五月にビワイチ、九月にアワイチとバイクパッキングで関西二大イチ系サイクリングスポットをだらだら行脚しまして、チャリキャンプの勝手をおおよそに掴みました。
で、今回の計画ではサイクリングの距離より現地のアウトドアを充実させようと思って、自走距離を短くして、荷物を増やして、チャリの装備を変更します。
大阪の南の橋の靴のつま先のところと淡路島の間に浮かぶ友ヶ島が今回の目的地です。
せっかくだからおれはこの無人島を選ぶぜ!
大阪から和歌山への距離とルート
大阪の中心部から県境までが70km強です。島への渡し船はそこから数キロ先の加太港から出ます。グーグルマップでの徒歩の距離の目安は71kmです。
速い人はぜんぜん日帰りで往復できますが、ぼくは一泊二日のバイクパッキンでだらだら向かいます。
友ヶ島にはキャンプ場がありますし、島全体が未舗装路のオフロードトレイルコースです。現地での楽しみがいっぱいです。
大阪市内から海沿いをひたすら南下
では、出発しましょう。スタート地点は毎度の神崎川、大阪市の北の端です。
みごとな秋晴れです。日中の最高気温は23度です。服装は、
- Tシャツ
- ジャージ
- ジーパン
- キャップ
- スニーカー
- さいふ
- スマホ
毎度の普段着お気軽スタイルになります。正直、最高気温23度ではジャージはライド中には不要です。でも、日没後のキャンプ場は冷え込みます。現地の防寒具兼寝間着です。
リュックは7.3kgに達した・・・
この写真の時点で時刻は午前7時31分です。通勤時間と被ります。梅田の方面から入ると、どっちゃりの人込みに巻き込まれます。十三から伝法大橋まで下ります。
しかし、道をまちがって、えらく大回りしちゃいました。おかげで直線距離で8kmしか進まないのに、小一時間ばかしを右往左往します。
やけくそでパン屋によって、朝食をゲットします。ウエストポーチが大活躍だ!
信号のたびにパクパクつまんで、一瞬で食べきりました。ストップアンドゴーのラッシュがえげつないレべです、大阪市内。
さて、大阪から和歌山へのルートはかんたんです。大きな筋をずっとずーっと南下します。序盤は市内南方への定番チャリダーコースです。
ついでにシマノ本社におまいり
と、道中にふと余計なことを思い出します。このコースの途上には堺国がありまして、そこにはわれらのシマノ本社がででーんそびえます。
キャンプ場では釣りを予定します。じゃあ、自転車と釣り具の神さま、シマノはんにパワーを貰いに行きましょう。
「シマノはん、わいのALIVIOリールに力をおくんなはれ! パワー!」
て、シマノの社員さんたちにじろじろ見られながら、ぶじにおまいりをすませます。これでボウズはないわ~。
おっと、なんか急にマイチャリのSRAMの変速機の調子がおかしくならんけ?! いや、これは浮気じゃないよ~。スラムはん、かんにんして~。
て、そんな寄り道で15分がむだに流れました。13時便がますますあやしくなります。
たいくつな26号線をひたすら南下
大阪から和歌山へのルートはほぼ一本です。海沿いの国道26号線および周辺の府道です。この道は湾岸部にありますが、海沿いのきわきわにはなくて、ふつうの市街地を通ります。
堺の内陸部は溜め池と古墳のラビリンスです。地元民のほかはもれなく迷いますから、26号線をひたすら走ります。見どころは絶無です。
もくもくまじめに走りますが、前半の遅れを取り戻せません。荷物とバックパックとセミファットタイヤが足回りを重くします。
長い距離をらくちんに走るなら、パニエで背中と肩をストレスフリーにしましょう。体感のタイトさがぜんぜんちがいます。
岬町のオークワで買い出し
さて、わりとひたむきにペダルをこぎますが、過去の経験から照らし合わせて、13時の渡船をすっかり諦めます。残り25kmを1時間で走るのはむりです。
