Uber Eats はアメリカ発のフードデリバリーです。和訳は「ネット出前」ですか。
数年前までマイナーなサービスでしたが、2020-2021シーズンで新聞配達やピザの宅配よりメジャーになりました。
もはや、出前=フードデリバリー=ウーバーです。かつての家庭用ゲーム機が「ファミコン」と呼ばれたように。
Uber Eats って?
そんなUber Eats の概要です。
サービス名 | Uber Eats(ウーバーイーツ) |
SNSなどでの俗称 | ウバ、乳母、姥 |
運営会社 | Uber Japan株式会社 |
母体 | Uber Technologies Inc |
公式ページ | 【ウーバーイーツ】出前&宅配の総合サイト |
公式Twitter | Uber Eats JapanのTwitter |
配達エリア | 全国47都道府県 |
加盟店舗数 | 100,000 |
エリア一覧 | Uber Eats 日本のすべての都市 |
加盟店マップ | Uber Eats 加盟店マップ |
拠点 | ※パートナーセンターは無期限休業中 |
マッチングサービス=斡旋仲介業
Uber Eats 及びUberグループの本質はマッチングサービスです。誰かに何かを紹介して手数料を貰う、つまり、斡旋仲介業です。
Uber Eats のバッグで料理を運ぶライダーやUber Taxiのアプリで来るタクシードライバーはUberの従業員ではありません。彼らは提携先のパートナーです。
しばしばネットやSNSで「ウーバーの自転車のマナーが良くない! 社員教育しろ!」というような声が上がります。これは大いに的外れです。
配達パートナーは文字通りのビジネスパートナーです。Uberの従業員ではない。その稼ぎは給料でなく、報酬、つまり、個人事業の営業利益です。
トヨタの車で稼働する個人タクシーの運転手はトヨタの社員でしょうか? そういうことです。Uber Eats のバッグで料理を運ぶ配達パートナーはUberの社員ではありません。
また、運営元のUber社は配送業者でも飲食店でもありません。根本的にはスマホのアプリ屋、IT企業です。
- 注文者
- 加盟店
- 配達パートナー
Uber Eats はこの3種類の利用者の需要と供給をマッチングして、各々から手数料を取ります。まさに斡旋業です。
で、Uberはマッチングのスペシャリストですが、配送業の専門家ではありません。紹介できても、教育できない。そもそもそんなノウハウも義務も必要もない。
欧米ではこれが社会的な問題になって、一部の州の裁判所がマッチングサービスの運営元にパートナーの直接雇用を命令します。※カリフォルニアのUberやLyftのドライバーなど。
しかし、日本はこの手のことには後進的です。Uberの直雇用の配達員やドライバーが生まれるのはまだまだ先のことでしょう。
出前館の主力のアルバイト配達員は例外です。→出前館の配達員の始め方 高額報酬には拠点選びが重要
Uber Eats の配達エリアと加盟店
フードデリバリーは出前です。これは地域密着型のローカルなビジネスです。小売店の商圏は一駅分=半径500mと言われます。飲食店も同様です。
Uber Eats のエリアもこの流れを汲みます。都道府県で区分するのは適当ではありません。市町区村でくくるのが正解です。
「Uber Eats がどこどこの県で始まった」と言われても、郊外や工業地帯の住民はこの恩恵に預かれません。そこはフードデリバリー的にはアウェーです。
ホームのロケーションは以下の通りです。
- 都心
- 県庁所在地
- 繁華街
- 観光地
郊外、山奥、工業地帯には飲食店がありません。注文者、加盟店、配達ユーザーのバランスが成立せず、フードデリバリーが機能しない。
47都道府県、200都市
Uber Eats の配達エリアは全国47都道府県、200市町区村に及びます。とくに2020-2021シーズンで倍増しました。
これはセンター閉鎖に伴うオンライン登録のたまものでしょう。Uber Eats のバッグも通販で届きます。
強力な加盟店
Uber Eats の加盟店は屈指のメンバーです。マクドナルドの案件は長らく独占でした。おかげでマック地蔵なる怪奇現象が各地で見られました。
- マクドナルド
- ケンタッキー
- モスバーガー
- 松屋
- 吉野家
- ココイチ
- ローソン
- マックスバリュ
- 成城石井
おなじみの飲食店が勢揃いします。そして、2020年後半から小売りの大手が次々に参入します。
個人的にはローソンの加入がクーポンやキャンペーンの消化に大助かりです。雑貨や雑誌やからあげクンが置き配で届きます。
Uber Eats に使える車両と年齢制限
Uber Eats で気軽に使える車両は主に二つです。
- 自転車
- 125㏄以下のオートバイ
都会の主力は圧倒的に自転車です。都心部の交通事情ではオートバイや自動車を使っても、大幅にタイムを稼げないし、駐車場所に困ります。
125cc以上のオートバイや軽自動車での配達には営業の申請が必要です。陸運に届け出をしないと、配達業務を行えません。
自動車は黒ナンバー、オートバイは緑ナンバーですね。
認可なしで有償配達できる車両は125cc以下のオートバイと自転車です。実際問題、出前や新聞配達の多くは原付や自転車でしょう。
