Uber Eats の現金払いはハイリスク、ローリターンです。今どきのキャッシュレスなフードデリバリーがアナログな出前へ逆行してしまいます。
配達パートナー的にはお釣りの調達、小銭の管理は超絶高コストなタスクです。
手書き伝票をうん万回と書いて、総額1億円の釣り銭をじゃらじゃら言わせながら、大阪の夜の街を走り回った元酒屋の兄ちゃんが断言します。
注文者的にはポイントやキャッシュバックなどが対象外です。まさに絵に描いた餅だ。
アルコール類の注文やお持ち帰りのテイクアウト機能も現金払いでは不可です。
Uber Eats の現金払いの基本情報
Uber Eats はアメリカ発のオンラインフードデリバリーサービスです。日本への上陸は2016年9月。以降の4年弱で稼働エリアは北海道から沖縄まで広がりました。
まあ、山陰地方や東北地方はスルーされますが。→Uber Eats のエリア最新版 注文配達できる都市の調べ方
Uber Eats のユーザーは以下の三者です。それぞれの目線で『Uber Eats 』の意義が変わります。
- 注文者=料理をくれるアプリ
- 加盟店=注文をくれるアプリ
- 配達パートナー=配達をくれるアプリ
このゆるいネットワークの全体がUber Eats 及び類似のオンラインフードデリバリーです。運営元の業務は代理・斡旋・仲介です。
収益の柱はアプリの手数料です。注文者と配達パートナーには10%、加盟店には~40%の手数料が掛かります。
この明細のようにお金のやり取りがアプリ内で済みます。サービスの設計にクレカやスマホ決済が最初から組み込まれます。現金払いはイレギュラーだ。
しかしながら、日本は先進国では異例の現金主義大国です。いつもニコニコ現金払いが圧倒的に好まれます。小売店もクレカを積極的に導入しません。
実際、ぼくの前職の酒屋は現金払いオンリーでしたし、受注は電話とFAXのみ、伝票は手書きで、車両は50年物のウエルビーやセキネの実用自転車でした。
デジタル要素絶無。Uber Eats と対極の古き良き昭和の配達スタイルです。
このシステムでは現金払いがレギュラーです。ビール券がオプション、ツケがイレギュラーです。家族経営、個人商店はだいたいこんなものです。
店のスタイルはぼくの在職中には不変不動の昭和スタイルでしたが、Uber Eats は上陸から2年で日本の環境に適応しました。
2018年11月に大阪で現金払いの試験運用が始まって、あっというまに全国エリアに広まります。小銭じゃらじゃらエブリデイの復活だ?!
Uber Eats の現金払いの設定方法 注文編
まず、注文者の目線で現金払いを解説しましょう。以下の手順でUber Eats の支払い方法をチェックします。
- Uber Eats 注文用アプリ立ち上げ
- アカウント
- Wallet
で、この画面が出てきます。
クレジットカード、キャッシュレス、そして、現金です。
ぼくはUber Eats を頼むときには玄関置き配で頼みますから、クレジットカードでしか払いません。いちいち軒先まで出て支払うのがめんどうだ。
また現金払いではクレカのポイントやキャッシュレス決済のお得なプロモーションが発動しません。メリットがまじでない。
個人的に現金払いは大損な決済方法です。
クレジットカードを用意できない学生さんやキャッシュレスアプリをダウンロードできないネット音痴さんには現金払いは救済策でしょう。
まあ、そういう人にはアナログな電話注文の出前が有利です。
また、DiDi Foodやmenuの初回クーポンの適用条件はカード決済です。現金払いではただ飯を食えません。
Uber Eats の現金払いの設定方法 配達編
冒頭の解説のように配達パートナーには現金払いは鬼門中の鬼門です。お釣りの調達、代金の計算、小銭の管理、これらのタスクはリソースを食います。
小銭の数え間違いや代金不足であたふたしたのは一回や二回ではない・・・
この苦い思い出からぼくはUber Eats の現金払いを積極的に使おうとは思いません。オフが安全。
ところが、何と掛け持ち用のDiDi Foodの決済は現金&クレジットカードの併用です! しかも、DiDiでは現金払いをオフにできません!
実際にDiDi Foodの二日目の稼働で現金払いのオーダーがありました。
頻度は多くありませんが、お釣りの用意は不可避です。ぼくはZOOMのネット研修でこれを知らされて、往時の記憶を思い出して、少し萎えました。
フードパンダでも現金払いがデフォルトです!