多分、むりくりオーバーワークで急いでも、13時15分とかの惜しい時間に着いちゃいます。これは心身ともに大打撃です。そもそも食材を買いに店に寄れない。
じゃあ、気楽なゆったりモードに切り替えて、スーパーとランチどころを探します。岬町にオークワがありました。
友ヶ島にはショップがありません。まさにこれがダンジョン前の最後のスーパーです。今夜の夕食の食材を調達します。で、時刻は12時59分です。かまへん、かまへん~。
あれこれ買い込みました。直火で焼けるもの、手軽に食えるもの、そして、見切りの半額そばを見逃せない貧乏性のB4Cです。
これらをかばんにつーめーこーんでーすると、バックパックの重さをロ-ドバイクからクロスバイクにできます。
もっとも、船着き場の加太港までの距離は10kmちょいです。次便までの時間はたっぷりあります。じゃあ、ランチを食べましょう。
うお鉄でランチ
変わり者のバッタを草むらに返して、ランチどころへ向かいます。うお鉄て魚屋兼定食屋が右手にありました。
お、店の裏手にバイクラックがあります。
だれも盗らへんで~。てことで、ノーロックです。通行人がほとんどいないし。気さくな大将が厨房から見張ってくれはります。
ランチは日替わりです。Aセットの天丼とお造り定食を頼みました。
刺身のうまさは一目で分かります。ぼく的にベストの量です。中とろはぼくのグルメ細胞の適合食材です。ただ、天丼のネギの量がグレートだあ!
淡路島でタコから定食を食べたときにもネギの量の多さに驚きました。和歌山、淡路島ではこれがふつうでしょうか?
お代わりは3杯までOKです。そんなに食えん! 一杯目でまんぷくになります、ごちそうさまでした。
この先でルートが65号線になります。そして、最初で最後のアップダウン区間が行く手に立ちふさがります。勾配のゆるやかさが救いです。
大阪と和歌山の境目でようやくの海が見えます。
加太港に到着 人形供養の淡島神社へ
下り坂のゴールが加太の町と加太港です。最寄りの駅は南海の加太駅です。なんばから特急を使っても、1時間50分ののんびり旅行を課せられます。奈良の吉野なみの辺境です。
道端にあっさりした看板がありました。ごりごりの手書きスタイルがローカルぽさをさらに演出します。
船着き場です。
人っ子がいません。平日の昼下がりはこんなものです。反対に土日と午前の便は活況です。
とくに『友ヶ島の廃墟がラピュタぽい』てSNSで拡散されて以降、若い人らが聖地巡礼風に訪問します。
友ヶ島への渡船の料金
渡船の料金は大人往復2000円です。チャリの持ち込みは別途800円です。手荷物は40kg以内の一個まで無料です。
ぼくのバイクパッキングの状態はどう判断されるか? て思いましたが、ふつうにチャリ持ち込みの額で行けました。2800円の先払いです。
さらにうれしい誤算で繁忙期の臨時便が40分後の15時に出ますてお達しを受け付けのおねーさんからいただきました。ラッキー! →友ヶ島汽船の公式サイト
待ち時間を利用して、加太のもう一つの名所へ向かいます。淡島神社がそれです。人形供養で有名なところです。
奉納や供養で全国から集まった2万体の人形が境内にずらっと立ち並びます。
全部がおんなじ顔に見えます。顔平たい族です。外国人から見た日本人の顔はこんなふんいきでしょうか?
定刻通りに汽船のラピュタ号が出向します。結局、乗客はぼく一人でした。貸し切りです。
海上にはいくつかの島とたくさんの漁船が浮かびます。雲一つないパーフェクトな秋晴れです。
どんぶらこっこと20分で島に着きました。ぼく史上初の無人島上陸作戦です。
15時発の島行きの船は無人でしたが、こちらの船着き場には100人からの帰りの人出がありました。けっこうな観光スポットです。
一応、自販機はあります。のきなみ150円です。観光地価格だあ!
