クロスバイクのオーバーホールの分解編その2です。前回、ヘッドセットのリテーナーの煮沸洗浄までしました。これで目ぼしいパーツはほぼ外れましたね。
が、最後の大物パーツが残ります。BB、ボトムブラケットです。
スクエアテーパーのクロモリシャフトのコッタレスのザ・スタンダードボトムブラケットです。
車体購入以来、ここは不可侵領域です。メンテ意欲よりめんどうさが勝ちます。手がもれなく汚れるし。
しかし、車体の年式の型番からBBの放置期間は4年弱です。これは黄信号です。
BBのベアリングチェック
BB本体に着手する前に野暮用を片付けましょう。BB裏のケーブルガイドを外します。
ここはプラスドライバーです。もう潔く六角にして~。
BSAの右は逆ネジ、左は正ネジです。リムーバーとレンチでてきぱきやります。ん、これは意外にすんなりと外れました。
BBのチューブの中は意外ときれいです。メンテしたっけ? いや、記憶にないけど。
ブルーのパッキンを剥がします。おや、グリスはわりにきれいです。
ヘッドセットのリテーナーとワンみたいに糊状じゃありません。きちんとグリスの粘度があります。塵や汚れも皆無です。グッドパッキン!
記念にお風呂へ入れて、男前にしましたで。
軸長はもともとトリプル用です。ビミョーに広めです。115mmくらいがベストです。予備のBBはありません。
リアのVブレーキとロックを外します。
スーパー便利アイテムのGORINボタン式リング錠です。ロックのONOFFが3秒です。街乗りの買い物のはしごにめっちゃ活躍します。
ただし、最近、ロックリングの滑りがへんでした。経年のガタだあ? と思いまして、これを外して、じっくり見ますと、こいつの緩みに気付きます。固定ツメ。
これがずれると、リングがカバーに干渉します。で、滑りが悪くなる。上みたいにぱちっと嵌めなおすと、購入直後の滑らかさを取り戻せました。ヤッタネ! 今回の最大の成果です。
さあ、長々と分解・メンテをしましたが、これでようやくフレームを素の状態に出来ました。
この状態のフレームを見るのはお初です。素の状態は予想より軽量です。2kgちょいの手応えです。
じゃあ、悲願のあれをしましょう。ほい、お風呂へどぼ~ん。
バスマジックリンをしゅっしゅして、軽く洗って、お湯のシャワーを注ぎます。
サスペンションフォークの分解とメンテ
フレームとその他のパーツのクリーニングとメンテは上々の首尾でフィニッシュしました。正味、これらの作業は過去にすでに体験済みです。
ここからは未体験ゾーンです。メンテのログがぐっと少なくなります。なぜなら、だれもが触りたがらないから!
はい、問題児のサスペンションフォークです。
単体で軽くフレームの重量を越えます。3kgはあるかな~。コイルはばねばねスプリングです。コラムのサビサビのとおりに鉄サスフォークです。
GIANT印ロゴ入りのSUNTOUR SR SUNTOUR NEX MLOてモデルです。ROAM3の初期装備品です。ザ・安サスフォークです。
まず、これを外します。フォークのエンド裏のナットです。ボックスレンチで緩めるのが定石です。
しかし、対応のボックスレンチがありません。10mmのレンチで最初の固さを取って、すこし大きめのボックスレンチで外しました。
で、ステ管をボトムケースからえいやと引っこ抜きます、ちからまかせに。
で、このロックアウトのキャップをフックレンチで外します。
が、そんなものはありません。ペンチで左のキャップをこじ開けました。
じゃあ、やばい色のバネが中から出てきましたよ。そして、漂う、強烈なケミカル臭、ヒエー!
うーん、この色はデジャビュです。ヘッドセットの古グリスがこんなでしたわ。ワッツ・ケツフキペーパー?
鉄系の安サスと外置き・雨晒しスタイルは完全にミスマッチです。水気がシールの中に入って、ながなが残っちゃいます。スプリングはザ・鉄ですから、元気一杯に錆びてくれます。
正直なところ、安いリジッドのカーボンフォークで軽量化・耐水力向上を図る方がベターですわ。が、フォークを買えるなら、ディスクブレーキ用に目移りしちゃいます。じゃあ、ホイールからなにから新調しなきゃなりません。
ステ管のサビを消しましょう。久々の登場です、ピカピカピカール! これがぜんぜん減らない! 多分、この容量を使い切る前に天寿を全うしますわ。
これをぼろ布に付けて、ごしごし磨きます。
ピカピカピカチュウ! こうかはばつぐんだ!
ところで、ピカールの防錆効果には諸説がありますが、以前にぼくがこのステ管をピカールで磨いて、外置き放置したら、この手入れ前の点サビ腐食を数ヶ月で拝めました。
といっても、野ざらし・雨晒しでこの錆び具合は逆に立派ではありませんかね? 万全を喫するなら、AZの長期防錆オイルを使いましょう。
右のロックアウトのキャップをマイナスドライバーで外します。
うーん、この専用キャップはほんまに強敵です。手持ちの薄型スパナを駆使して、こじ開けました。
中身です。左より短いスプリングとなぞのゴムパーツ。
こっちのサビはそんなじゃありません。パッキンの出来でしょうかね。
タオルで乾拭きしました。サビに煮沸は無意味でしょうし。
で、今回、グリス塗らずにインナーチューブに戻しました。雨水は絶対に入ります。防水より排水を考えるのがよさ気です。
しばらく野ざらしして、梅雨明けごろにサビの経過を見ましょう。