現代人のお買い物はもうネットです。実店舗は遠い親戚のようなものです。名前だけの存在だ。そして、今日もまた気さくなおとなりさんのAmazonや楽天のお世話になります。
すこし前まで家電やファッションは通販の鬼門でしたが、買い物慣れや返品サービスの充実でハードルは下がりましたね。
「靴を通販で買うのはNGだ」
てのは2010年ごろのちょい古の意見です。アマゾン返品サービスを知らない。
相対的に実店舗のハードルがべこーんと跳ね上がっちゃいました。大型店はけっこうです。ほかの人にまぎれられますし。
でも、小さな専門店にぼくと店員が二人きりだぜ・・・て状況では試着もなにもはかどりません。スタッフとの対応にパワーを割かれて、足元がおろそかになります。結局、ゆったり選べない。
さて、自転車です。業界の習慣と販売品の安全面から店頭訪問、対面販売が基本です。自転車単体の儲けはそう大きくありません。
小物、メンテ、修理は大事な収入源です。そんなに短期的な商売じゃない。町チャリ屋でもプロショップでも3~4年がビジネスサイクルの目安でしょう。
中学生から高校生になったボーイ&ガールに新しいブリヂストンアルベルトを、初級者から中級者になったスポバイ乗りに新しいグレードを。
「ユーザー、ちょうどシマノがコンポを新しくしたんですよ~。この新型はいいですよ~」
てな具合に。客と店の距離と時間はわりに親密です。ゆえに一台目のファーストインプレッションは超大事です。いやな店には二度と行きません。
その点、通販は気軽です。注目ポイントは値段だけです。上から目線のうざい店員やこわもての大将、へんな常連客に悩まされません。
サークル的なノリ、部活的なふんいきに溶け込める人はさいわいです。根っこが体育会系だ。人付き合いが嫌いじゃない。とくにロードバイクは集団競技です。チームですよ、チーム。
ぼくは典型的な文科系の内向型の個人主義です。あれこれ指図されるより自分でいちから十まで決めたい人です。店頭で販売員にマンマークされると、一気にげんなりして、退出しちゃいます。
こうゆう人はわりと下調べして店舗に行きますから、既知の情報をえんえん語られても、はあはあと上の空でしか聞きません。むしろ、CONSなあら捜しモードが始まります。
そんな人にはネット通販が強い味方です。げんにぼくはけっこうな台数の自転車をネットで買いました、3万のドッペルギャンガーから20万の折り畳みまで。
また、前に15万のカーボンフレームを買いましたが、店舗に行かず、通販で買いました。じゃあ、根っからの通販チャリダーです。
折り畳みとミニベロのおすすめ記事はすでにあります。今回はクロスバイク編です。以下におすすめのブランドとモデルをずらっと紹介します。
通販OKと通販NGの自転車ブランド
さて、紹介のまえに注意点を挙げましょう。アイテムの特質と業界の体質から自転車、とくにスポーツバイクは店頭対面型商品です。
ことさらに海外の人気ブランドの自転車の流通は限定的です。一つの代理店が複数のブランドを扱います。そこが通販を推奨しないと、正規取り扱い小売店は通販できません。
アメリカ御三家、イタリア御三家はその典型です。TREK、Cannondale、Specialized、Colnago、Pinarello、De rosaの完成車とフレームの国内正規品は通販に乗りません。
これらのネット流通は中古か並行輸入品です。とにかく、正規小売店の新品の販売品じゃない。正規がそれをすると、代理店から怒られます。最悪、販売権の剥奪です。
問屋「xxはん、やってしまいましたね。もうおたくのとこにはうちから卸せませんわ」
小売「ひい~! 出来心なんです~! かんにんしたってください~」
問屋「だめなもんはだめです。ほかのところに示しが付きません。うらまんでくださいよ、ほな」
小売「うえーん! ・・・くそ、だれがチンコロしよった!」
??「けけけ、これであいつの店はしまいやな~」
まるでNHK大阪制作の朝ドラの序盤の山場のような一幕が脳裏に過ぎりますね、第五話くらいです、ははは。まあ、こうゆうはなしは自転車に限りません。だいたいのギョーカイの内幕はこんなもんでしょうよ。
近年、これと対極にネット通販オンリーてとこが出てきました。ドイツの新興人気自転車ブランドのCanyonがそうです。ここは代理店や小売店を通さず、メーカー直販のみで販売します。
また、海外ではいくつかのブランドが正規ディラーを通してのネット通販を部分的に解禁するとかします。こんなふうに自転車のネット販売はますます一般的になります。
とはいえ、日本の事情と性質からそうゆう改革は最後の最後になります。自転車ブランド的にはさいはての辺境ですからね。シマノはありますけど、それ以外はありませんし。
前置きをこれくらいにして、そろそろおすすめ10選をしましょう。
おすすめクロスバイクの7選+ぎりセーフの1台
クロスバイク=GIANTはほぼ公式です。しかしながら、GIANTは通販NGのブランドになります。GIANTは業界最大手のビッグ1です。製造から販売、アフターケア、イベントまで出来ます。