それから、18歳未満は配達パートナーに登録できません。18歳の高校生は可能です。
Uber Eats の始め方
Uber Eats の配達パートナー登録の手順を解説します。まずはWebでの仮登録、センターでの本登録の流れです。
仮登録を完璧に済ませて、バッグを郵送にすれば、センターへ訪問せずとも配達を始められます。※2020年3月から登録手続きはオンラインで完結します。
Webで仮登録(現在本登録までWebで完結します)
2020年3月にUber Eats の登録の方法は一変しました。全てはコロナのせいです。各エリアのUber パートナーセンターは無期限休業中です。
もっとも、以前からセンターへの訪問は必須ではありません。書類の申請、銀行口座の登録、バッグの受け取りまでWebで完結します。
Uber Eats の配達パートナーの登録には公式ページかアプリからアカウントを作成します。
※Uberアプリの登録には幾つかの深刻なバグやエラーがあります。PCかスマホのブラウザから登録しましょう。
不合格はない
Uber Eats の配達パートナーはUber社の従業員ではありません。ゆえにパートナー登録は就職面接ではない。不合格はあり得ません。
審査落ちの原因は入力ミス、書類不備、アカウント重複、残念なプロフィール写真などです。
自転車と原付では提出書類が違います。海外国籍の方は例外的にセンターでの本人確認を求められます。※このためにセンターは不定期に開かれる。
必要なものと注意点
Uber Eats の登録に必要なものです。これらを事前に用意すると、スムーズに入力を進められます。
- スマホ
- メールアドレス
- 携帯電話番号
- 身分証明書
- プロフィール写真
- 銀行口座番号
- キャッシュカード
- クレジットカード
2021年夏季より不正登録対策のため銀行のキャッシュカードの写真のアップロードが必須化しました。
PCの登録画面です。
入力項目はメールアドレス、姓名、電話番号、パスワード、都市です。
注意点は2つです。
- Uber Eats の注文アプリのメールアドレスを使い回さない
- 氏名をローマ字で入力する
注文アプリと同じメルアドを配達アプリに使い回すと、まれに審査で弾かれます。理由は不明です。
氏名をローマ字で入力するのは海外のアプリでは普通の仕様です。
最後の『都市』はホームエリアの指定のことです。ブーストやクエストなどのプロモーションに関係します。ちなみにホーム都市の変更は自由です。
招待コードは任意です。ここにプロモーションコードを入力すれば、インセンティブを貰えます。→Uber Eats の紹介料 期間 金額 貰い方 紹介者に入らないときの対処法
パートナーセンターで本登録(休止中)
コロナ以前の流れではここから各エリアのパートナーセンターに出頭するのが定番でした。
しかし、例のごとくWeb登録が標準化して、対面のリアルな受付は休止になりました。おそらくこれが今後のスタンダードでしょう。
元よりセンターでの手続きはWeb登録の補助、簡単なアナウンス、バッグの手配のみです。バイトや社員の採用面接ではありません。
なぜなら配達パートナーは従業員でないから。
Uber Eats の気軽さの秘訣はここにあります。直接の雇用関係がない。義務や強制がない。主従がない。自由!
反面、賃金の保証や福利もありません。働こうと思えば週七で働けますし、休もうと思えば永久に休めます。それが事業というものです。※連続稼働時間の制限はあります。
これが単なる出前や配達のバイトであれば、こんな自由放任はありえません。
かつてのパートナーセンターでの本登録の内容は以下のようなものです。
- 説明ビデオの鑑賞
- 銀行口座の登録
- プロフィール写真の撮影
- 配達方法やアプリの説明
- 配達バッグの説明
徒歩配達解禁で自転車すら不要に
Uber Eats =大きなバッグを担いで自転車で忙しなく走り回る連中
フードデリバリーの配達パートナーの世間的なイメージはこのようなものです。ときにそのマナーの悪さや不祥事がネット上で取り上げられます。
しかし、このイメージが根本的に崩壊します。2021年6月22日から東京23区内でUber Eats の徒歩配達が試験的にスタートしました。
このアップデートで車両の登録や自転車の手配さえが不要です。乗り物はもう必須のものではありません。
たしかに東京、大阪、名古屋の都心部には適当な駐輪場所がありませんし、渋滞が常ですし、細い路地が入り組みます。徒歩の方が早く着くことはままある。
配達中の問い合わせ先
配送や運搬には破損や過失が付き物です、些細なトラブルから重大な事故まで。
Uber Eats の駆け込み寺は実店舗のパートナーセンターでしたが、コロナ騒動のおかげで営業所は閉鎖しました。復活は未定です。
「料理がぐちゃぐちゃ!」
「注文が違う!」
「配達パートナーが来ない!」
このような注文者側の問い合わせ窓口は以下の電話番号です。
0800-700-6754 フリーダイヤル
03-4510-1243 有料
一方、配達パートナーの問い合わせ先はUber Eats の稼働エリアで異なります。
エリア | 電話番号 |
東京 | 0800-080-4117 |
神奈川 | 0800-080-4255 |
千葉 | 0800-080-4117 |
埼玉 | 0800-080-4117 |
