゴはありません。RS700は無味乾燥なビジュアルです。所有の満足度は低調です。半額以下のカムシンやRacing 7に負けてしまう・・・
新型アルテ二派の出だしはよろしくありません。
第三のアルテグラホイールRS170
この二つの本命アルテグラホイールのあとから第三のアルテグラホイールがやってきます。それがRS170です。
モデル名 | 重量 | タイヤ種 | タイヤ幅 | 素材 | 価格 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
WH-RS170 フロント | 942g | CL | 25-38 | アルミ | 100mm 12mm E-thru | |
WH-RS170 リア | 1149g | CL | 25-38 | アルミ | 142mm 12mm E-thruアクスル |
末尾二桁70系=ディスクブレーキ用です。トップの1がグレードです。上位モデルの数値は大きくなります。つまり、RS170はエントリーグレードのディスクブレーキ用ホイールです。
前949g、後1149gのペア2098gです。りっぱな一人前の鉄下駄です。E-thruはシマノのスルーアクスルの方式で、トレンドのフラットマウントディスクロードの標準です。
ディスクブレーキタイプはセンターロック式です。これもシマノの謹製です。6ボルト式のが安価モデルには向きますけどねー。おまけにシマノ式を選ぶと、黒白銀に限られます。色で遊べない。

Snail フローティングディスクブレーキローター
こちらは推奨タイヤサイズのようにC17のワイドリムです。オールロードタイヤの登場で『標準から2ランクアップが限界』の定説がますます形骸化します。
安ディスクロードの初期装備や補修用?
正直、このRS170の単体の魅力はとぼしく思えます。これだけをピンポイントで単品で購入する人はまれでしょう。
おもな用途は店舗向けの完成車のエントリーディスクロードの初期装備、補修用、セールフレームのバラ完のおともですか。業務用機材のふんいきがひしひし伝わります。
シマノは油圧ディスクブレーキとE-bikeを今後の自転車事業の中核に据えます。社長が増産を明言します。いまはディスクロードですが、はてはディスククロスです。
この安ディスクホイールSR170はその布石でしょう。
Shimano – Ultegra (アルテグラ) RS170 クリンチャーディスクブレーキフロントホイール定価 円
割引 % オフ
特価 12780円
※2017/10/31 09:46:04のの価格
はい、平凡さを具現化したようなこの上なく平凡なホイールです。むしろ、SHIMANOのロゴの明るい水色がへんに悪目立ちします。
タイトルのUltegraで名前買いすると、えらい目にあいます。なぜかRS170はUltegra一門にありますが、入門用の補修用の最廉価ホイールです。
リムの”RS”のへにょっとしたやる気のなさはほほえめあしいところです。もう少しデザインをがんばれへなかったあ? 黒一色のが好感触ですわ。