小売の販売体制をてこ入れするより直営店で囲い込みをする方に力を入れます。GIANTストア箕面はこんなです。

アジア最大の315坪のメガ旗艦店です。GIANTのオンロード、オフロードの全モデルが揃います。
箕面店は特例のビッグストアですが、大小の直営店は2017年5月の時点で全国に30店に上ります。チャリ屋のなかでは屈指の規模です。もちろん、単独直営店ではナンバーワンです。
てことで、最有力のGIANTの自転車の正規品はAmazonや楽天に並びません。これを出せるところは個人セラーや中古屋です。つまり、平行品か中古品です。
逆にレアな海外モデルを入手するなら、並行輸入でしかゲットできません。ケースバイケースで活用しましょう。
GIOS Mistral
永遠の二番人気はこれです。ジオミス、GIOS Mistralです。
まさにGIANT Escapeの代用品です。ほんまにどっこいがっぷり四つです。GIOSはイタリアの自転車ブランドですが、このミストラルは日本規格品です。まあ、ライセンス商品ですわ。
あと、値段やビジュアルやサイズと同じくネット通販では出品者が重要です。実店舗なしネットオンリーセラーの販売品 < 実店舗ありセラー販売品です。
カンザキバイク、きゅーべえ、シルベストサイクル、ヤマト株式会社通販部電動アシスト館、あさひなんかがおすすめセラーです。近畿圏の自転車業者です。アマゾンと楽天にセラーがあります。
FUJI PALETTE
FUJIは日本オリジンのアメリカの自転車ブランドです。FUJI Featherはシングルスピードのロングセラー名車です。
PALETTEはスタンダードなクロスバイクです。白!
白! 街乗りに映えますね~。スマートなおねーさんにベストマッチしますわ。ジーパンでさっそうとね~。
BIANCHI ROMA 4
Bianchiは100年オーバーの歴史を誇るイタリアの名門自転車ブランドです。これはなぜか通販OKです。
クロスバイクの人気車種はカメレオンテとROMAシリーズです。カメレオンテがマウンテン風、ROMAがロード風です。
KHODAA BLOOM RAIL
KHODAA BLOOMは欧州のブランドように見えますが、日本のホダカ自転車のPBです。hodakaのアナグラムがkhodaaです。
で、ホダカはGIANTの関連企業です。実質、コーダー=GINAT製? てなものです。日本市場向けのGIANTの代替ネット商材的なバイクです、おそらく。
コスパはグッドです。そして、いずれのモデルが軽量です。見た目はかなりスマートでしゅっとします。軽さと安さとくせのなさで浅く広く売れるネット通販優等生です。
JAMIS CODA SPORT
JAMISはアメリカのしにせバイクブランドです。アメリカビッグ3の人気の押されて、知名度に欠けますが、実力派の自転車屋です。
イチオシはハイブリッド系バイクのRenegadeシリーズです。手頃なアドバイクの最有力候補です。
クロスバイクはCODA SPORTです。いまやクラシカルなクロモリのクロスです。CCCです。クロモリフレームはアルミよりすっきりします。スポーティになりすぎないふんいきは好印象です。フォークもコンフォートだ。
MERIDA CROSSWAY 200
Meridaは台湾第2位の総合自転車メーカーです。GIANTに次ぐ業界の名手です。スペシャライズドの大株主です。アンカーのバイクもここです。
このMERIDA CROSSWAY 200はディスクブレーキクロスです。
ディスクブレーキは全天型のアーバンコミューターです。油圧にアップグレードすれば、なおさらに楽しく遊べます。
こんなのがぼくの高校時代にあればなあ・・・ブリジストンアルベルトは5km~の通学にはまあまあ苦痛ですわ。おじい・おばあはなにかとブリジストンをくれますけどねー、ははは。
Tern Clutch
Ternはアメリカの折り畳み自転車屋です。ここがKittdesignて東京のデザイン事務所とコラボして、Roji Bikesて企画ブランドをします。
ここのバイクはなにかとヒトクセです。細部に通好みの意匠が盛り込まれます。CLUTCH、RIPは折り畳まないシリーズのヒットです。
クロスバイクでエアロモデル! 見た目がすてきです。そして、ホイールは650c! です。カスタムテイストな市販車です。
毎年のようにとんがった新モデルが出てきます。今年はなんだろかな~?
DOPPELGANGER PULSE D19
大トリはかの高名なドッペルギャンガーです。ネット通販専門のアウトドアブランドの自転車です。ドペギャンの折り畳みバイクはとみに有名です。ぼくも買いました。
ネット上ではチャリズキがケチョンケチョンに言いますが、実際の使い勝手は悪くありません。遠目の見た目は良く映えます。オレンジとブラックはずるいカラーリングです。細部はそれなりです。
ここのクロスバイクは折り畳みほどに有名じゃありませんが、けっこうな数のモデルをします。これはディスク搭載のエアロクロスです。
14kg! エアロ形状があだです。でも、見た目は悪くない。清々しい王道のルック車です。これはこれで有りです。ばくぜんとした厨二さはNOT BADです。