MTB、オールロード、ツーリング、アーバンコミューターなどなどのスポーツ自転車のブレーキの主流は油圧ディスクブレーキです。
ホイールの軸の円盤がシンボルマークです。
ブレーキの王者油圧ディスクブレーキ
ディスクブレーキはシステム的にはママチャリのバンドブレーキやローラーブレーキの遠縁で、ハブブレーキの一種です。
もうひとつの系統がリムブレーキです。Vブレーキはクロスバイクやミニベロ、キャリパーブレーキやダイレクトマウントブレーキはロードレーサーにのっかります。
制動力は油圧ディスク > 機械式ディスク = Vブレーキ > ダイレクトマウント > キャリパー > ローラー > バンド…です。
機械式 x 油圧のハイブリッドなディスクブレーキやキャリパーブレーキもあります。
ディスクブレーキの強さランク
おおまかな振り分けではディスクブレーキシステムは最強の自転車ブレーキです。で、その最強システムは各段階にわかれます。
指標はキャリパーのピストン数、ブレーキパッドの種類、そして、ディスクローターのおおきさです。
ピストンの数
うちのHOPE E4のキャリパーは4ピストンです。
しょぼい機械式のは1ピストンです。くれぐれ上のHOPEの質感と比べない。
ディスクロード、シクロクロス、MTBトレイル、クロカン、アーバン、ミニベロなどは2ピストンモデルです。
FORMULA RXはみごとなカックンブレーキです。
偶数の3ピストン、5ピストンはありません。2、4、6みたいな奇数がふつうです。ぞくに対向ピストンです。
ブレーキパッドはレジンタイプかメタルタイプです。メタルのが強力です。
ローターはスチール製です。チタン製、カーボン製はありますけど、キワモノの域を出ません。このおかげでリムブレーキみたいなはんざつな組み合わせがない。
ローターのおおきさ
制動力を手軽に上げる方法はディスクローターの変更です。円盤をでっかくすると、ブレーキをパワーアップできます。
ローターのサイズは4種類です。
- 140mm=フラットマウント
- 160mm=スタンダード
- 180mm=ハード
- 203mm=最強
160mmがスタンダードです。140mmはシクロやディスクロード用です。ぞくに『フラットマウント』が専用台座です。円盤がミニマムです。
180mm、203mがハードなジャンルのローター系です。ジャンルではENDURO、FR、DHです。フロント203mm、リア180mmてのが下り系の定番です。
AvidやHOPEなどに185mm、183mmみたいな特殊サイズがあります。180mmとの互換性はびみょうです。
下り系4ピストン、メタルパッド、203mmローターが最強のディスクブレーキです。6ピストンはレア、ダブルディスクは黒歴史です。
ディスクローター交換
で、うちのメインのホイールです。
このローターは160mmです。標準的なサイズです。タイヤはクロカン、リムは軽量タイプです。足回りのシステム的統一感にはまちがいはありません。
でも、ぼくの最近の自転車シーンがますますタフになります。オフロードのダウンヒルがメインになってきました。
新車のVitus SommetのフレームはアグレッシブなENDURO用です、下り寄り。160mmローターのブレーキ力がしばしば物足りなくなります。
Sommetのモデル車のローターサイズはフロント203mm、リア180mmです。前後160mmは車体と合いません。
バルクの180mmローターGET!
てなわけで、180mmローターを調達しました。Avid G3です。AvidはSRAMグループです。
1500円のバルクです。同モデルの160mmサイズが手元にあります。見た目はじみですが、フィーリングは良好です。なにより音鳴きがしない。
うらはらに中華の手作りやっつけ安軽ローターはやたらめったら「キュキュキュィーンンユ!!」て奇声を発します。街乗りでへんに注目を集めます、ははは。
180mmローターの重量をはかりましょう。
ジャスト150gです。160mmのローターがざっと100gです。前後の重量増は100gに達します。
おおきさの比較です。下が180mm、上が160mmです。
ローターのサイズが大きくなると、表面積と質量がふえて、冷却効果があがります。運動エネルギーを熱エネルギーに変換するのがブレーキのしくみです。
キャリパーブレーキやVブレーキシステムではこの摩擦熱はホイールリムの負荷になります。カーボンリムの変形や破損がネックです。
アルミはだいじょうぶです。
ディスクローター取り付け
取り付けに参りましょう。て、さきにハブのディスクブレーキ台座をふきましょう。こんなときにしか剥きませんし。
ふきふきしました。ちなみにハブはBOOSTタイプです。これはフロントハブで、スルーアクスル110x10mmですね。
ベアリングはなめらかです。これはもともと予備ホイールですし、最近にメインになりましたし。
回転方向にしたがって、あたらしいディスクローターをセットします。
で、固定ボルトをねじねじします。一個のボルトを一気に締めません。対角線上のボルトをちまちま増し締めします。
ローターのボルトは星形で、T20-25サイズです。うえの青いのはチタンボルトです。
ところでぼくはねじ止め剤をぜんぜん塗りません。定期的にトルクをチェックして、ガタやゆるみに対応します。
はい、ホイールが山用にパワーアップしました。これできつい局面のブレーキ力不足が緩和されましょう。
160mmでダウンヒルすると、指をバキバキにゆわせちゃいます。ぎゅーって握るから。
最終的には203mmに行っちゃうかも? そんなときにはアダプターです。フロント用、リア用、ポストマウント用、インターナショナル用…があります。要注意。