自転車カスタムのおもしろさにはまると、遅かれ早かれこれに挑戦したくなります。ヘッドパーツの交換です。
クランクやボトムブラケットの交換にも専用工具が必要ですが、それらは比較的に安価なツールです。だいたいが1000円以下です。
ところが、ヘッドパーツの交換にはやけに高いスペシャルな工具が必要になります。
とにかく、ワンが曲者
ヘッドパーツの交換への道のりは多難です。
- ハンドル取り外し
- ステム取り外し
- フォーク取り外し
この3つが立ちはだかります。そして、作業は汚れ仕事で力仕事だ。
ワンの取り外し
最初の山場は上下のワン外しです。トップチューブにがっちりはまったこれのことです。
専用の鉄のはぼきみたいな工具でがしがし叩き出します。しかし、そんなレアな工具は手元にありません。
器用な人は塩ビパイプに切り込みを入れて、自作のワン取り外し工具を自作します。ずぼらなO型さんは工具箱の中のへら状のものとハンマーでがんがんやります。
結局、ワンの取り外しは力業です。
つぎはフォークの下玉押しを外します。薄刃のカッターを密着部に差し込んでとんとこ叩いて、数mmの隙間をつくってマイナスドライバーかノミの歯を入れて、ぐいとこじります。
この方法がベストです。へんにやさしくすると、細かいキズを多くつけちゃいます。肉を切らせて骨を断つ精神です。
これで全部のパーツを外せました。構成は上下ワン、上下スペーサー、下玉押し、上下ベアリングです。製品モデルによって、シールや上玉押しがあります。
このヘッドパーツはTANGE タンゲ terious オーバーサイズ28.6mmです。オーソドックスなカップ&コーンタイプで、エントリークラスのスポーツ車に使われます。
これをカートリッジシールドベアリング式のものにしようと思って、よさげなやつを探します。
AESTのヘッドパーツです。下玉押しはスリット入りのもので、フォークの根元への取り外しが格段に楽ちんです。
取り付けの山場は上下ワンの圧入です。とにかく、パワーと思い切りが必要です。
ここでまじめなA型さんはホームセンターの資材で自作工具を作りますが、ずぼらのO型さんは力技で押し通します。
ということで、ワンをトップチューブに軽くはめて、ロゴの方向にだけ注意して、ざぶとんを下にかまして、体重でぐいぐい押し込みます。特に問題なく圧入できました。
ベアリングとスペーサーを順番にはめて、下玉押しをフォークの根元に入れます。スリットが広がって、らくにはまります。あとあとのメンテも楽ちんです。
さて、シールドベアリングのヘッドパーツの実力ですが、ハンドリングの滑らかさはそんなに変わりません。もっとも、交換の動機はそこじゃありませんが。見た目。
カーボンフォークに下玉押しのクラウンレースの圧入
また、別の機会にクラウンレースの圧入をやりました。ヘッドセットはインテグラルです。カーボンフレーム用です。
カーボンのフレームにはワンを圧入しません。ベアリングをダイレクトにフレームにセットします。フレームのトップチューブにワン代わりの加工がありますから。
で、FSAのバルクをeBayで買いましたが、クラウンレースが割りなしのタイプでした。てことは、圧入が必須です。
これにもまたまた専用工具があります。しかし、一回二回のメンテにツールをいちいち取り寄せられません。道具箱はすでに限界ですし。
じゃあ、ごり押しで圧入しましょう。ノミ、ハンマーでがんがんやりました。
一打だけミスって、フォークの肩のところにチッピングをしちゃいました、うえーん。接着剤でごまかしましょう、うんうん。
ヘッドのワンであれ、下玉押しであれ、プレスフィットBBであれ、専用工具の出番はついぞありませんね~。手持ちでなんとかしちゃいますわ、ははは。
圧入工具も安くなりました。