総合評価 5/5 ★★★★★
ハイバランス、ハイクオリティ
幅広甲高シューズランク更新!
アメリカのランニングシューズ専門メーカー、BROOKS RUNNINGの代表モデルGHOST 12の印象はこのようなものです。
以下でこのシューズの詳細を解説します。
ブルックスゴースト12の基本情報
BROOKS RUNNING、ブルックスはアメリカのシアトルのランニングシューズの専門メーカーです。
創業は1914年まで遡ります。当時の主力商品は風呂場のスリッパとバレエシューズ、つぎのヒット商品が体育館シューズです。
その後、ブルックスはオリンピック選手とコラボしたり、EVA素材をいち早く実用したりと業界を先導しますが、1980年代に経営の危機に陥って、別の大手シューズ会社に買収されます。
以降、総合靴屋からランニングシューズ専用メーカーに生まれ変わり、アメリカ内のランニングシューズのシェアNo1に輝いて、創業100年を迎えます。
現在のBrooks Runningはバークシャー・ハサウェイの独立子会社です。
箱がおしゃれです。
ブルックス・・・ブラザーズ?
“Brooks”はアパレル好きにはアメリカの代表的なブランドの”Brooks Brothers”を思い起こさせます。
しかし、Brooks RunningはBrooks Brothersとは無関係です。”Brooks”は英語圏では平凡な名前です。
そして、服のBrooks Brothersは経営不振で2020年7月に破産してしまいました。アメトラの代表的ブランドが・・・
コロナのリモートワークでホワイトカラーさえがフォーマルなスーツを着ませんからね。
一方のBrooks Runningは非常に好調です。上記のようにアメリカではランニングシューズのシェアNo1を獲得します。トップブランドだ。
しかし、日本ではまだまだマイナーな存在です。実際、ナイキやニューバランスほど一般的ではないし、Brooks Brothersと混同される。
メジャーでマイナー
Brooks Runningの現在の国内代理店はゴム・プラスチックのアキレス社です。ここはジュニア用シューズの『瞬足』を販売します。
これもスポーツシューズ好きには既知の商品ですが、一般的にはマイナーなモデルです。
このメジャーでマイナーなブルックスのゴースト12が今回のレビュー対象になります。
購入理由はシューズのバリエーションを増やすため、アメリカのトップブランドの実力を試すためです。
Brooks GHOST 12はNIKE ZOOM PEGASUS 4Eやasics GT2000 SWを越えられるか?
この実物は26.5cmの4eです。カラーは国内販売のモデルにはありません。並行輸入品のようです。購入先はamazon、値段は10000円でした。
使用者の身体情報
シューズの着用者は当サイトの管理人のB4Cです。足のデータは以下の通りです。
性別 | 男性 |
体系 | 中肉中背 |
素足サイズ | 25.5cm |
スニーカーサイズ | 26.0-26.5cm |
素足幅 | 11cm |
スニーカー幅 | 4E |
土踏まず足囲 | 26cm |
母指球足囲 | 27cm |
足囲がサイズを上回ります。これが真の幅広甲高です。3Eや2Eのwidthはこのサイトの定義では細身です。
ブルックスゴースト12の特徴
ブルックスはランニングシューズ専門のメーカーです。NIKEのようなスニーカーやNBのようなキャンパスシューズは公式ページにありません。
Brooks Running Japanのジャンルは男女ともに以下の5つです。
- スピード
- クッション
- エナジャイズ
- トレイル
- ウォーキング
『エナジャイズ』がミステリアスですね。つづりは”energize”で、おおむね『エネルギッシュ』と同意です。このジャンルには高反発シューズが並びます。
クッション型ランシューの上位
で、ゴースト12には4Eモデルがあります。ブルックスの区分では”SUPERWIDE”です。
幅広タイプ=クッション型ですから、ゴースト12は『クッション』の項目に属します。
モデル名 | Brooks Ghost12 |
希望小売価格 | 13750円(税込) |
ミッドソールドロップ | 12mm |
重さ | 294.8g(27.0cm) |
アーチ | Medium,High |
タイプ | Chusion |
ミッドソール素材 | DNA LOFT,BioMoGo DNA |
用途 | セーフティ |
原産国 | ベトナム/中国 |
キャッチコピーは以下の通りです。
ビギナーからベテランまで柔らかく滑らかな走り心地を約束するゴーストシリーズ
初フル、サブ4・5を目指すランナーからトップランナーのジョグやLSDなどにも最適な“世界のロングセラーモデル”
『サブ4.5』はクッション系ランニングシューズのテンプレート的キャッチコピーです。
NIKE ZOOM PEGASUS、asics GT2000、MIZUNO WAVE RIDERなども同じタイプです。
定価は13700円、実売は10000円前後です。この価格帯はクッション系幅広ランニングシューズ内ではハイエンドになります。
これより高額の4Eランシューは限定モデルや特別モデルくらいです。
Ghost 12は2020年の最新モデルです。
シームレスのメッシュアッパー
Ghost 12のアッパーはメッシュ素材です。
1万円クラスのランニングシューズのアッパーはほぼシームレスです。縫い目がなく、見た目がスマートになります。Ghost 12もこのタイプです。
5000円クラスのランニングシューズにはこのシームレス構造はほぼ採用されません。
甲、サイド、ヒールと幾つかの部分に分かれます。asics JOG 100 2などはその典型です。
超快適な履き心地
アッパーの柄も縫いでなく、プリントです。ロゴの部分に小さな縫い目が見えますね。
NIKE ZOOM PEGASUSやasics GT2000も同様のシームレスタイプです。これが現代の1万円クラスのランニングシューズのデザインのトレンドです。
この構造の利点は見た目のスマートさ、履き心地の良さです。安いシューズは縫い目から良く劣化します。
また糸がほつれて飛び出ると、美観が急速に下がります。
アッパーの甲から爪先部分の裏地もシームレスです。
生地の繋ぎ目や縫い糸はしばしばストレスフルな『当たり』になります。小さな砂粒や靴下のよれも足には非常な違和感です。
しかし、この凹凸なしのつるペタ構造にはそのような『当たり』が根本的に生じません。
メッシュ素材の追従性の高さもあって、履き心地はスニーカーや安いランニングシューズを凌ぎます。
とにかくストレスフル。これに勝てるのは完全開放型のサンダルだけです。
サイズ感はマイベスト更新
ところで、このGhost 12は私のブルックスシューズの初めての一足です。
試着なしで未知のブランドの履き物をオーダーするときのマイルールは『26.5cmを買うこと』です。大は小を兼ねるが、小は大を兼ねない。
そして、最初の一足の第一印象はそのブランドの運命を決します。実際にプーマやコンバースとの縁がそれで切れました。
で、ブルックスゴースト12です。素足で試着してみます。率直な感想は最初の一秒で閃きます。これは良いシューズだ!