愛知 | 0800-123-6931 |
大阪 | 0800-080-4270 |
兵庫 | 0800-080-4288 |
京都 | 080-0170-0024 |
福岡 | 0800-080-4153 |
この連絡先はもともと各エリアのパートナーセンターの電話番号です。しかし、ご存知のように実店舗はコロナで閉鎖しました。
結果、2020年3月以降の新規エリアの電話番号は見つかりません。実店舗のパートナーセンターがそもそも現地に存在しないから。
アプリ内の問い合わせ先は以下の場所にあります。
- ヘルプ
- その他
- お客様相談室(配達パートナー様向け)
- その他
- 事故あるいはUberに関する相談フォーム
ここから任意のメッセージを送れます。一般的なQ&A以外のトラブルに直面したときに使いましょう。
稼働時間が24時間に
昨今の緊急事態なこんな世の中では飲食店、デパート、スーパー、コンビニさえが時短します。
フードデリバリーはこの流れに反逆して、営業時間をどしどし延長します。伏兵のmenuが東京23区の一部で禁断の24時間営業を解禁しました。
さらに2021年8月上旬ごろからUber Eats で深夜3時や早朝5時の注文&配達のレポートが上がり始めます。
Uber公式はアナウンスしませんが、SNSでは多数の報告が上がりますし、深夜早朝に配達アプリが普通に鳴ります。
現在の24時間エリアは東京、大阪、名古屋、福岡などです。ちなみに深夜料金みたいなインセンティブはとくにありません。安定のスリコです。
Uber Eats の報酬 新旧料金体系比較
Uber Eats の報酬は給料でなく、営業利益です。この項目の差は税金、経費、確定申告に影響します。
給与所得 | 事業所得 | |
源泉徴収 | あり | なし |
確定申告 | なし | あり |
経費 | なし | あり |
給与所得控除 | あり | なし |
事業所得控除 | なし | あり |
事業税 | なし | あり |
Uber Eats の配達パートナーの稼ぎは上の表の「事業所得」になります。バッグや自転車は経費で落ちます。
Uber Eats の報酬の仕組み 旧料金体系
- 受け取り(ピック)
- 受け渡し(ドロップ)
- 距離
フードデリバリーの基本報酬は以上の要素で決まります。ここにチップやクエストやブーストなどのインセンティブが加わると、単価が跳ね上がります。
Uber Eats の報酬の計算式は非常に明快でした。
エリア | 受け取り(ピック) | 受け渡し(ドロップ) | 距離1km | 手数料 |
東京 | 265円 | 125円 | 60円 | 10% |
埼玉 | 265円 | 125円 | 60円 | 10% |
千葉 | 265円 | 125円 | 60円 | 10% |
神奈川 | 250円 | 120円 | 60円 | 10% |
愛知以西の西日本エリア | 210円 | 105円 | 60円 | 10% |
コロナ以降の新規エリア(仮) | 210円 | 105円 | 60円 | 10% |
手数料は基本報酬からの天引きです。チップやプロモーションには掛かりません。
賛否両論の新料金体系
が、この旧料金体系は2021年上旬で終了し、不透明な新料金体系が全国で始まりました。この新方式では報酬の内訳は非公開です。AIが自動で適切な金額を算出します。
これ以降、「配達報酬が下がった!」という悲鳴はままありますが、「配達報酬が上がった!」という歓喜はめったに上がりません。全体的には微減のようです。
反面、配達のリクエストを受ける前にドロップ先をチェックできるようになりました。これは文句なしの神アップデートです。
アップデート後のUber Eats の報酬の目安は300円/1回です。配達パートナーの間ではスリコ(スリーコインの略)と揶揄されます。
上の図の30分(5.4km)で363円はなかなかのブラックデリバリーです。
あと、鳴りのアラートのコール数が明らかに短くなりました。
Uber Eats を始めるのに必要なもの
Uber Eats の配達に必要なアイテムをまとめましょう。
- 自転車or原付
- アプリ
- バッグ
- クレカ
- キャッシュカード
- 18歳以上の健康な肉体
非常にシンプルです。業務内容が都心部の食べ物の出前ですから、身軽さが最優先です。
配達パートナーのアカウントは申請から数日~2週間で有効化されます。ぼくは電話予約なしで自動的に1週間くらいで承認されました。
自転車勢や女子には小さなバッグが人気
専業のガチの配達パートナーにはUber Eats の公式バッグがベターです。
しかし、あの大容量のパッケージがみっちり埋まることは小食大国日本ではめったにありません。
実際、配達の8割は一食分の小パッケージです。弁当とか丼とかハッピーセットとかからあげくんとか。
また、純正バッグの大きさと重さは副業、お小遣い稼ぎ、女子にはややハードです。最近ではあのロゴが目の敵にされることもしばしばだ。
おまけにUber Eats の公式バッグがアマゾンから一掃されました。一時期の転売が原因でしょう。今ではUberの公式ショップでひっそりと売られます。
ということで、少し安いコンパクトな非純正バッグがひそかな人気を集めます。ショッピングモールや繁華街の取り回しに有利です。