現金払いは10000円/1回
Uber Eats の現金払いの上限は1万円です。つまり、9999円の常備が理想的です。
- 千円札=1g
- 百円玉=4.8g
- 十円玉=4.5g
- 一円玉=1g
全桁x9の総重量は101.7gです。何という重さ! 何より小銭のじゃらじゃら感が非常にストレスフルです。
が、DiDi FoodやFood pandaでコンスタントに配達を続けるなら、お釣りの常備を避けられません。
今のところぼくは紹介インセンティブの関係でこれを切れませんから、しばらくじゃらじゃら生活を続けましょう。配達スタイルが10年前に逆戻りだ。
このおかげでUber Eats の現金払いを心置きなくオンにできます。リソースを割くなら、可能性を最大限にしないと、結果的にコスト負けします。
現金払いにはクレカ登録が必要
現金払いの設定にはクレジットカードの登録が必要です。預かり金の調整のためです。
さきほどのDiDiの注文明細を見てみましょう。
代金は1030円です。名目は預かり金になります。387円がパートナーの取り分、あとの643円がDiDiの取り分です。
で、配達パートナーはこの643円をいちいちパートナーハブに持って行くとかDiDiの口座に振り込むとかしません。それは昭和のアナログスタイルです。
Uber Eats のパートナーセンターは3月からずっと閉業中ですし。
現金払いの預かり金は調整金の名目でクレジットカード払いの売り上げから即時に天引きされます。アプリは取りこぼさない。
まれに現金払いの売り上げがクレカ払いの売り上げを越えると、配達パートナーのクレジットカードに差額の請求が来ます。カードは取りこぼさない。
アプリのクレジットカードの追加は以下の通りです。
- アカウント
- お支払い
- Uberへのお支払い
- 支払い方法を追加
- クレジットカードまたはデビットカード
実質、このカードは預かり金返済用の人質みたいなものです。楽天カードとかでいいでしょう。
現金払いの設定できないときの対策
上記の方法でクレカを登録すると、現金払いを有効化できます。配達アプリの手のひらアイコンの横のスライドアイコンの中のメニューから設定します。
が、まれにこのアイコンは神隠しにあいます。対処法はつぎの通りです。
- アプリの更新
- クレカ再登録
- パートナーセンターに問い合わせ
現金払いの判定タイミング
「設定でオートマチックに現金払いをオフにできないなら、手動で任意に弾けないか?」
これは当然の疑問です。しかし、現金払いの件では配達パートナーに主導権はありません。
注文の決済方法は基本的にピックアップのあとに判明します。この時点でのキャンセルは特大のペナルティです。
というか、契約不履行だ。料理の持ち逃げと変わりません。
お釣りが足りないときの対処法
「お釣りが足りない!」
そんなときにはさきに注文をユーザーに届けてから、お釣りを用意して再訪します。無論、この二度手間のコストに報酬は出ません。
準備不足は配達パートナーの責任です。
個人的には小銭を作りにコンビニやスーパーへ駆け込むコストよりその場で端数の金額をおまけするコストの方が安上がりに思えます。損して得取れ。
配達パートナーは配達の事業主です。現場での対応は個人の自由です。できそうなことにはどんどんチャレンジするのが商売人というものです。
店がおまけできて、配達パートナーができないと思うのは早とちりです。
現金払いのユーザー層
現金払いのユーザー層はクレジットカード払いやキャッシュレス払いの層よりファンキーです。
学生、主婦、若い女性は例外ですが、クレジットカードを持たない&作れない一般男性はだいたい外れです。とくに夜中の現金払いには魔物が潜みます。
主婦や若い女性は夜中にはUber Eats を利用しません。女性の利用はおもに昼です。夜中のお得意さまはファンキーな男性諸君です。
そのなかでキャッシュレスやクレジットカードを使わない層はかなりパンチの効いた方々です。
さいわいアルコール類の注文には現金払いは非対応です。これが解放されると、トラブルは確実に増えます。元酒屋が断言します。
Uber Eats の現金払いまとめ
現金払いはUber Eats ではイレギュラーな決済方法です。お得な支払い方ではありません。
注文者はポイントやキャッシュバックの恩恵を受けられず、配達パートナーはお釣りの管理に悩まされます。
現金払いの上限は10000円/1注文です。お酒の現金払いは不可です。バラバラの9999円は102.7gです。
現金払いの売り上げは預かり金です。これは調整金の名目でクレカやキャッシュレスの売り上げから天引きされるか、配達パートナーのクレジットカードに請求されます。
DiDi Foodやfoodpandaの配達アプリでは現金払いを弾けません。掛け持ちをするなら、お釣りを用意しましょう。