友ヶ島はかっこうのトレイルコース
キャンプの利用者は桟橋のかたわらの建物で受付を済ませます。キャンプ利用は無料です。水と食料を確保できれば、格安で連泊できます、風呂なしをがまんできれば。
島内は絶好のトレイルです。散策、探検、ハイキング、そして、MTB遊びにベストのコースです。
桟橋の付近の公園以外は未舗装のオフロードです。路面は基本的にこんなです。島内のわりとセーフティな部類の路面です。
て、ここまでのサイクリングと荒れ道でハンドルの荷物が崩れ始めました。さっさとキャンプ場に向かって、荷解きをしましょう。
が、いつもの迷いぐせで道をまちがえて、えらい山道と階段を登って、高いところに出ちゃいました。大展望台です。
グッドビューです。でも、ここじゃない~。時刻は午後3時半、日は急速に傾き始めます。日没前にキャンプを設営しないといけません。キャンプ場へ急ぎます。
が、分岐の道をさらに間違えて、行き止まりの廃墟にぶちあたります。
そして、がたがたの道で荷物がついにぱっかーんとパージします。ひえ~!
結びなおすのをもどかしく感じて、小脇に抱えて最後の道をてくてく歩きます。何度ボトルがすっぽぬけていったか・・・
友ヶ島キャンプ場に到着
そんなこんなでキャンプサイトにつきました。島の南側のキャンプです。キャンプファイヤーのコーナーがあります。
この日のこのサイトの宿泊利用者はぼくともう一組の釣り人グループばかりです。ほぼ貸し切りモードです。
ふう、どうにか間に合いました。荷物を広げて、テントをセットしましょう。
持参物の一覧です。
食材、水、みかん、予備タイヤ、釣り具、ガンダムMK-IIなどなどです。むだをそぎ落としたシンプルな構成です。あと、フライパンと食器類があります。
速攻でテントを立てちゃいます。えいえいやっと!
おー、最高です!
軽くトレイルついでに薪集め
過去の二回のバイパキでは火を使いませんし、調理をしませんが、今回こそ初のキャンピングファイヤーに挑戦します。
近場へトレイルに出て、ついでに薪を集めましょう。早速に絶好の折れ枝を発見します。ゲット&ライド!
そして、帰りの最終便後の島内は完全貸し切り無人コースです。もちろん、デンジャラストラックやバッドドライバーはいません。ぞんぶんにヒャッハーできます。
さらにところどころの廃墟が冒険心をくすぐります。
チャリで行けるとこまで行きます。リアルにダンジョンの入り口です。
暗さと狭さで引き返しました。明日にしましょう。
晩御飯づくり
テントへ戻ります。日がとっぷりとくれました。とうぜんごとく街頭や照明はゼロです。この明かりはほかのグループのライトとキャンプファイヤーです。
暗闇の中では本来の野生の勘がさえます。実際、目と耳の感覚が普段の数倍に研ぎ澄まされます。ライトを完全に落としても、なぜか地形を把握できます。人体の神秘。
ゲットした薪です。足りるかあ? 勝手がぜんぜんわかりません。
鍋用のガスコンロのごとくを置いて、その上にでっかい石を置いて、その上にキッチンのコンロのごとくを置きます。ごとくサンドイッチシステムです。直火、だめ、ゼッタイ、アブソリュート!
そこに木切れと新聞紙をテキトーにモリモリします。で、ライターで着火して、空気を送り込みます。
OK牧場! 100点! 焼き鳥を焼きましょう。岩塩とブラックペッパーで味付けして、オンザファイヤーします。
はい、すでにうまさのオーラが見えました。まいうーは不可避です。かんじんの味は案の定のまいうーレストランです。肉に直火は最強だあ!
これをパクついて、ウインナーを焼いて、さあ、フライパンでラーメンを炊こうかと思いますが、あえなく薪を切らしちゃいます。ぬるいカチカチのラーメンで締めました。ややしりすぼみな夕食に・・・
併設の井戸水で歯磨きをします、この水は飲用には向きません。エア飲用不可でなく、がっちんの飲用不可です。鉄サビみたいな風味がします。腹をこわしますで~。
早めに就寝します。あー、スマホのカメラには星は映らないなあ。
ダンジョン冒険とトレイルライドの二日目に続きます。