縦のサイズ感、横の幅広感、アッパーのホールド感、ヒールやインソールのサポート、これらがぼくの好みにすごく合います。
試着の印象はここ数年のお気に入りNo1のNIKE ZOOM PEGASUSを越えました。
高いアーチのインソール
Ghost 12のインソールは取り外し式です。商品カタログには”アーチ:Medium,High”と記載されます。
たしかに土踏まずを支えるアーチ部分は上部へせり出します。
逆にアーチが高すぎると、足裏に圧迫感が出ます。
前にスポーツ店で試着したアンダーアーマーのランニングシューズは非常にハイアーチで、個人的にはややストレスフルでした。モデル名は何だったか・・・
このGhost 12のインソールのアーチは見た目の印象ほどに足裏を突き上げません。サポート力は適度です。気掛かりは色ですか。白はめっきり汚れます。
ヒールは普通
Ghost 12のヒール側です。
トレラン用のNB MT410のようにふにゃふにゃでもなければ、防水スニーカーのムーンスター M196のように肉厚でもありません。標準的。
ヒールの下部の粒々模様の白いミッドソールが特別素材の”DNA LOFT”です。軽量で高耐久です。柔らかいウレタンのような質感です。
しなやかでハイグリップなアウトソール
アッパーが履き心地を左右するなら、アウトソールは踏み心地や走り心地を決定付けます。あと、耐久度ですね。
硬いゴム底は長持ちしますが、クッション系シューズのアウトソールは長持ちしません。
ちなみにランニングシューズの平均寿命は1000~2000kmです。1000km~の体感消耗度は~1000kmの倍速です。
性能が加速度的に落ちる。また一足のシューズの兼用、使い回し、ヘビーローテーションは寿命を縮めます。
Brooks Ghost 12の靴底はこのようなものです。
白地のミッドソールに紺色と水色のアウトソールが被さります。踵側が上述の”DNA LOFT”で、爪先側が”BioMoGoDNA”です。
「路面からの衝撃、スピードに応じて衝撃吸収性が変化する独自のクッション材」とのことです。
紺色と水色のアウトソールのデザインは機械的・幾何学的でなく、生物的・有機的です。ヒールの部分は芋虫に見える。
前側の紺色の部分は3cmくらいの間隔で4段に分割されます。おそらくこの形状が独特のしなやかさの原因でしょう。
実際、asics JOGやM196では感じられなかったシューズからの適度な推進力を感じました。足が前に出る。
試しにインソールを抜いて、素足で歩くor走るをしても、同様の推進力を感じられます。
ならば、インソールのハイアーチのせいではありません。アウトソールとおしゃれな名前のミッドソールのおかげです。
アウトソールの手触りは柔らかめです。ウォーク時の足音は「むぎゅむぎゅ」という感じです。
ただし、ブロックの溝は深くありませんから、オフロードや砂利道、雨の日にはスリッピーになります。
重さなど
幅広甲高、スーパーワイド、4Eのシューズは必然的に快適クッション型として作られます。つまり、ランニングシューズの中では重い部類になります。
Brooks Ghost 12の重量を測りましょう
26.5cmの4Eが295gです。他者の標準的なモデルはおおむね260~280gですから、Ghost 12はかなり重めと位置付けられます。
でも、履き心地とサイズ感が全てに勝ります。
靴紐はピュアコットンでなく、ゴム入りのストレッチタイプです。
ブルックスゴースト 12のまとめ
ブルックスゴースト12は最高峰の幅広甲高ランニングシューズです。実物は予想を上回りました。
第一印象はぼくのシューズ歴のベスト3に入ります。なんでもっと早く購入に踏み切らなかったか?
- 価格:3
- ブランド:3 ※日本ではマイナー
- デザイン:5
- 性能:4
- 機能:5
- 幅広甲高:5 ※サイコー!
- トータル:5
10000円越えの定価が欠点らしい欠点です。国内での知名度の低さは着用者の少なさです。シューズの被りを回避できるのはメリットです。
スマートなシームレスアッパーはシーンを選びません。デザインも高得点だし、作りもていねいです。
なにより履き心地、サイズ感、幅広感が満点です。ここまでしっくる来るシューズはひさびさだ。